帝国の乱④
帝国を守る城壁が高くそびえていた。
その城壁から見渡す限りに、反乱軍と同盟軍が埋め尽くしていた。
その勢力は40万だ。
それに対して帝国は、南方からかき集めた勢力30万が城外に陣を張っていた。
城内には、6万の兵も待構えている。
「敵軍が包囲してます」
「無敵だった帝国が、情けないものだな・・・それも内部から裏切られるとは、情けない」
「ワイバーンを飛ばします」
城の上空へワイバーンが次々に飛んで、見守っていた。
「とうとう来たか・・・これで積年の恨みがはれせるぞーー」
「使者を送りますか」
「そんな無駄はしなくてよい。ワイバーンを迎え撃つ準備をしろ」
「分かりました」
「準備が整いました」
「帝国をひねり潰せ!!これが最後の戦いだ!」
それを合図に反乱軍と同盟軍が動き出した。
それに合わせて帝国軍も動き出した。
その帝国にバリスタの矢が打ち込まれた。
地面に突き刺さり、すぐに爆発が起きた。
その途端に周りの兵士を吹き飛ばした。
被害はそれだけでなかった。小さな鉄球が飛散して兵士を貫いた。
足に命中した兵士は、その場で転がり苦しんだ。
被害数は30人に及んだ。
1度動き出した軍は、その被害者を踏み付けて進んだ。
地上のあっちこっちで爆発は起きた。
それは空のワイバーンにも起きた。
帝国軍の上にワイバーンが落下。
何人もの兵士が下敷きになった。
ワイバーンは苦痛のまま暴れだした。それは、被害を拡散させた。
皇帝は、その惨劇を城壁から見ていた。
宰相「あの者に頼みましょうか・・・」
「仕方ないな。ゲンラよ・・・後は頼む」
皇帝は、ゆっくりとその場を去った。
宰相は、オーブに向かって念を送り込んだ。
反乱軍と同盟軍の地面がムクムクと揺らいだ。
地面から武器を持ったスケルトンが這い出した。
それは1体でなく何十万のスケルトンだ。
そして兵士を襲いだした。
驚きながらも抵抗する兵士は、剣で骨を切った。
しかし、すり傷しか残らなかった。
「なんて頑丈な骨だ。こっちの剣がダメになりそうだ」
何人も斬られながら3人でスケルトンを押さえつけた。
「早く骨野郎を壊せ」
周りの兵士がスキ間から、剣で何度も突き刺して。
骨を砕いた。最後は頭部を何度も踏み付けて破壊した。
しかし、スケルトンは光りだして再生してゆく。
兵士は慌てて攻撃をするが、何かに跳ね返された。
再生が完了すると、又も襲いだした。
百人、千人、1万人と被害が増えだした。
何故なら、倒された兵士が蘇って襲いだしたからだ。
もう反乱軍と同盟軍はパニックだ。
「撤退だ!補給部隊まで撤退だ!!」
逃げ出した先にも、スケルトンが待ち構えて居た。
そこで絶望のまま反乱軍と同盟軍は、数を減らして全滅した。
そんな戦場で、1人の黒いローブをまとったリッチが立っていた。
魔力回復の薬を飲んで、回復した頃には死霊術で更にアンデットの数を増やしていた。
「この薬は良い物だ。もっと手に入らないか・・・」
数人の人間が跪いた状態で「帝国と交渉して、必ず手に入れます」
「頼むぞ・・・」