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殺人未遂




ローラン号は、帰って来る日にちが延びに延びてようやく帰って来た。


魔道通話では、「いいものが見つかりそうなので、帰るのを延ばしてもいいですか・・・お願いします」

そんな事を言われたらダメだと言えない。


商売人のロゲルは、仕入れる期間が延びてウハウハ気分だろう。




湾内に入って、すでに開いている造船場へ入り終わると絶壁門は閉まりだした。


もう港には、船員たちの家族が居て、今か今かと待っている。

大きなドアが開いた。大きな荷物を持った船員が出てきた。

可愛い子供が駆け出して足にすがり付いた。


遅れて母親が駆けて「3日も遅くなるって、サラス隊長に聞いたのよ。心配しなくていいって言ったけど心配だったわ・・・」


「だから魔道通話でも言っただろう。浮気なんかしてないって」


なんだしょうもない痴話喧嘩ちわげんかか・・・


各々《おのおの》の家族が出会い、街や村へ向かう中で商売人のロゲルだけが大きい箱を台車で運んでいた。

俺は変だなと思った。


ロゲルは日頃から大きな荷物を運ぶことがない。せいぜい片手で持てる物ぐらいだ。

俺が睨むと、急いで顔をそむけた。


「ロゲル!ちょっと待った。その箱の中はなんだ」


近づいて見ると、顔から汗をダラダラとかきまくっていた。

本人は、汗を拭くどころでなく、目が泳いで必死に言い訳を考えていた。

もうばれているのに、思いついた話をし出した。


「この中には、貴重な生き物を眠らせているので・・・亜空間は生き物が入らないのが欠点で・・・なので急ぎます」


俺は、魔眼でリアン・ポーが眠らされて、折りたたまれてた状態の姿を透かした感じで見えていた。

リアン・ポーの状態を詳しく見た。なんと麻薬で昏睡状態であった。

脈拍も息の回数の少ない。


とどめを刺すように言い放った。


「その箱の中にリアン・ポーが閉じ込められているはずだが」


それを聞いたロゲルは逃げ出した。


俺の護衛の兵士たちに「ロゲルを捕まえろーー」と叫んでいた。


あせったロゲルは、逃走途中で船員の家族とぶつかり前のめりに倒れていた。

そこに兵士が殺到。暴れるロゲルを兵士が3人係りで取り押さえた。




俺はすぐに箱を開けて、眠ったリアン・ポーを引きずり出した。

状態はやばい状態だ。


「一刻も猶予ゆうよもない状態だ!。早く薬学所へ連れてゆけ」


リアンを抱えて走り出す兵士に付いて行くしか、俺には何も出来なかった。



ようやく付いた薬学所で、ヘード親子に出くわした。


「ビアン、麻薬だ。大量に摂取したみたいだ。どうにかなるか?」


「やってみます。何人か治した経験があります」


そい言って、手をかざして回復魔法の「キュア」と唱えた。

青白く光、もう1度「キュア」と唱えた。


「完全に抜けました。後はリアンの精神力だけです。3日は目は覚まさないと思います。なぜビアンが麻薬を・・・」


「多分、ロゲルの仕業だ。今なら取り調べの最中だろう。だから行ってくる。リアンを頼んだぞ」


そのまま早足で向かった。




兵舎の取調室に無造作に入って見ると、ロゲルはまくし立てていた。


「だからリアンが、わたしの部屋で探し回ったりしなければ、こんな事にはならなかったんだ。だからわたしの責任ではないんだ」


「それでどうした」


「クローゼットの服に付いた麻薬の粉を見つけて、わたしが入るなり問い詰めてきたから、口をふさいだら急に暴れ出して・・・つい麻薬で眠らせて黙らせたら・・・全然おきないので・・・仕方なく箱に入れた」


「お前がやった事は重大犯罪がてんこ盛りだと分かってるのか?」


「バン!!」と思いっきり机を叩いた。


「麻薬取引き・誘拐・殺人未遂どれも奴隷落ちの犯罪だ。分かっているのか?」


急にロゲルは、「あわわ」と泣き崩れた。


何でも帝国に復讐がしたかったらしい。

妻と子は別の船に乗せられて、栄養失調のまま死んだらしい。

死んだ人間は海に捨てられた。


それは、ここに来てから金を使って聞いた話だった。

その船は、4割近くが栄養失調のまま死んだ。

悲惨な船だった。食料の補充が不十分なまま出航したのが原因だ。


同じ船に乗っていたなら助かったのに、悔やんでも悔やみ切れない。

ロゲルの乗った船は、亜空間から食料を出し与えたので、誰も死ななかった。



それで、なにもかも忘れるように商売に没頭し続けた。

しかしローラン号があれば、夜なら容易く帝国に進入できる。


そこから復讐の計画を立てた。


大量の麻薬を帝国で安く薬だとだまして、貴族から役人まで売りさばく計画を立てた。

後は中毒になった人間を操って、帝国を滅ぼそうと考えたらしい。

その為のブッタ国行きだった。ブッタ国は麻薬でも有名な国だった。


帝国では麻薬は禁止だ。

その為に、貿易出来る人間は限られていた。



しかし、その限られた制限からロゲルは開放された。

大店で働いた経験からブッタ国の伝手もあった。



ブッタ国は身分制にうるさい国で、末端のクラスの人間が麻薬栽培し続けた。

慢性的に摂取し続けて、麻薬にも耐性を持つ人間だった。

その末端の人間とロゲルは、親しかった。


そこから大量の麻薬を仕入れた。


それが今回の事件のあらましだった。





取調室で2人だけだった。


「ロゲル、お前は奴隷落ちだ。一生このローランの為だけに働け。財産は没収だ。これがなんだか分かるな・・・奴隷の腕輪だ。主人に逆らう事も嘘も付けない物だ。普通は奴隷の首輪だが、これで奴隷だと他人には分からないはずだ。ただし鑑定士には分かるからな。外商ギルドの長として働いてもらう。働いた分の給料は払ってやる。しっかり働けば帝国に復讐する機会をやるからな」


「え!!本当ですか?」


「ああ、本当だ。・・・お前の復讐心は分からないこともない。しかしだ。リアン・ポーは、お前に何か悪い事をしたのか、お前に眠らせされる時はきっと怖かっただろう。それってお前の嫁と子と同じでなかったか、よく考えてみるんだな」


わんわんと泣き出した。


「お前は選択を間違えた。今度の選択をしっかりと働け」


涙ながらに答えた「ありがとう御座います」


何度も何度も、頭を下げていた。




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