汚い所だ
街に戻った俺は、冒険ギルドのカウンターでオークの皮20枚を大袋から出した。
「お!にいちゃん、早速狩りにいってオークを狩って来たのか。案外凄腕だったんだな。それに中々いい状態だ金貨4枚だ」
「それで頼む。それにしても人が少ないな」
カウンターに金貨4枚を置きながら、考えている素振りをみせた。
なにか決心したように口を開いた。
「なんでもドラゴンの反応があったらしい。そこで明日の朝には王都から魔術士さまが来るのだが、冒険者もかりだされて付いてゆくのだがにいちゃんも行くか」
「俺も行きたいから頼む」
「この札を持って、門前に集合だ。朝は早いから早めに出るといい」
礼を言ってギルドを出た。
入った宿屋は一杯で断られた。それも1件でなく全部の宿屋で断られた。
聞く所によると、例の話を持ってきた小隊が泊まって余裕がなくなった。
何人かは路上に毛布に包まって寝ている奴も見かけた。
そして俺は変な所に迷い込んだ。
引き返そうと思った時には手遅れだった。
前に5人、後ろにも4人が現れた。
「にいちゃん、冒険ギルドで見てたぜ。有り金を全て置いて、その腰の剣も置きな」
治安もなってないのか、くそな国だな。
黙ったまま見てた。
後ろから棒で殴り掛かって来た。
振向きながらその棒を掴んで、左の手の平で叩いた。
地面に倒れて動けないで居る。
前後で襲ってきた。
姿勢を低くして前の奴の足を蹴った。ボキッと音がして折れた。
後ろの奴が振り下ろした棒は、棒で打ち返した。棒はクルクル回って飛んだ。
奴の指は何本かは折れた。
そして「ギャー、指が指が」とうるさい。
俺は何人か鑑定して分かった。
俺がステータスを上げ過ぎた事も原因だが、ここの住民はめちゃ弱い。
だから手加減しないと大変な事になるのだ。
奴らもう戦意喪失で、逃げ腰になっている。
「なにをやってる!退けろボケナスがーー」
体格のでかいおっさんが出て来た。
肩には大きな斧を担いでいた。
「にいちゃん、やってくれたな。この礼はたんまりとする事になるぞ」
「なんだ臭いおっさん」
「誰が臭いだ」
斧を大きく振り被って、俺に振り下ろした。
いつまでそこに居るか、懐に入って腹に軽くパンチした。
よろけながら地面に四つん這いになって吐いている。
「おい、まだやるか・・・」
泣きながら「もう許してくれ。お前らも謝れ」
「すいません、すいません」
「許してやってもいいが、寝床が欲しいな」
「分かりました。案内します」
折れた奴は、ほっとけないのでポーションで治してやった。
そんなポーションを見た事が無いのか、驚いた顔で見てた。
なんだ、汚い所だ。
それに子供がガリガリ状態で寝転んでいた。
そんな子供にポーションを振り掛けてやった。
50本で100以上が回復したが、腹ぺこなのは分かっていた。
「おい、お前ら。オークの肉だ好きなだけ食え」
汚いテーブルを拭いて、肉をドスンと置いてやった。
汚いナイフで切り分けて、焚き火で焼きだした。
中には生肉を食い始める子もいた。
鑑定でも寄生虫など付いてない新鮮な肉だから大丈夫かな・・・
生でも食え無くはないと思うが、こっちの事はよく知らん。
もう無くなり掛けたので、もう1体を出した。
驚きより食う事に集中しているようで、食って食いまくっていた。
もうあっちこっちに焚き火だらけだ。
なんだ、知らない間に列ができていた。
「あと何体のオークが必要だ」
あのおっさんが指を2本出した。
用意された所に20体のオーク肉を、仕方なく取り出した。
「俺の部屋へ案内しろ」
「こちらです」
「朝早くにノックして起こせ。門で集合が掛かってるんだ。遅れたらどうなるか分かってるな、それまで誰も入ってくるな」
「はい、わかりました」
ドアを閉めた。鍵なんかない。
ネオオーク1体を出した。こいつはあの中で賢い奴だ。
「このドアを開けさせるな」
『ブー』
新しい魔法陣を試した。
キラキラ光って部屋を浄化した。
「さあ、明日は早いから寝るか」
チラッとドアの方を見た。ドアに立ったまま動かない。
左手にはしっかりと取っ手を握って動かないようにしている。
やはり賢い奴だ。
毛布に包まって寝た。
足音で目が覚めた。
あ!そうだ。門に集合だ。
「ご苦労だった」そう言って回収した。
コンコンコンとノックがした。
俺が部屋から出ると、あのおっさんがいてビックリした。
又もプンと臭いにおいがした。
「さい行きましょう」
え!門へ案内してくれるの、助かった門へ行く道なんて覚えてない。
道に迷ってここに来たから、あ!あのゴロツキモも一緒に付いて来た。
あ!門に人が集まり出していた。
少し明るくなった。そのせいでぞろぞろと出てきた。
しばらくすると200人以上も集まった。
そして制服を着た軍人が登場だ。その数30人。
「よく集まったな。任務後は金をやるからしっかりと働け」
あれが隊長か、大して強くないな。俺の所の農民の方が強いぞ。
あ!門の向こうに巨大な魔法陣が出現した。
光りが止んだ時には、50人が居た。
黒いマントで頭まで隠していた。
手には、全員が杖を握ていた。魔法効果を上げる杖だ。
強そうな魔術士だ。だが我が領土の魔術士の方が断然に強い。
あの隊長が駆け寄って、頭を下げている。
そして5人の魔法で、5つ分かれて飛んで行った。
浮遊魔法だ。風魔法を応用した魔法だ。
「さあ馬車に乗れ」
ぎゅうぎゅう詰めで馬車は出発。もうガタゴトとゆれっ放しだ。
ながい間も揺られ続けた。
「全員降りるぞ」
そこには山があった。
「お前ら、1人1人荷物を担いで付いて来い」
なんだ、俺らは荷物持ちなのか・・・あ!あのおっさんもゴロツキモも荷物を背負っているぞ。
奴らも冒険者なのか、知らなかった。
あの門でどたばたした時に、帰ったと思ったのに・・・
なんだ軍隊さんは手ぶらか・・・いい気なもんだ。
それにスタスタと歩き出したぞ。
まだ俺も荷物を受取ってないのに・・・
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