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造船所完成祝い




ようやくだ。あの起動式が完成した。

最後の仕上げは精密でバランスが大事だった。

コントロールして門の開閉をスムーズに行なう必要があったからだ。

後半は失敗することも無かった。


そうなのだ始めが悪かった。


初めて使う重力魔法。

魔眼で1度でも見れば簡単だった。それが見た事もない魔法だ。


最初から失敗した。

本の通りにやったのに何度も失敗を繰り返した。こんなことは初体験だ。


それで本自体がミスがあるのではと考えた。

1枚を入念にルーペで拡大してみた。

やはり印刷ミスだった。1点の点が薄ぼやけていた。

ならば点を魔法陣に刻んだ。魔石をはめ込んだ途端に魔法陣が浮遊している。


「やったぞーー完成だ!!」


後はコントロール部分で完成だ。





いよいよ念願の門に向かった。


2日も掛かったので、絶壁の裏側には広々とした空間ができていた。


絶壁の裏側は、きれいに磨かれたように壁がそそり立っていた。

その壁の左右上下に、4つに魔法陣を埋め込みロックした。

そして魔石をはめ込むと「ブーーウーー」と唸る音が響いた。

重力魔法が始動した瞬間だ。


そしてツマミは【固定】の位置に矢印が向いている事を確認。


「ミラー、切り放せ」


ミラーは門の中央に立った。バスタードソードをかまえた。


大きくジャンプしながら切っていた。

正面が薄く切って、左右も切って、天井と下部を切った。


絶壁門は切り放された。

俺は門が開く為に。注入ボタンを押した。

洞窟内の2ヶ所の注水口から海水が「ザーァ」と注ぎ込んだ。


俺は、海面上のベランダへ急いで避難した。


徐々に水位が上がって、海側の水位の位置でピタリと止まった。


いよいよツマミを【開】へ回した。

ゆっくりだが絶壁門が開いてゆく。


「ヨシ成功だ」


全開に開いた。

今度はツマミを【閉】に。

徐々に閉まりだした。「ドン」と響く音がした。


今度は排水ボタンを押した。

下の2ヶ所の排水口から一斉に排水されて、排水口の上に渦が巻いている。

説明した通りに排水口に向かってゆるい傾斜が出来ていた。


黒騎士の職人のような技術のおかげだ。

「スッポン」と水が抜けきった。


あれ? 門のスキ間から水が漏れてこない。

何故だ。俺は絶壁門の中央のスキ間を覗きこんだ。


成る程、そんな訳があったのか・・・

そうなのだ。絶壁門に重力魔法が掛かっているから水が浸入しこない・・・ただそれだけだ。

折角用意したゴムパッキンが台無しだ。



「パチパチパチパチ」


「え!ロベルトか、脅かすな」


「なにを言ってるのですか。折角の造船場の完成なのに、1人で納得してそれで良いのですか」


「別にいいと思うが、ダメかな」


「ダメです」


「正式に造船場完成記念をしましょう。わたしが仕切ります」


「お前も強引になったな」


「ここにくれば、強引にもなりますよ」






後日、大イベントが行なわれた。


大通りには、【造船場完成祝い】の旗が立ち並んでいて、割引セールが開催中だった。

その為に、客も大勢がやって来ていた。


港では『あ、あ、あ、声が聞こえるか、わたしはロベルトだ。マイヤ・スー、マイヤ・スー聞こえたら造船場に来てくれ』


「よく聞こえてるぞ。まったく、魔道拡声器で大きな声をだして何がしたいんだ」


ああ造船場完成祝いの時間が迫ってきた。

港に大勢の人たちが集まりだしたぞ。


『皆さん、今日は特別に日なので、もれなく造船場内の見学ができます。絶壁門の開門前にどうぞ見学してください』


あ!マイヤ・スーが旗を振って誘導している。

そんな事聞いてないよ。


今、思えば造船場を領民に秘密に出来ない。

絶壁門を開閉すれば目立つから・・・仕方ない諦めよう。



「かあさん、ここって広いね」


「そうね、中に入ると涼しくなって気持ちがとってもいいわ」


「こんな空間をいつの間に作ったんだ。凄過ぎるぞ」


大勢が入って広大な空間を満喫まんきつして出て行った。


『まなさん、開門の時間です。ここから出て下さい。海水が注ぎ込まれますよ。危険なので出て下さい』


マイヤ・スーは最後に人がいないか確認をした。

そしてロベルトに「誰もいません」と報告を済ませた。

造船場に入るドアがしっかり閉められた。


『皆さん、絶壁門の開門でーす』


ゆっくりであったが絶壁門が開きだした。


「凄いぞ、あんな巨大なものが動くなんて・・・」


「かあさん、凄いよ」


あんぐりと口を開けて、見守る人が大勢いた。


ぽっかり開いた洞窟の空間が、港から見ると凄い景色だった。

中に入って見た感じと、外から見た感じは全然別物だった。

そして人々は想像した、あそこから巨大な魔導船が出て来る日が近い事を・・・


このローラン領は、広大だが閉じ込められた気持ちは、誰しも持っていた。

しかし、船が手に入れば自由を手にした事になる。

その気持ちだけでも、人々は嬉しかった。




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