バーダラ国の地下ダンジョン②
ダンジョン内を魔道照明で照らした。
「ちょうどこの先に階段があるみたいだな」
手元の地図には、そう描かれていた。
するとアオが先行して『あったぞーー』と叫んでいる。
『早くこないと、先に行くよーー』
成る程、いびつな階段があった。
なんだ、下りるのも大変な階段だ。
1段1段の高さがバラバラ過ぎて、転び落ちそうになった。
あ!すでに戦いが始まっているぞ。
ワーウルフの手には、湾曲した剣が握られていて、アオを切りつけていた。
アオは後ろ足で支えた状態で立ち上がり、前足で剣を弾き返していた。
その音は「キンーー、カンッ、キンーー」と洞窟内を支配した。
それ程にワーウルフの攻撃は激しい。
そして、それ程にワーウルフはでかかった。
ハチが立上がって互角になるぐらいにでかいのだ。
その戦いも終わった。
いつの間にか後ろに回り込んだクロが左足を噛み切った。
その一瞬に、アオはワーウルフの首にかぶり付いた。
もの凄い量の血が噴き出した。
よろけるワーウルフだが、頭が落下して目は見開いた状態で俺を見てた。
「なんだ気色が悪い奴だ」
その頭を蹴った。
蹴られた頭は、クロが拾い食いしている。
曲がりくねった先に、2体のワーウルフが待ち構えて居た。
1体が飛びだした。右手には湾曲の剣、左には盾を持っている。
又もアオが立ち上がり戦いだした。
ワーウルフは剣を跳ね返されて、のけぞった。
追撃するように前足が襲い掛かった。
しかし、盾によって防いだ。
あ!向こうではクロとワーウルフが戦いだした。
「カン、カン、キンーー、カン」とうるさい。
そんな戦いの最中に、ミドリバチが尻の針をワーウルフに向けている。
そして毒球を飛ばした。
ワーウルフの顔面に命中。
顔が惨い事になった。するとアオがワーウルフの右肩から腰まで切裂いた。
全てが一瞬の出来事だった。
クロと戦っているワーウルフの背中にも、毒球が命中。
苦しむワーウルフに、クロの毒針が腹に突き刺さった。
口から吐血して、ワーウルフはすぐ死んだ。
そんな戦いを何度も勝利した。
ついにやって来た。今まで1番広い空間だった。
あれが祭壇か・・・もしかして有るかも知れないと思っていた。
しかし、実際に見て驚きは隠せない。
それに立ちふさがるワーウルフは赤く、今までのワーウルフよりでかい。
両手の爪が徐々に伸びた。60センチは伸びているだろう。
なんと禍々《まがまが》しい爪だ。
「やれ!」
一斉に飛び掛った。
アオは得意な超振動波を羽に発動して襲った。
「キーーーー」とけたたましい高音が耳に突き抜けた。
いったい何が起きた!!
持っていた魔道照明を落としてしまった。そして耳を塞いだ。
それでも我慢してワーウルフを見た。
ワーウルフが爪でアオの羽を防いでいた。そこが音源だとすぐに分かった。
あの爪は、アオと同じ原理だ。
あ!クロが後ろから毒針を突き刺した。
ちょっとよろけたが死なないで立っている。
このワーウルフは毒耐性でもあるのか・・・
鑑定結果にも毒耐性があった。
そして羽を掴んで放り投げた。
凄い勢いで飛んだが、くるりと体勢を変えて止まったアオはワーウルフを見ている。
その間もミドリバチの毒球が襲うが、全て爪によって消されている。
俺は雷銃を取り出して、最大にして撃った。
雷弾を爪で防ぐ気か、しかし触れた瞬間に感電している。
これでもダメなのか・・・
その時アオがワーウルフと交差して俺の前に戻って来た。
『主、やりましたよ』
ワーウルフの首に赤い線がスートとはいってゆくのを見た。
その途端に頭がずれて、下に落ちた。
「やったのか」
『主、やったと2度も言わせたいのか』
「ああ、言わせたいな」
『やったよ』
祭壇に祭られていた赤いオーブを手に取った。
赤いオーブ
ワーウルフをテイムできる
「凄いぞ、テイムか・・・」
地下2階層を探索し尽くした。
地下3階への階段は無かった。
しかし、ワーウルフを16体もテイムした。
テイムの仕方は簡単だ。
ただオーブをワーウルフに見せるだけて良かった。
何かに惑わされているように近づいてきて、オーブを触った瞬間にテイムが成功した。
なんとも不思議な現象だ。
「転送するぞ」
地上に戻って来た。
気になる事をアリッサの部下に聞いた。
「ダンジョンの発見は、12年前で御座います。5年の攻略期間で祭壇を見つけて持ち帰えりました」
そしてあれやこれやと聞いた。
10年後に2階への階段を突然発見したらしい。
前には、なにも無かった場所に・・・
それは驚きの情報だ。
10年周期で階層が増えているかも知れない。
後8年待てば分かる事だ。
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