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ビックボー





「あれがビックボーか!」


『そうです、主人が言う、馬力がある理想の魔物です。いかがですか?』


「魔眼で見て凄さが容易に分かった。俺が理想としていた魔物にどんぴしゃだ。よくぞ探し出した」


遠くに居たビックボーが、すでに5メートル先まで来ていた。

少し焦ったが、よく見れば大きな的だ。

あせらずに、雷銃の引き金を引いた。

一瞬だが銃口が光り、ビックボーに当たった。

勢いが付いていたので地面をえぐるように倒れていた。


成る程、ミラーが言うように、牛の2頭分はありそうな赤い豚だ。

口の下あごから凶暴そうな牙が出てた。

この牙で獲物の魔物をほうむったのか・・・


どんな魔物でもビックボーの突進で、空中高く舞い上げられて、落下した時には生きてない。

そんな凶暴なビックボーだった。


「解体を始めてくれ。それとあそこを掘れ」


後方に控えていた黒騎士が、すぐに動き手際良い手つき解体しては、新鮮な肉を切り取っている。

別の黒騎士は、シャベルを使って土を掘り起こしていた。

「カキッ」と音がして、シャベルを置くと鉱石をガツンと掴んで放り投げた。


目の前に100キロはありそうな鉱石が、「ドン」と落下。


「おいおい、もっと気を付けて放り投げろ」


『申し訳ありません』と黒騎士が何度も頭を下げた。


「もういいから。仕事を再開してくれ」


又も掘り出しては鉱石を持ち上げた。そのまま穴の横へ「ドン」と置いて、又掘り出した。


「ああ、もういいぞ。これぐらいで間に合うから」


骨と魔石だけのビックボーに死霊術を施した。

淡く光ると骨のビックボーは、むくりと力強く立ち上がった。


取れたての鉱石に錬金術で、金属を取り出しながら鎧の作成を試みた。

雑な作りだが、そのままビックボーに貼り付けた。

「ガシンガシン」とはり付いて完成だ。


鎧を付ける事で、重みのある馬力が出せるはずだ。


見た目はダンゴムシのようになったが、戦う訳でないのでこれでいい。



黒狼が荷馬車を引くようになったが、本来は黒騎士の騎乗用だ。

折角の黒狼がもったない。


だから馬力があるビックボーの方が、荷馬車を引張るのに適しているだろう。

今の黒狼を荷馬車から開放。


その代わりにビックボーをつなぐが、サイズが全然合わない。

ちょっと大きいな・・・ならば錬金術を発動してサイズを微調整して合わせた。

お、なんかいい感じになったぞ。


俺は荷馬車に乗り込んで、手綱たづなを掴んで上下に振った。


「ビックボー、これが引張れの合図だ覚えろよ」


中々いい感じで動いた。

そして手綱を引いた「これが止まれの合図だ」

ちゃんと止まった。中々賢いぞ。



操作を覚えたビックボーが、肉を積んだまま黒騎士によって街に帰った。


「ミラー、探してくれ」


ミラーはシルバードにまたがり飛び立った。


「なに!10メートル先から向かってきてるのか」


ああ、あれか。狙いを定めて引き金を引いた。

「ギュウッ」と断末魔だんまつまを聞いた。

歩いて向かうと倒れていた。


「後は頼むぞ」


黒騎士はすぐに動いた。


ビックボーをアンデットにして鎧を作成、そして手綱を覚えさせた。

何度も何度も繰り返した。


「あ~あ、疲れたぜ」




街の商業ギルドにやって来た時には、50体のビックボーになっていた。


「中々なビックボーで評判はいいです。重い荷物でも坂道を簡単に登ってゆく姿は素晴らしい」


「それは良かった。10台の荷馬車を5台増やして15台、それでいいな」


「はい、ありがとうございます。一生懸命働きます」



城に戻った。

城には各部隊の隊員が、荷馬車の受け取りに来ていた。


「これが新らしい馬代わりか、こんな魔物は居たか・・・」


「聞いてないのか、これはビックボーだ」


「なんだと、これがビックボーだって・・・凄いな」


「襲って来ないかな」


「黒狼の正体を知っているか、毒の森のギラーウルフだ。あれに比べればビックボーは大人しいものだよ」


「ギラーウルフだったのか、ペタペタ触ったが大丈夫かな」


「いつの話をしてるんだ。生きている奴を触って生きられるはずがないよ」




「お前は、何処の隊だ」


「はい、土木隊です。よろしくお願いします」


「あれと、あれ、そしてあれだ3台もってけ」


「えーー、隊長から4台と聞いて来ました」


「なんだと、書類には3台と書かれてるぞ。ほら見ろ」


「あ、ホントだ。おい!あれと、あれ、それとあれの3台らしいぞ。4台目はナシだ」


「そうなのか、仕方ないな。ダミヤを俺のに乗れ」



荷馬車が動き出した。


「コイツはいいぞ。力強くていい」


ああだこうだと言って去っていった。




大量のビックボーの肉は、大型魔道冷蔵庫でも入り切れない。

ならば兵士に食わしてしまえと、セバスの弟子たちに丸投げした。

兵舎の夕食のテーブルには、ビックボーの肉が振舞われた。

分厚いステーキで焼き立てだ。


食欲をそそる匂いに、ナイフとホークがせわしく動いた。


「なんだこのステーキは、肉汁がじゅわーと出てきて最高だぜーー」


セバスの弟子も相当に腕を上げていた。

丁度よい焼き加減を熟知して旨味を肉汁に閉じ込めていた。



ビックボーの肉は、街のレストランにも販売された。

その日の売り上げを、最高記録更新した。


美味しそうな匂いやうわさはあっという間に広がった。


後にこのステーキは、ローラン領の特産物となった。




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