コハクとクチャ
1日目
「リアン、これがハクセンの子で・・・ハクセン、この子の名はなんだ」
そうだ、名前を聞いてない。聞いた覚えも無いな。
『名は無いな・・・おい名はあるのか』
『名・・・て・なに』
『名前も知らないから無いと思うぞ』
「親なら名前ぐらい付けてやれ。かわいそうだと思わないのか」
『そうだな、名か・・・なか・・・ナカでどうだ』
「なんだその名は、全然ダメだ。もう俺が付けてやる。ハクセンの子だからコハクでどうだ」
『コ・ハク、コハク、コハク』
「気に入ってるようだな」
「あの領主さま、なぜ私を呼んだのでしょうか」
「ああ、そうだった。コハクを紹介しようと思ってたんだ。どうだかわいいドラゴンだと思わないか。それにクチャにも合わせておいた方がいいと思ったんだ」
「クチャ、挨拶しなさい」
『クチャです。よろしくね』
お、初めて聞いた。しゃべれるようになったと聞いたが、しっかりと話せるのか・・・
『・・・』
『コハク、どうした。そうか植物が動き回るのが不思議なのか・・・違うのか・・・なんだ変な子だ』
2日目
「コハクが飛んでるな。そのコハクの下にクチャがぶら下がっているな。そこまでな分かるが、何故クチャの下にリアンがぶら下がっているんだ」
コハクの初飛行をやっていると聞いて来たのに、なんてざまだ。
上手く風魔法が使えてないから、急に上昇したと思いきや急に下降して、見ているこっちもやきもきする程だ。
クチャによって抱えられたリアンはさぞかし怖いだろう。
「キャー、キャー」とここまで悲鳴が聞こえている。
「なあ、ハクセン、なんでああなった」
『クチャが一緒に飛びたいと、言い出したのがそもそもの始まりだ。コハクがクチャを掴んで飛ぶまでは良かったのだが、クチャがつるで勝手にリアンを抱えてしまった。結果はこのようになった訳だ』
「それであの飛び方は、ダメだろう」
『ダメでも飛んでいる中で、勝手に上手くなるのがドラゴンだから心配は無用だ』
イヤ、そこを心配などしてないぞ。心配なのはリアンなのが分からないのか・・・
「早くコハクを飛ぶのも止めさせた方がいいぞ」
『そうなのか、主殿が言うなら行ってくるが』
飛んで行ってしまった。
ああ、ダメだ。余計にコハクが逃げ回っているぞ。
ああ、そうか。遊んでもらってると勘違いしてるのか・・・もうどうしようもない。
結局2時間以上も飛んで下りて来た。
駆け寄った先にはリアンは失神寸前で、薬学所まで運び込んだ。
ビアンの回復魔法で目覚めたリアンは、クチャに対して1時間以上も説教をする程怒った。
4日目
ハクセン親子とリアンとクチャが魔物討伐に出かけると聞いて、俺もついて行く事にした。
なにかが起きそうで心配だからだ。
「お前がハクセンだと・・・」
「何かおかしいか・・・」
あのでかいハクセンが、リアンに似た女になっていた。
ほう、ドラゴンの気配を消す方法に他の生き物に変身できるのか・・・
たまたま近くにいたリアンに変身したみたいだ。
めちゃくちゃどうなっているのか聞いた。
聞いた結果は、本人もよう分からんらしい。こいつはそんなドラゴンだった。
変身した理由も凄かった。
え!ドラゴンの気配で魔物が逃げ出すのを気遣ったと言い出した。
変な所には気が回る奴だ。
「あれはオークの集落だぞ。コハクとクチャだけで大丈夫なのか」
「領主さま、クチャは結構強いので大丈夫です」
『我が子も大丈夫だと思うが・・・』
お!コハクを心配してるのか・・・まあ親だからな。
『オーク・・く・いたい』
『一緒に食いましょう』
オークの集落にコハクとクチャが突撃している。
オークもやる気満々で動きだした。数は300以上だ。
コハクの事を大きなトカゲと思ってるのか、バリスタを並べて打ちだした。
1矢、2矢と当たっても、刺さりもしない。
とうとう正面衝突だ。
クチャのつるは伸びて、オークを捕まえては、大きな口で食らっている。
向かって来るオークは、つるに捕まって空中にぶら下げた状態で食われる順番まで待たされた。
クチャのつるは40本まで数を増やした。
大半がオークが捕まった状態だ。
それでも襲ってくるオークに対して、つるでビシッと跳ね返して5メートル先まで飛ばした。
コハクはオークを掴んで引き裂いた。
それをモグモグと食い掛けた時に、背後からオークの棍棒が襲った。
何かあったかと振向いて、裏拳打ちでふきとばした。後方へ飛んだオークは見ていられない程だ。
又も食い掛けた時に、両サイドから襲ってきた。
いいかげんにしろと、怒りで右手でオークの頭を握り潰した。
左手で捕まえたオークは、腹をぶち抜かれていた。
そして又も食いだした。
『うん・・し・ん・せんな・あじで・おい・しい』
又も背後から襲われたが、尻尾を左右に振って倒した。
20体を食らって満腹になったのか、ブレスを吐いて強制的に終わらせた。
クチャは、まだ食いながらこっちに向かっている。
それに対してコハクは、飛んですでに戻って来ていた。
『く・う・たよ』
そのコハクの背中に乗ったハクセンは、何を思ってか飛んで行った。
あ!あいつ俺らの事をすっかり忘れてる。
帰ったらお仕置きだ!!
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