新魔導船と湾内工事
帝国の魔導船は、中は木造だ。
表面に黒い鉄板を貼り付けた物だった。
だから見た目は、黒いが年に1度は特殊なペンキを塗る必要があった。
しかし甲板は、木造だ。
だから攻撃魔法の火球が上から襲った場合は弱かった。
燃え出したらもう終わりだ。
その備えに水の魔術士が1人は、必ず乗り込んでいた。
しかし、今回は違う。
帝国と同じ物を造船しても勝てないのは分かり切っている。
だから全部を金属で造船してみせる。
設計図通りに徐々に船底から造りあげる。
金属加工はお手の物だ。
それに移住して来た住民の家も建て終わった。
なので洞窟での発掘が再開された。
発掘された鉱石などは、こっちまで黒狼が運び込んで、俺が錬金術でちゃちゃと合金の金属にしてしまう。
この合金、錆び難く丈夫でねばりと固さを合わせ持っていた。
それを厚みをつけて引き伸ばした。
それを船底のカーブにベタベタと貼り付けた。
そして更に貼り付けた。
先に貼り付けた合金板に錬金術で結合させる。溶接でなくまさに一体物の結合だ。
錬金術しか出来ない術だった。
船底のここには、大型魔道起動式を設置。
帝国の魔道船の風力で動く物と全然違う造りだ。
重力操作で動く奴に変更した。速力はどれだけ出るのか未定だが仕方ない。
船体もぶつけて穴が開く事を想定して、海水が一気に流れ込まないように区切りを作った。
その区切りを通るには、ハッチを開けないと通れない。
船内は、調理場・食堂・医療所・寝室・運動場・娯楽室・シャワー室が完備。
そして巨大倉庫があった。
貿易の荷物を収納する為の倉庫だ。
その倉庫の真上には、巨大クレーンが設置されていた。
どんなに重い荷物でも、アームが伸びて、フックごとワイヤーが垂らして荷物を引き上げる。
そして船内の倉庫に荷物を下ろす。人力での荷物の積み降ろしは、一切しない。
その為の規格された巨大カゴが無数に揃っていた。
甲板には、雷砲2門と火砲2門を取り付けた。
海賊船に襲われた時の用心と、帝国に逆らう時の準備だ。
そして甲板は、錬金術で燃えない甲板に仕上げた。
ついでに港を守るように、雷砲10門と火砲10門が絶壁の上と山の頂上に設置。
山に設置された雷砲は、特に大きくして飛距離が長い工夫をしている。
民家を改造して、屋根が「パカッ」と開いて雷砲2門がそそり出る仕組みも作った。
それ以外だと、火銃の連発銃も港内を狙える位置に、隠れるように設置済みだ。
それも20日の突貫工事で作った。
今回の工事である程度理解したので、次回からもっと早く作れるだろう。
今度は湾内の、浅瀬を掘って魔道船が入れる深さにする必要が出てきた。
港の湾内の入口を、魔道起動式板を何枚も使ってせき止めた。
重力で海水は、一切湾に入れない工夫だ。
黒騎士は、魔道排水ポンプを運び込んだ。
今度は、魔道排水ポンプを作動させるスイッチをONだ。
湾の放り込まれたパイプが、海水を吸い込んだ。
海側に出されたパイプから海水が「ジャバジャバ」と吐き出された。
1時間30分に吸水は終わった。
「黒騎士よ、湾内を掘って掘りまくれ」
それを聞いた、黒騎士が湾内になだれ込んだ。土や岩を突貫工事で掘り進めた。
もう熟練工だ、作業が速い。
それは1日で予定していた水深まで堀に掘った。
「今度は、岸壁工事だ。船を横づけするからきれいに作れよ」
ハンマーで合金棒を「カン、カン、カン」と打ち付けた。
何本む打ち付けた。今度は、その棒に横棒を括り付けた。
土木隊が用意した木枠が土木隊によって設置された。
動かないように枠止めも完了。
今度は、石灰石を砕いた粉と砂と砂利と水を混ぜ合わせた物を、木枠内に流し込んだ。
すみまで流れ込むように棒で突っつく、何度の突っつく。
木枠一杯になったので、木のへらで表面をならした。
これは移住してきた住民の最新知識だった。
それならば試そうと岸壁に試した。
急ぐ工事だ。俺は錬金術で徐々に乾燥。
「なんだこりゃー、カッチカッチだ。この固さならOKだな」
「本当だ。これなら建築に使えそうだ。基礎工事に打って付けだ」
「なら、海水を入れても大丈夫か」
「はい、入れて下さい。じゃんじゃん入れて不具合がないか確認もしましょ」
魔道起動式坂を操って引き抜いた。
「ジャポンザザザザ」と一気に海水が湾に流れ込んだ。
「ザブン」と岸壁当たった。
ロベルトは木のハンマーで叩いて調べていた。
手を上げて「異常なし」
いつも変わらない湾だった。俺も岸壁からのぞきこんだ。
深くまで見えた。きれいな海だから透き通っていた。
絶壁門が開いて、完成したばかりの魔道船が湾へ出てきた。
何処も異常はない。
10キロの速度で出てきて、バックで引き返した。
試し運転は30分で終わった。
呆気ない試運転だ。
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