エリクサー
俺は、ローランへ帰って来た。
セバスを呼んで、あれこれと話し合った。
まずはブレーメン国との貿易が始まった事を伝えた。
それは良い事だとセバスは喜んだ。
「ブレーメン国には、ここには無い植物があって、エリクサーの材料となる物が大半だ。だから植物魔法のリアンに行ってもらい。種や植物採集をしてもらいたい。女王の了解はもらっているぞ」
「それは良い事です。早速手配しましょう」
リアンとララは、シルバードにまたがっていた。
俺が「気をつけて行けよ」と言うと・・・「任せて下さい」と返事が返ってきた。
そしてシルバードがはばたくと、空中に舞い上がった。
そして「行ってきます」と言って飛んで行った。
その後を護衛の黒騎士10人が、ミドリバチに騎乗して飛んでいた。
俺は、そんな彼女らを見送ってから、エリクサーの試作に取り掛かった。
エリクサーは、ドラゴンの血を使わない物で、様々な植物を配合して完成させる物だった。
ローランにない植物が6割を占めている。
その為に植物を育てるリアンに、現地に行ってもらった。
その植物の育った環境を見てもらう為にだ。
植物魔法のリアンなら、みたままの環境をここでも再現してくれるだろう。
1本のエリクサーが、目の前にあった。
本の事を思い出しながら、よく観察した。
何となくだが出来そうな気がする。
上級ポーションと違い、見た目から魔力を感じてしまう程にきれいだ。
複雑に魔力が混じり合って、その美しさをかもし出していた。
仕入れたばかりの材料を使って始めた。
見本と作り方も知っている。
やってみて案外簡単に出来上がってしまった。
見た感じでも俺の方が上級品のようにキラキラと輝いていた。
出来上がったエリクサー30本だ。
その1本にドラゴンの血を1滴を垂らして振ってみた。
まばゆい光りが支配して、出来上がってしまった。
エリクサーの上級だ。
不老不死になる薬でもあった・・・とんでもない薬だ。
そんな作業場のドアが「ドンドン」と激しく叩かれた。
「シンさま!シノーです。居ますよね、アシランとミライから緊急連絡ですよーー居ますかーー」
やれやれって感じだ。
ドアを開けると、ドアを又も叩く途中で俺を叩く寸前で止まった。
「あ、シンさま見っけ・・・」
又も高い声が部屋中に響いていた。
魔道通話室に入った瞬間から声が聞こえていた。
そしてセバスも居た。
「それでライ・ガーデンさまは、どうなったのだ」
「その場で、母親と供に処刑されてしまいました」
何!ライ・ガーデンが処刑された。1番嫌いな兄が・・・
悲しい気持ちは微塵もないが、処刑された事に驚いた。
少しだけだが、あの嫌らしい顔を思い出した。
「どうなっている」
セバスは俺をちらっと見て、再度話しかけた。
「アシラン、シンさまがみえられた。最初から話してくれ」
「これはシンさま・・・事の起こりは、ライ・ガーデン親子が自分の領へ視察に向かってからです。帝都内に怪文書が貼られて問題になったのです。内容は・・・」
セバスも困った表情をしている。
「なんだ、早く言え」
「シンさまの母上が死んだのは、ライ・ガーデンの母君が毒殺したと書かれていました」
俺は一瞬で、立ちくらみが起きて倒れそうになった。
あまりにも激しい感情で、魔眼が暴走しかけた。
近くの静かな部屋へ運ばれて、そのまま寝込んだ。
後で目覚めた時に、寝たままの俺にセバスがゆっくりだが詳しく話してくれた。
皇帝の命で、ライ・ガーデンの屋敷が調べ尽くされた。
そこには、毒殺の経緯が書かれた手紙が見つかった。
捜査官によって指紋の採集もされて、母親の指紋と一致した事が確認された。
怒り心頭の皇帝は、ライ・ガーデン親子を捕らえよと命令を下した。
その急報を聞いたライ・ガーデンは、激しく動揺していた。
母親は弁明すれば収まるとライをなだめたが無駄だった。
「母上、捕まれば終わりだと何故分かりませんか? 私は・・・・・・バラン兄はどうなったと思いですか・・・このまま死ぬのは嫌です」
第1波の捕縛隊は、ライ・ガーデンに投降するから時間をくれと言われて油断していた。
食事を振舞われたが、毒が入っていた。
はめられて捕縛隊は全滅した。
それに怒った皇帝は、軍を動かした。
1日で陥落して、大勢の犠牲者をだした。
その大半が領民だ。無理やり戦わされて軍による一方的な戦いだった。
軍人しか居ない広場に親子共々引き立てられた。
「わたしを誰だと思っている。ライ・ガーデンだぞ!!」
母親は、必須に弁解するが無駄だった。
「両名は、反逆罪により死刑を宣告する。この刑はすみやかに行なわれる」
用意された処刑台に、2人は抵抗むなしく首にロープを巻かれた。
親子共々、その場で絞首刑にされた。
ここに1つの街が死に絶えた。
「セバスは良く知っているはずだが、今回の母の毒殺は本当なのか?」
「わたしにも分かりません。ラディーナさまは元々がお体が病弱だった為に、かかりつけの医者が毎日来ていました。それに専用のスタッフもおりました」
「するとセバスは、無いと思ってるのか?」
「・・・・・・」
そして今回の事件の黒幕は、分からず仕舞いに終わった。
誰がなんの目的に行なったのかも分からなかった。
俺の諜報部でも、引き続き調べてみる事となった。
それに諜報部のメンバーも、100人を超えたと報告も聞いた。
その資金は、夜にまぎれて運ばれる魔道具の販売だった。
諜報部は闇組織に販売して、互いにウィンウィンの立場だった。
見返りに貴重な情報を流してくれていた。
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