帝都で暴れる
帝都の闇夜に、りっぱな屋敷の屋根に俺がいた。
音をかき消す魔法陣を発生させて、屋根をぶち壊した。
するりと屋根の中に忍び込んだ。
目指すは執務室だ。
すでに屋敷の見取り図は、頭に記憶している。
魔道暗視で確認して、又もや同じ方法で天井板を壊して、小型重力装置で下の床まで静かに着地。
壁に飾った絵画をゆっくり外して、魔法金庫を確認。
魔道暗視のスイッチを回して、透視モードに切り替えた。
金庫のダイヤルを右に回して、向こう側に凹みに「カチッ」とはまった。
今度は左にゆっくりまわして15の位置で「カチッ」とはまった。
右に43で又も「カチッ」とはまった。
左に2で「カチッ」とはまった瞬間に解除された。
鍵穴はその場でじっくり観察して、錬金術で作った。
それを差込んで、回した。
最後は、魔法結界の解除だ。
決められた呪文を唱えると解除だ。
魔眼でその呪文を読み取った。そして唱えた。
「汝の戒めは時間なり、ならば開け」
取っ手を掴んで開いた。
そこにあった書類を取り出した。
「パチパチ」と魔道カメラに撮りつくした。
この5枚は重要だ。
偽物を錬金術で作り出した。
比べても本物か偽物の判別はできない。
いい出来具合だ。
それらを元に戻した。
そして金庫も閉めて、ダイヤルも元の位置に戻した。
呪文を唱えて、結界を張り直した。
後は絵画を掛けて終わりだ。
今度は、金庫で御座いますと置いた金庫に取り掛かった。
小型火銃を最弱にして、引き金を引いた。
銃口から炎が噴いた。ツマミを回して炎の先端を細くして、金庫を焼き切った。
中の金や宝石を全て盗んだ。
盗んだ金庫に、紙を置いた。
【快盗マウス。正義に変わって盗んでやった!】
小型重力装置で屋根裏に出て、そのまま屋根の外に出た。
そのまま屋根の上を飛跳ねた。
小型重力装置を使えば、嘘のように飛跳ねれる。
次の獲物の屋根に舞降りた。
又も同じ手口で忍び込んだ。
皆が待っている隠れ家の宿屋の屋根に、音もたてずに舞い下りた。
開かれたベランダに、スット下りていた。
俺の姿を見た中の者は、ホットため息を付いた。
「ご苦労でした、領主さま」
「これをコピーしてくれ」
小さなチップを手渡した。そのチップを装置に挿入して開始ボタンを押した。
小さな画面が書き込み動作に変わって、書き込まれた書類を映し出していた。
それをのぞくメンバーが、「この書類は必要だ1枚印刷してくれ」
「それなら、こっちも2枚くれよ」
わいのわいのと騒いでいた。
「コピーが完了しました」
「それで調査もずっと楽になるだろう。それとこの金をここのスラムにまいてくれ」
テーブルに置かれた袋の重みで、テーブルがしなりだした。
「はい、分かりました。「他言したら捕まるから言うな」の一文を書いた紙と一緒にまきます」
隣に居た男が急に聞いてきた。
「そんな事をしたら、噂が広まりませんよ」
「君は分かってないな。秘密だと言ったらよけに広まるもんなんだよ」
「そんなものですか・・・」
それは帝国中に広まった。
【帝都に快盗マウスあらわれる】その奪った金を貧しい人に配った。
そんな見出しの新聞が、あっという間に広がった。
その新聞を買い求める人で大通りは賑わっていた。
帝都警察
「お前ら、ただ飯食らっているかーー。今日、宰相に呼ばれて皮肉を言われたぞ「このただ飯食らいが」とな。それでなにか分かったのか」
「あれだけ壊して進入したのに、誰もその音を聞いてません。それに金庫の開け方も今まで見た事も聞いた事もありません。今はコツコツと屋敷に出入りした人を調べてます」
「なにも分かってない。そんな事を聞いてないぞーー。ばか者が!!」
「では言います。1つだけ分かった事があります」
「それは何だ。早く言わんか!」
「残された紙に書かれた筆跡が似ている人物がいます」
「何故捕まえない。お前が捕まえないのなら俺が捕まえてやる。早く名を言ってみろ」
「皇帝の筆跡です」
「ばばば、ばか野郎!!」
取調室
「お前、借金を返したそうだな。その金はどうした」
「コツコツと貯めました」
「なにーー嘘を言うな。快盗マウスからもらったんだろ」
「何か証拠でもありますか、お金にマウスからもらったと書いてますか、書いていたならもらった証拠ですね。どうですか書いていましたか」
反対に詰め寄られていた。
今晩の仕事でこことも、おさばらだ。
ベッドに寝転び集中した。
虫とのリンクがつながった。
「ブーン、ブーン」と虫は高速で飛んだ。
広大な帝都を高速で飛び回った。
「やっと見えてきた。城だ」
事前に調べた壁の上は結界が2重に張られていた。
1枚目が壊された瞬間に、警報がけたたましく鳴る仕組みになっている。
だから壁の1番薄い部分に突っ込んだ。
体を高速回転させて堀り進んだ。
小さい虫で助かった。
音があまりしないまま掘り進んだ。
それでもなんて厚みの壁だ。
そしてようやく「ズバッ」と壁を貫通した。
そこから見た景色は凄かった。なんと贅沢な城だ。
目指すは右奥だ。
これも違った。これでも無かった。
窓枠にしがみ付いた。中をジーッと見た。
母の紋章があった。ここがそうだ。
体を回転させてジリジリと小さな穴を開けて入った。
もう1度確認して、間違いないと確認した。
母の肖像画あったからだ。
俺が持っているのは、この肖像画の偽物だ。
セバスが描いてくれた物だった。
座標位置を記憶した。
リンクを切った。すぐにベッドから飛び起きた。
急いで転送だ。
部屋に転送していた。ここが母の部屋か・・・
肖像画をしばらく見てた。
「ブーン」と俺の顔に虫が止まった。
「ああ、分かったよ。仕事をするか・・・」
全てを収納した。
ベッドも収納して、今度は横にあったテーブルだ。
あ!きれいなテーブルに傷が付いていた。
「かわいい、わたしの赤ちゃん。早く元気に生まれておくれ」
ぽろぽろと涙があふれた。
せっかくの母の部屋だが燃やすしかない。
部屋の中がなにも無い事がばれたら、怪しまれるのは俺だ。
それは分かっていた事だ。
外に小型重力装置で飛び出した。
外から火銃で部屋を狙って撃った。
窓ガラスを壊して、ボッと燃えだした。
空中に浮かんだまま転送を開始した。
「かあさん、向こうで暮らそうね」
ローランへ戻った。
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