バーダラ国②
砦にブッダ国の援軍が、3日後にようやくやって来た。
疲れきった7万の援軍は、戦いが終わった事の驚いていた。
「なんだとバーセン、バーダラ軍が敗北しただと、我がブッダ軍が到着3日前に終わったと言うのか」
「ローラン軍に助けられて、勝ちましたよ。ここはブッダ国に入るには、必ず通る要所の為に追撃をしない事にしました」
「あの訳も分からない乗り物と、あの使い魔に助けられたというのか・・・数では1万程ではないか・・・それなのに勝ったのか・・・」
「ええそうです。攻撃が始まると1時間も掛からず勝ちました。本当に力強い味方ですよ」
早速、軍会議が行なわれた。
援軍に来た軍は、面目まる潰れだ。
会議が始まった途端に、「わたしは、バーダラ国に打って出るべきと信じます」
「その意見に賛成だ。負けたバーダラ国は、今が叩くチャンスだ」
「わしも賛成だ!」
「そうだ、そうだ」
バーダラ国へ攻め入る作戦が強行的な多数決で決まった。
俺は当初から反対しなかった。それが俺の望みだからだ。
勝ったら勝手で交渉して、バーダラ国の一部の領土をもらう話をすればいい。
負けた時は、バーダラ国をこてんぱんにしてやれば良いだけだ。
「頑張っていって来い」と手を振った。
「大丈夫でしょうか」
「バーセンさんは、ここを守り切ったのだから、きっと出世しますよ」
「そうですか、ガハハハハ」
この人も愉快な人だ。
後を空から追跡した兵士から連絡があった。
砦に逃げ込んだ敗残兵5000と残留兵5000は、ブッダ軍が現れた途端に敗残兵は逃げ出した。
もうそんな状態の砦は、守れなかった。
逃げ出す兵が続出した為に、見事に敗れた。
1万の兵は呆気なく全滅してしまった。
その噂は広まって、幾つかの砦を落としたらしい。
1つの砦など、戦う前に降伏してしまった。
最後の戦いの場には、敵軍4万が立ちふさがった。
ブッダ国の指揮官は舐めていたのだろう。
数で有利だ。先の戦いで勝利している。兵たちも勝ち戦だと確信していた。
指揮官も勝った積もりでいるのだ。
睨みあった両軍が動き出した。
「バーダラ兵を踏む潰せーー、勝利は目の前だ!!」
それは激突する寸前だった。
「シャデル指揮官!後ろからゴブリンが攻めてきてます!」
「なにを、そんなバカな・・・」
後方の土に隠れていたゴブリン2万が強襲して来たのだ。
まだそのまま前方に突っ込んで戦っていれば、勝敗は分からなかった。
ブッダ軍の後尾は、引き返してゴブリンに戦いを挑んだ。
前方は立ち止まった。そのせいで挟まれてしまった。
逃げ場が無い状況だ。
押出す事も引く事もできない。ブッダ軍の中央はただ倒される味方を見ていた。
もうそうなるとパニックだ。味方を切りつけて逃げだそうとした。
逃げられないのに・・・
呆気なく戦いは終わってしまった。
バーダラ国の勝利だ。
その一報を聞いて、すぐに全軍で飛び立った。
勝利に喜ぶ軍に、強襲を仕掛けた。
余りにも被害の少なかったバーダラ軍は、勝利に酔いしれていた。
それは無防備にも近いことだった。
地上を見張る者は居たが、空の敵についての情報は無かった。
空から敵が襲った瞬間で、ようやく理解したようだ。
ハチたちがゴブリンをさらって、空中で引き裂いた。
そのバラバラ死体は、バーダラ軍の頭上に降り注いだ。
繰り返し繰り返し、バーダラ軍の頭上に降り注いだ。
それは兵士の死体も混じったバラバラ死体だ。
追い討ちを掛けるように、地上攻撃機が攻撃を開始した。
逃げても爆破は起きた。逃げた先々で爆発は起きた。
犠牲者があふれていた。
これも呆気なく終わった。
我が軍は、数では少ないが攻撃や防御で、相手より上回っていた。
そしてバーダラ国の王都の空を、ハチたちが飛び回って支配した。
城の中はパニックだ。
王都全体がパニックにおちいった。
逃げ出す者は、そのまま放置だ。
そうなると夜に紛れて逃げ出す兵も増えた。
頃合をみて使者を送ったら、使者は牢屋に閉じ込められた。
城壁から「我らは、絶対に降伏はしなぞ。周辺の貴族がきっと助けにくるから待ってろ」
「王様、使者をあのようにして、よろしいのでしょうか」
「しるか!それに元々はこっちの兵だ。それより、なにかいい打開策はないのか」
何かが崩れ落ちる音が、城内に響いた。
「なんだ、あの音は」
王は城の窓から外を見た。
ハチが城壁に取り付いていた。そして壁を壊していた。
そのハチに向かってバリスタが発射されたが、跳ね返されていた。
更に崩れる落ちる城壁に、なす術を持たない兵は見守るしかなかった。
しばらくすると城壁の原型が残ってない。
城は丸裸だ。
城にビラをまいた。
ビラには選択肢
国王を貴族に降格させて、命を救うと誓ったビラだ。
そのビラを見た王は、崩れ落ちた。
バーダラ国は、完全降伏をしてきた。
俺が見守る中、シャバン元国王が貴族に降格を言い渡された。
この城に居た少数の貴族が見守る中で、シクシクと執り行われた。
バーダラ国は、ローランの属国になり支配を受ける国になった瞬間だ。
ブッダ国も反対出来なかった。
反対に、俺らの戦費を払う事になった。
ローラン国の商品が、関税撤廃になった。
これでローラン国の商品には、税金が無しで売る事が出来るはずだ。
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