アリッサ・パーラー
なぜだ、なぜこんな事になった。
バーダラ城に次の領主となる貴族が、国王に挨拶に来ていた。
先の戦いで貴族の主立った者が死んだ事が発端らしい。
どこもかしこも貴族の継承にてんやわんやだ。
もう手紙での継承願い状が山のように積まれている。
早く会って領土安堵の確約が欲しいと、元国王が言っているから間違いはない。
これは早く解決しないとダメだ。
どうしようと歩き回った。
心配して見守り続ける地上攻撃機の乗組員の1人に目がとまった。
「お前は、確かジャバンで間違いないか」
「いえ・・・シャバンです」
「ああ、そうだった。確か航空隊の会計をまとめて報告して来たな」
「はい、何度もうかがってます」
「ならば、シャバンを国王に任命する。この元国王と相談してこの国を統治しろ」
「え!!そんなむちゃな・・・」
「皆もここに残り親衛隊となって、この国を守れ。給料も3倍に上げて家族も呼んで暮らしてもいいぞ」
乗組員は給料3倍に喜んでいる。
困った顔なのはシャバンだけだ。
俺は、こんな公の場には出たくないのが本音だ。
それでなくともローラン領で手一杯だ。
これでなんとか公の場から出なくてすんだ。
王の広間では、王座に座るシャバンに向かって、片ひざをついて挨拶をしていた。
かたわらには元国王のベケンが付いていた。
挨拶が終わると優雅に歩いて元居た位置に戻った。
まだ挨拶の終わっていないこの儀式を、尊いものを見守るように貴族たちは見ている。
あああ、シャバンの顔の引きつりは惨いなーーー。
ピクピクと笑っているのか泣いているのか分からない程だ。
俺があんな場所へ出なかった事に、安堵した。
この貴族連中には大事な儀式だが、俺には滑稽な芝居のように思えてきた。
俺は離れた場所でアオに守られるようにそれを見てた。
「ああ、つまらん」
『そんなにつまらないのなら帰りましょうよ』
「そりゃー帰りたいよ。今も船が向かっているから、船の兵が来たら帰る予定だ」
そんな俺に、同じ年齢ぽい女性が近づいて来た。
アオが怖くないのか・・・アオも少し女の顔見た・・・『やっぱブスだ』と念話で言ってきた。
いやいや基本的に美意識の違いだ。
俺が見た感じだと美人だ。
それにこの女性は早い段階で挨拶をしてた。
だから貴族としても高い地位の貴族らしい。
「私はアリッサ・パーラーと申します」
「ああ、シン・ローランだ。何かようかな」
「あなたが今回の勝利者だと考えています。それで間違いありませんか」
なんだよストレートに聞いてきたよ。
中々の悪だ。
「まあ、想像に任せます」
「そうですか、話して下さらないのですね。それでは失礼します」
あの女は要注意だ。
鑑定をしても見えなかった。
こんな事は初めてだ。
後でベケンに聞いた話だと、爵位は公爵らしい。
それも歳の離れた兄が死んで、公爵を継承した。
それもこの5年間で、パーラー領は繁栄し続けたらしい。
大規模な飢餓もやすやすと乗越えて、領民から慕われているようだ。
山で金発掘の成功が始まりだ。
思い通りに事が進展して、バーダラ国で1番の発展振りだと聞く。
そして新しい船で貿易もして、収益をどんどん上げていた。
今回の侵攻作戦の兵力もパーラー領から考えても少な過ぎた。
理由はああだこうだと報告されているが、意図的な匂いがするとベケンは言っている。
王都前の港上空に船がやって来た。その船が徐々に高度を下げて着水した。
その周りには大勢の人が集まって見てた。
「これが新しくなった国王の国から来た船らしいぞ」
「こんな船を持っていたら負けるのも当たり前だ。それに税金も安くなってありがたいな」
「そうだ、そうだ、ありがたい事だ。お前知っているか、屋根の修理で落ちたランジャー、足の骨が出ていたがポーションですっかり治ったらしいぞ」
「そんな事も出来るのか凄いな」
城の訓練場には、ハチが待機中だ。
「領主さま、船が港に下りました」
「そうかご苦労」
『これで帰れるね』
「わたしも行くわ」
え!なんだ。俺を後ろから抱きつく者は誰だ!。
お、お前は・・・
「私はアリッサ・パーラーよ。なのか文句でもあるの」
『こらブス!降りろ』
ああ言っちゃたよ。
「早く飛びなさい」
『ブスが命令するな!』
「あなたの国が見てみたの、連れてって」
『はやく降りろ』
「あんた、うるさいわね」
あああ、面倒だ。連れて行って見たら帰るだろう。
「アオ、ローランへ帰るぞ」
『・・・・・・帰るのか』
ハチたちの羽音が無数に響き、ハチたちが飛んだ。
アオも仕方なく飛んだ。
ローランへ付くまでアオとアリッサの言い合いは、終わる事はなかった。
「ここがあなたの国なのね」
『おい、着いたぞ。早く降りろ』
「仕方ないわ、降りるわよ」
セバスが駆け寄り、首をかしげて「この方は・・・」
「私はアリッサ・パーラー、よろしくね」
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