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怪奇討伐部Ⅴ-Star Handolle-  作者: グラニュー糖*
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宇宙に戻るために

第三話 空に放つ大船




 __________


「____おっと!?」

「うわわっ!?」

「ムジナ!バランスを崩したら____」


 ムジナがバランスを崩し、雪崩れ込む私たち。

 皆が手を繋いでいたので巻き添えだ。


「ごめん!」

「いいよ。それより怪我してないか?」

「うん!アシリアは大丈夫?」

「えぇ。私こそ無理言って悪かったわね」


 私の言葉に顔を見合わせる二人。

 何か変なこと言ったかな……。


「どうしたの?二人とも……」

「い、いやぁ、アシリアってキツい人かと思ってたから、まさかこんな優しいとは思ってなかったというか……」

「失礼ね。私は元からこうなのよ。それよりここどこなの?」


 私は無理矢理話題を変えた。

 その言葉にムジナは周りを見渡した。


「うーん……コンクリートだから人間界で間違いないね。それにしてもどこかで見たことあるような……」


 ムジナが立ち上がろうとしたその時だった。


「あ!ムジナくんじゃないか!それに、あの船長も!よかった、会えたんだね!」


 ニコニコしてこちらにやって来るのは、あの時いた警察だ。確か……上原だったっけ。


「上原さん!元気そうで良かったー♪」

「あの一件でこっちに二度と来れないものだと思ってたから嬉しいよ。黒池ちゃん呼んでこようか?」

「え、遠慮しとこうかな……それに、時間無いんでしょ?アシリア」

「えぇ。早く行かないといけないもの」

「そうか……気をつけてね」


 少し残念そうにしながら笑って手を振る上原。最後にヘラに向けられた眼差しは上原が彼のことをどう思っているのか、容易に想像がついた。


「まぐれだったとしても、ちゃんと日本に着けて良かったね!実はヒヤヒヤしてたんだよ?」

「飛んでるとき、ものすごくわかりやすい目印が見えたからな。あれだろ?アシリア」


 ヘラが上を見る。ビルを何本か越えた先に大きな木製の船……私の船があった。


「そうよ。あれが私の船。……大気圏に入ったとき、外装が壊れてしまったのね」

「本当に飛んでるんだな……世の中何があるかわかりゃしねぇな」


 ヘラはポケットに手を突っ込んだ。

 相変わらずムジナはニコニコしている。

 こんなメンバーで本当に同盟に勝てるのか心配になってきたかもしれない。


「みんな船を撮るのに夢中だわ。その隙に飛び乗るわよ」

「アシリア、お前、翼あるのか?」

「無いわよ。あんなとこに停泊したのは初めてだもの。ヘラ、あなたの方が翼広いでしょ?掴んで上がりなさい」

「はぁ!?……わかったよ……。言っとくけど、俺の方が翼小さいからな?ま、ムジナに労働させるのは気が引けるから俺がやるけど」


 しぶしぶ私を掴んだヘラ。路地裏を通り、誰も見ていないようなところから飛び立った。


「はぁ、人を持って飛ぶなんてスクーレ以来だよ」

「つべこべ言わないの。今は私を助けることだけを考えてて」

「くそ、今回だけだぞ」


 そう言いつつも、痛くないように持ってくれるヘラ。本当は優しいのでは……?


「ありがと、ヘラ」

「礼は全て終わってからでいい。……お前たちだけじゃ心配だからな」


 ヘラは船をしっかりと見つめながら飛ぶ。彼らが今までどれだけ大変な目に遭ったのかは知らないが、ヘラがいれば何とかなる、そう思えてしまった。


 ビルの上に不時着した船。

 ヘラはそっと私を降ろし、ムジナが来ているかを確認してから最後に降り立った。


「近くで見るとでかいな」

「ふふ、そうでしょ?私の船だもの、当然だわ」

「早く行こうよ!」


 ムジナが目を輝かせてはしゃぐ。ヘラはその様子を微笑みつつ見ていた。私は何を見せられているのだろうか。とっとと出発しよう。

 やるべきことはできているので、あとは飛び立つだけだ。


「待たせたわね。飛ぶわよ!目指すは、泰平の花の星……アルカディア!慣れないうちはできるだけ安全運転で行くから安心してちょうだいね」


 腕を横に振ると、船全体が力を持ったように唸り、そしてゆっくりと浮かび上がった。

 これがこの船の特徴。私のような人でも船を動かすことができる。


「ふふ、ずいぶん騒いでるわね、人間たち。それほど珍しいものかしら?」


 私は少し下を覗いて笑った。人間たち、皆がポカンと口を開けてこの船を見ている。いい気味だ。


「珍しいだろ。皇希の反応を見てりゃ、どこまでここが発展しているのかがわかる。それより、アシリア。舵のところにいなくていいのか?」

「えぇ、そういうものだもの。それに……」

「それに?」


 ぐんぐんと上昇していく船。飛行機と同じ高さ辺りになって私は口を開いた。

 ……そのときのヘラたちの表情ったら、滑稽でこれからも忘れないだろう。


「この船のための舵とか望遠鏡、羅針盤はこれから探しに行くんだから!ちゃんとついてきてよね?二人とも!」

「「え……えええ!?」」

どうも、グラニュー糖*です!

現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!

こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。

本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!


なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!


ではでは〜

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