新たな住人
罪人として追放された人々の中から、これはという人物を面接していた。
その中で商人で、亜空間魔法持ちの男が居た。
ロゲル・スライヤー
HP10
MP30
STR3 VIT4
DEF3 INT12★★
DEX3 AGI3
魔法
亜空間魔法
その亜空間には、白金硬貨・金貨・銀貨を大量に持っていると打ち明けてきた。
この魔法の存在は秘密だったらしい。
しかし、もう後が無いと思い、セバスの調書にうそ偽り無く答えた。
ロゲルは帝国3位の豪商で、本店や各支店で利益を出し続けていた。
本人が移動すれば、輸送費がめちゃくちゃ浮くのだ。
危ない商品も収納していれば、ばれる事もなく検問をやすやすと通り抜けられていた。
その成功率を頼りに、貴族とも繋がった。
その店や財産を全てが没収されて、そうとう憎んでいるようだ。
汚い商いもしていたが、今回の事件自体がでっち上げだと、ここにくるまでに同じ境遇の人から色々聞いたらしい。
「わたしは、今回の事で帝国を見限りました。わたしも善意で商売をしてません。けれど今回の事はひど過ぎます。商売道に劣る行為です」
相当な不満が溜まった話し方だ。俺になにをさせたい。
「領主さまも相当な目に合わされた方だと聞き及んでます。どうですか間違いありませか・・・わたしも密かに密貿易を行なってきました。どうでしょう密かに造船して船を貸してもらえるなら外国の伝手を紹介します」
成る程、ロゲルの狙いはこれだったのか、又ここで商売をする積もりだ。
外国との貿易か・・・悪くないな。
「分かりました。すぐには造船出来ないが造船に向けて行動すると約束は出来ますね、しかし貸す事には検討をしないと、なにぶん領民を差し置いてあなたに貸せば領民から不満がでるので」
「それもそうでした。わたしとした事が・・・それでは貿易組合の設立を考えてもらえませんか、その中にわたしを入れてもらえれば、国の交渉はわたしにお任せ下さい」
マウントを取った積りが、取り返された。
まあいいか、俺は奴を利用すればいいだけだ。海外との貿易はいいアイデアだ。
「今後、セバスにも話しておくので、セバスと話し合ってもらう。それでいいかな」
「はい、分かりました。どうか今後ともよろしくお願いします」
お辞儀してロゲルは引き下がった。
ああ、帝国の人間は一癖も二癖もある奴ばかりだ。
こんな人間を2万も受け入れるのか、いやこんな考えではダメだ。
強かに対応しないと、俺も潰されてしまう。
帝国は、そんな世界なのだ。
「わたしは魔法でなくスキル持ちで秘密にしてもらいたいです。なぜなら人の心が読み取れてしまう能力です。この事が知られると決まって嫌われてしまいます。どうか秘密にして下さい・・・・・・」
最後には黙ったまま、うつむいている。
この女性もひどい目にあったみたいだ。
報告書には、目が覚めた時には船の中でどうしようもなかったようだ。
職は諜報部に属していたらしい。推測の域は出ないが同僚によって眠らされて船に放り込まれた。
同僚にそんな人間が居ては、いつ悪事をばらされるか堪ったものではないはずだ。
諜報部は本当に腐っている。絶対に天罰が下るだろう。
それにしても、あわれ過ぎる女性だ。
ララ・フローネ
HP20
MP30
STR9★ VIT4
DEF3 INT11★
DEX3 AGI3
スキル
テレパシー
スキルか、そんな噂を聞いた事があったが、初めて鑑定で見てしまった。
子供の頃から発現して、スキルの内容次第で神の使徒として扱われる事が多い。
しかし、この女性の場合は、反対に気味悪いと思われていたらしい。
あれから面接した人は31人も居た。
どれもセバスと面談して、なにか恩恵を受けた人たちだ。
しかしその中の5人は心が折れて、今は心あらずで使いものにならない。
後は時間に任せるしかないだろう。
女性の回復魔法のビリア・マーは薬学所へ働くことを決めた。
16歳のサイヤ・ボーマンは冒険者として生きて行くらしい。
ちなみに火魔法と水魔法の2つも持った激レアだった。
帝国では、火魔法しか鑑定出来なかった。
俺がそのこと伝えると、やる気を出して「冒険者で強くなってやるーー」と言って飛び出した。
勇猛な16歳だ。
植物魔法のソーヤ・ギルバートは、農業に従事。
残りの火魔法10人、水魔法5人、風魔法8人は軍に入った。
どれもこれも軍に身を置いた貴族だった。
スキルのララ・フローネ以外は、貴族だった人たちで、平民以下になったことは理解している。
帝国で、よってたかってプライドをへし折られたが、復讐心に燃えた人たちであった。
俺がその復讐心に火を付けた。
俺にも野望があって、いつか帝国を見返す積もりだ。
なのでいつか帝国に打って出ると誘った者たちだ。
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