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攻撃機




造船場の絶壁は港の西側だ。


今度は港の東の絶壁に秘密基地を作れと黒騎士に命令。

50人の黒騎士たちが24時間働き続けて、3日を費やして完成。


そそり立った絶壁には、1段目は高さ12メートル、横幅は30メートル、奥行きは1500メートルある空間が完成。

絶壁の開閉は、上に開くタイプに調整。


その上の2段目は高さ6メートルで、それ以外は1段目と同じ空間だ。

こちらの開閉は、下に開くタイプだ。


そして更に上の3段目は、2段目の空間と同じ空間だ。

これも下に開くタイプだ。


それらの1段目の開閉がスムーズに出来るか確認中に、開いた空間に子供が2人も「キャキャッ」と言いながら入った。

え!なぜ勝手に入ったの・・・


母親らしい人が「すいません、本当にすいません。すぐに連れて来ます」と言って入った。


「ロベルト、警備はどうなっている。穴だらけだぞ」


「申し訳ない。子供だったので油断してしまって・・・ロジー、お前のせいで怒られぞーー」


おいおい、俺の前で言うな。俺が悪者みたいにみられたら責任取ってくれるのか・・・



「おかあさん、あそこも広いね」


「そうよ、広いに決まってるわ」


「そうね、広いわね」と可愛い双子の両手で引いて歩いていた。


無邪気にこっちを見て、手を振っている。


「ばいばい、おにいちゃん」


まあ、これじゃ許すしかない。




2段目、3段目と開閉確認を済ませた。


秘密ドアから入って、広めの通路を通って開け放たれたドアを通った。

そこは1段目の広い空間だ。

材料はすでに揃っている。




今から錬金術を駆使して、空飛ぶ輸送船を作ろうと思った。

ローラー号より小型だが、輸送に特化したタイプを作る予定だ。


もう船の形にこだわる必要は無くなった。



金属の山に向かって錬金術が染み込み出した。

俺が思い描いた理想の形が出来上がりつつあった。


奥行きは30メートルあり、高さと幅は共に約7メートルになる倉庫のような輸送機だ。

前方は操縦する操縦室にして区切った。操縦するのは2人でいいだろう。

しかし、上側が空間があまってもったいない。

なので上も区切って、椅子を作って8人は座れるな、まだまだ上は余裕があるから、又も区切って寝れるように改善。

2人なら余裕で寝れるだろう。



前方は強化したガラスをはめ込んだ。

ちょとやそっとでは割れないガラスだ。


起動式の魔法陣は操縦室の下と中央と最後尾の3ヶ所がいいだろう。

倉庫の側面は、左右とも開閉できるように改造。

後は配線と操縦操作は船と一緒でいいだろう。


これって積載能力は、どれくらいあるだ・・・

次回は、金属を載せて測定してみるか、積んでから飛ばなかったでは話にならない。



なんか出来上がった。

ああ、そうか。鳥のように翼がないから違和感を感じたんだ。

しかしこれに翼は意味がない。しかもこの大きさだとここに余裕をもって何台でも置ける。

翼を付けて出入りで当たる気遣いもしたくない。


1台目はこれでいい。後は使ってみてから考えよう。


それにしても、これなら荷物をどんどん運んで、物をどんどん売れば儲かるだろう。

そうか、他人の荷物を運んで運び賃で稼ぐのもいいかも・・・

ああ、なんだか妄想が広がってゆく。





イヤイヤ、次の予定がある。切り替えて頑張ろう。



こでが俺が真っ先に思い描いたものだ。空飛ぶ攻撃砲だ。

そうだ。名前は攻撃する機体だから攻撃機でいいな。


その攻撃機のイメージは出来ている。


金属に又も錬金術を施して、変形させて作り込んだ。


1人乗りで翼も付けた。

その翼には、右は雷砲、左は火砲を取り付けた。

この機体を攻撃する相手に向けて撃てば、命中するはずだ。


起動式は翼の両端と最後尾の3ヶ所でいい。

この配線がこっちで、こいつはここにつないで、スイッチのツマミも何処も異常はないな。




「シンさま、又も変な物を作られましたな・・・もう徹夜はお辞め下さい。お体にさわります」


「分かった。ここをつなげたら終わるから・・・やっと終わった」


もの凄く腕を引張られて、言い返す事も出来ない。セナスは心配症だよ・・・




あくる日には、志願兵に操縦方法を教えるのに忙しかった。


「いいか、これが脱出ボタンだ。このボタンを押せば丸いガラスは、すぐに外れるようになってるからな。座席ごと空に向かって飛び出すから、後はこのコントロールで操作して安全な所へ降りろ。最悪の場合は海に落ちろ。緊急魔道通話が位置を知らすようになってるからな、分かったな」


「分かりましたよ。このロジーに任せて下さい。それにしてもこのベストは何ですか、ごわごわしてますよ」


「ああこれか、海に落ちても浮かぶようになってるから、いつでも落ちていいぞ」


「もう、縁起の悪い事を言わないで下さいよ」


「いいか、じわーと浮かせて前進だ。分かったな」


「もう、100回も聞きましたよ。今から飛ぶので離れて下さいよ」


皆は、2段目の開いた状態の絶壁口から逃げ出した。


「あ、わずかに浮いてるぞ。あ!前に動き出した」


「見るのはいいが、ロープを潜って入るなよ」


警備の兵士が見守る中、攻撃機が全体を晒して岸壁に現れた。


「おかあさん、あれ浮いてるよ。凄い、凄い」


「そうね、浮いてるわ」


「おいおい、こっちに来るぞ」


皆が見てる中、真上に徐々に浮かび上がり30メートル上空に浮いていた。

全長は5メートル、翼は3メートルもあった。

その翼には円柱を両脇に抱え込んでいた。


機体最後尾に1つと翼の両下に2つのタイヤが徐々に収納された。



最近の荷馬車も付きだしたタイヤだった。

クッションが効いててスムーズに動けると評判だ。


攻撃機は少し前進したと思いきや、凄いスピードで飛んで行った。

見ていた人たちも呆気にみてた。


俺は、魔道通話に向かって怒鳴った。


「バカ野郎、スピードの出し過ぎだ」


「すいません。手が緊張で滑って・・・・・・」




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