表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/104

ローラン号




完成した輸送船にローラン号と名づけた。

初めてのローラン領の船だからだ。


魔の森で伐採されて乾燥した木材が、クレーンで持ち上げられて船内倉庫へ収納。

商人ロゲル・スライヤーは、その材木の数を確認して回っていた。


倉庫から叫んだ「これで最後ですかーー」


甲板からのぞく船員が叫んだ「これで最後ですーー」そして手を大きく振った。


ロゲルは、ブツブツと言いながらメモに書き込むのに夢中だった。


操縦席には、副船長が舵を握っていた。

久し振りに握るかじで、少し緊張気味だ。


この男は、帝国の海軍で船長をしていた男だった。

この船の船長も、同じでこの男の先輩だ。


「サガ、なにを緊張してるんだ」


「久し振りなので、なまってないか心配で」


「俺も人には言えないが、緊張している。この船自体がどう動くのか予測が出来ないからな」


「船内の起動式を見ましたが、あれで動くのか不思議で溜まりませんよ」


「そうだな。別次元の物だ・・・それに操縦のレクチャーを受けたのも昨日だから、従来の操縦が役にたたないだろう」


「本当ですよ。あれで動くとは、今でも信じらえません」


操舵室そうだしつにロゲルが入ってきた。


「商品の確認が終わりましたので、出航しても大丈夫ですよ」


船長は、魔道通話に向かって「こちらアーレン船長だ。開門を頼む」


「了解」


すでに海水は満たされていた。

絶壁門がゆっくりと開いてゆく。



ローラン号が絶壁門から姿を現した。

それは造船場と同じくらい大きな魔導船で、想像してたより間近に近づくにつれ、巨大さに驚く。

帝国の魔道船の3倍だ。


それは街から見に来ていた人たちも同じだ。

拍手をするのも忘れて、ただ見ているだけだ。


俺が指示した通りに、最低速度のレベル1で湾内をゆっくりと進んでいる。

下手な操作でぶつけられでもしたら、製造した俺の立場がなくなる。


やっと湾内を出た。



我に返った住民は、互いに凄いものを見たと言い合っている。


あれ!おかしい。

ローラン号がスピードを上げているのは分かる。

それが徐々に浮き上がっている。


「船が、船が・・・飛んでる」男は、船を指さして呆れた声を出していた。


「あんな巨大な物が飛ぶなんて」


「おかあさん、船って飛ぶの・・・飛んでる船の方が、わたしは好きだわ」


母親は、右手で子供の手をギュッと握って、左手を口に持ってゆきうわ言のようい「うそ・・・そんなバカな・・・」


子供は困った顔して、母親を見ていた。




俺も予想外だった。

それ程に起動式の重力にはパワーがあったとは・・・

大型にしたのがまずかった。

違うな・・・飛んだ事を喜ぶべき大発見だ。


ドラゴンのように空から攻撃すれば優位性が担保される。

もうこれは、空を飛ぶ乗り物を製造して、武器をのっければ怖いものナシだ。


これなら帝国をぶっ潰すのも夢で終わる事はなくなった。

俺は城へ急いで帰った。





ローラン号内はパニックだ。


「副船長!!なぜレベル4までもっていった。それにしても飛ぶなんて聞いてないぞーー」


「わたしも聞いてませんよ。それにしても操縦はどうなるだ。飛んだ時の操縦も聞いてませんよーー」


「それはワシに聞いているのか・・・ここは落ち着こう。あせったらダメだ」


「レベル3にしてみれば、商人の勘ですがレベル3で船の高度が下がる気がしますね」


「そうだな・・・副船長、レベル3へゆっくり入れるように・・・」


「分かりました。やってみます」


レバーを3へゆっくりと移動させた。

その途端に高度が徐々に下がっていた。

海面へゆっくり「ザバンッ」と着地した。


「ああ、どうなるかと思ったぞ・・・・・・もし最高値のレベル7ならどうなっていたのか・・・考えるだけでゾッとして怖いです」


「そうだな、レベル7か・・・レベル3でも凄い速度だ。ワシが知っている最高速の魔道船をはるかに凌ぐ速度だ。今はレベル2にしろ。操作に慣れるまで我慢だ」


「船長、分かりました」




操船に慣れた頃だろう。

操舵室に船員のジョーンが転げるように入ってきた。


「船長、リヴァイアサンが右舷うげんに現れました。早く飛んで逃げましょう」


「なにーーリヴァイアサンだと」


船長は右舷の窓からかぶり付くように見た。


「あ、あれは間違いない。リヴァイアサンだ」


海面を何度も飛び出す姿が、優美にキラキラと輝いていた。

船にたずさわる者なら、誰しも恐怖する魔物だった。



しかし船長は思った。飛んだらあの強力な雷砲が使えない。

船の下の魔物を、雷砲が撃てない角度だと軍人として分かっていた。

数々の同僚を殺された思いが、フツフツと燃え上がった。


船長は、魔道通話に向かって叫んだ。


「雷砲室!右舷のリヴァイアサンを撃てーー必ず仕留めろーー」


雷砲室からガチャガチャと激しい音が魔道通話から聞こえていた。

操舵室からも閃光せんこうが見えた。


魔道通話から「命中、リヴァイアサンに命中しました。船長、船長、聞いてますか。ちょっとあわてて発射ボタン何度も押してしまい、巨大な雷弾になって・・・砲身が壊れました。本当に申し訳ありません」


目が慣れた頃には、海面にはリヴァイアサンが「プカリッ」と浮いていた。


「このローラン号の3倍以上もあるリヴァイアサンを倒したのか? あの頑丈そうなウロコなのに、領主さまから聞いた海の魔物は雷系に弱いと、それに巨大な雷弾だから殺せたのかも知れないな」


「船長、あのリヴァイアサンの近くに寄って下さい。収納して解体すれば、いい売り物が出来ますよ」


手に持ったメモ帳に、又もなにやら書き込みながらにやりとしていた。


「あんな試練があったのだから、わたしに商売の神さまが微笑んで贈りものを下さったのだ。ありがたや、ありがたや」


そんな商人を船長は、ただ不気味に見るしかなかった。




もし面白ければ。

下の項目の☆☆☆☆☆でポイント応援して下さい。


良ければ5点、悪い1点でもお願いします。


気になる方は、ブックマークを付けて下さい。

書く為の応援をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ