白ばら
我が城の、訓練場にブレーメン国を守る警備兵50人と隊長と王女のミザイが整列して待っていた。
なんでこうなってしまったんだ。
この警備兵は、白ばら兵とも呼ばれていた。
全員が女性の兵で、制服も白を基本にしたデザインだ。
そして乗っているのも白い鳥だ。
おいおい、外野に野暮な兵士が隠れてのぞいているぞ。
まあ、ここにいる女性たちは、見た目が美人だ。
肌も透き通っていて、髪はシルバーのように輝いていた。
あ、隊長のサラスに見つかって怒られた。
「セバス、なぜ彼女たちがここに居るのか、詳しく説明してくれ」
「前回のアンデッドで、結界や相手を惑わす魔道具では限界を感じたと・・・なので敵と戦う術を習いたいと言ってます」
「剣術の訓練を見た事があるぞ。それではダメなのか・・・」
「シンさま、風銃の事を言っているのです。シンさまの戦いを見られていたのでしょう。それを習いたいのです」
「なんだ・・・すると風銃も欲しいのか・・・」
「それは、わたしが話します。女王の名代として風銃100丁を購入したい」
セバスが俺の耳元に囁いた。
「ここは手渡す以外ないでしょう。同盟関係を続けるのであれば・・・」
「分かった。取りあえず60丁を手渡す。後の40丁は1ヶ月の期間が欲しい。予備が無いから・・・」
「それで構いません。これでなんとか目処が立ったわ」
「はい、銃口の先にある照準器と後方の照準器を合わせて、目標を狙って・・・狙いが定まったら、軽く引き金を引く。それで終わりだ。さあやってみようかーー」
ああダメだ。弓矢の扱いは上手いのに、今は慣れが必要だな。
だけど1時間も経てば、当たりだした。
いいぞ、いいぞ、段々当たる確立が上がってきた。
ミザイは、もう100%も当てだした。当てるのが早い。
誰もが当てだした。
「全員止めろ!!今度は近距離の魔物に対して、連続モードに切り替えて撃ち続ける練習をするぞ。銃の位置は腹ぐらいがいいだろう。そして連続撃ちだからある程度の衝撃が受けるぞ。しっかり構えて撃て」
射撃の的が、下から急に飛び出した。
あ、撃ってしまった。
「バカ野郎!的をよく見ろ!人だ。手になにも持ってないぞ。味方を撃ってどうする。判断は早く正確に判断しろ!!」
今度は魔物の的が横切った。全然魔物に当たってない。
「ダメだ、ダメだ。それじゃー死んでしまうぞ。もう1度、再開するぞ!!」
「ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダダ」
まだまだダメだ。
違う場所では、障害物の中を走りながら風銃の最弱で的を連射していた。
決められたコースを走り抜けて、どれだけ的を当てるかだ。
ただし、そのコース中にはペイント弾が発射されて当たらないようにすり抜ける必要があった。
当たれば即失格だ。
そしてコースを出ると点数が表示。
【30点:不合格】
「え!そんな・・・」
「何処を撃ってる。50%しか的に当たってないぞ。それに走りが遅い! それで合格点が取れるか!それに隠れてばかりだ」
1週間も掛かって全員が合格した。
的は2キロ先にあった。
うつ伏せになって風銃を構えていた。
ここから2キロの間の風を見た。ツマミを回して回転数を少し上げた。
そして発射のツマミを回して弱めた。
徐々に息を整えてゆく。
照準器をゆっくりと合わせて、わずかな無駄な力も無く引き金を引いた。
横で魔道双眼鏡で見ていた教官が「ど真ん中に命中だ」
こいつら全員が長距離の狙撃に抜群の成績をおさめた。
ミザイは3キロの的も当てている程だ。
それにまして驚いたのが、こいつらの目だ。
魔道スコープを用意していたのに、ていねいに断られた。
心の目で見て撃つと言って実戦してみせた。
今度は、魔の森で実戦だ。
白ばらは、2キロ先のオークの集落を見つけた。
見える数は500人ぐらいだ。
焚き木の周りに座っている者や、2段高い位置で見張りをしている者もいた。
汚いボロ屋から、黒い煙がモクモクと出ていた。
何処かの狩場から帰ったのか、棒にくくられた魔物を3人で担いでいた。
その後ろにも、魔物が運ばれていた。
それを見た見張りは、何かを叩いて合図をしていた。
ボロ屋に入っている人数は、不明のままだ。
隊長のマーヤは、手で合図を送った。
40人は各々の好きな位置を探しては、かがみ込み風銃をチェックしてからうつ伏せになった。
残りの10人は、40人を守るように周りを警戒している。
狙撃者の全員が準備が整った。
「撃っていいぞ」
軽い音が「タ、タ、タ、タ、タ」と鳴りだした。
集落では、オークがバタバタと倒れた。
もう集落はパニックだ。
倒れる数は、なおも増えていた。
ボロ屋からひときわ大きなオークが現れた。
現状を見て、怒りまくっている。
そのオークの額に風弾が命中。
しかしオークは踏ん張った。このオーク、頭が異状に硬かった。
しかし、血は流れ出した。
「ガウーガ!!」と叫んだ。
しかし、無数の風弾が当たりだした。
何発かは貫通した。
ついにオークは倒れた。
もう周りのオークは逃げ出した。
しかし遅かった。
最後のオークが倒れた。
俺はそれを眺めていた。
「これで教育も終わりましたね」
その言葉を掛けてきたのは、ララだった。
その横で、ミザイが微笑んでいた。
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