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怪奇討伐部Ⅴ-Star Handolle-  作者: グラニュー糖*
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グランドゥプリュイ編7

黒池の奇士刑事もよろしくね〜

第二十三話 アンコウの本心




「……知ってますよ。僕は足が早いですからね」


 塩を包み紙に入れ、ポケットに仕舞い込んだイサキの発言にヘラがピンと来た顔をした。


「塩……魚……海水?____そういうことか!」

「どうしたの?ヘラ」

「いや……あとで言おう」

「?」


 ヘラは踵を返し、部屋から出ていった。

 その後をアシリアとイサキが追っていく。


 ……この部屋に残ったのはオレとサメさんとアンコウさんだけになった。


「……アンコウ」

「あなたも行ってください」

「……さっきはキツいこと言ってすまないな」


 その一言に、アンコウさんの表情がパアッと明るくなった。


「こ、こほん。あれは言われて当然のことでした。ところで……あなたもどうして行かないのです?」


 こっちに話題がふられた。

 もちろん、言いたいことがあるからだ。


「……アンコウさん、本当はサメさんに言いたいことがあるんじゃないの?」

「えっ?俺に?」


 サメさんも驚き、目を丸くした。


「……いいの!私は……釣り合わないから」


 顔を真っ赤にしたアンコウさんは下を向いた。長い山吹色の髪が揺れる。


「釣り合わないって?」

「はわぁっ!?」


 鈍感すぎるサメさんは頭の中戦いのことしかないのか。


「んじゃ!そういうことで!」


 オレは走る準備をしながら敬礼し、ダッシュで部屋の外に出た。


「あぁ!逃げた!?」

「なぁ、アンコウ」

「ふぇ!?」


 ……出たのだが、実はオレは部屋の前でこそこそと見ている。


「言いたいことがあるならはっきり言えって言っただろ?」

「……うん。じゃあここから先は私の独り言よ。何も……答えなくていいわ」

「……」


 二人の空気が少し重くなる。


「私ね、本当はあなたのことが好きだったの。決して届かないことはわかってるのだけど、やっぱり諦めきれないじゃない?こんな卑屈で非積極的で陰湿な私なのよ?日の当たるところにいて、それに姫という立場のハコフグに勝るわけないじゃない」

「……」

「あなたはいつ嘘をやめるの……?」


 サメさんが嘘をついている?

 一体、どういうことなのだろうか。

 今回の星についてはあまりにたくさんの情報をサメさんから受け取っている。それのどこまでが嘘なのだろうか……。


「独り言は終わりか?」

「終わったわ」

「なら俺の番だな」

「あなたも独り言?」

「そうだ」


 サメさんは一息ついて話し始めた。


「突然変異で人型になった俺たちは虐げられていた。その時に見つけたハコフグにはただ幸せになってほしかったんだが、俺はいつの間にか好意を持っていたんだ。……あとから叶わない願いとは知ったんだけどな。あと、俺は嘘をやめるつもりはない。だけど……全部が終わったらやめるかもしれない。その時は……あの地球からの旅人たちにも本当のことを伝えたい」


 皆スタートは同じだったのだろう。

 隠れ住む者、レジスタンスのリーダー、城の主……。

 どこで間違えてしまったのか。


「……」


 オレは無言でここを離れた。

 長い階段を下りると、外で皆が待っていた。

 ヘラはオレの疑心暗鬼な表情を察したのか、話し始めた。


「イサキが隠れ家を開けてくれた。余裕で全員が入れるサイズだそうだ」

「隠れ家?」

「そうだ。同盟が乗ってきた船を改造して秘密基地みたいにしたらしい」

「へぇ!……あ、サメさん、おかえり!」


 革靴のカツンカツンという音が聞こえてきた。

 ヘラによると、革底……レザーソールというものらしい。

 シャツ以外真っ黒に染めたコーディネートはこの人しかいない。


「イサキ、決行は?」

「明日の昼です。誰にも見つからず、食堂に行って塩を入れなければなりません」

「でも俺たちじゃ……な……」


 サメさんの体がグラリと傾く。

 ヘラが体を支え、サメさんの顔を見た。


「……栄養失調だ。少し痩せこけてるな」

「えぇ!?どうしよう!……そうだ、イサキ、隠れ家にキッチンある?」

「え?もちろんありますよ」

「よし、サメなら魚を食べるだろ。イサキ、許してくれるよな?」


 ヘラが言っているのは、シーフード料理を作っていいのかということだろう。

 そのせいでイサキに捕まったのだから……。


「……姫を救うためですからね。目を瞑りましょう」

「さっすが!」


 その後、ヘラは焦点が定まらないサメさんをゆっくりと運んでいった。


「……ハコ……フ……グ……」

「どうしたんだ?」

「……」


 それ以降は話すことはなかった。

 気を失ったのだろう。力が入らなくなったので、ヘラにかかる力が大きくなり彼の体勢が一気に崩れた。


「うぉっ!!!」

「……大丈夫か?」

「誰だ!?」


 ヘラに手を貸したのは、手にメリケンサックを装着し、髪のサイドを刈った、いわゆるボクサーだった。


「オレはシャコ。お前たちに助けられた中の一人だ」

「シャコ……パンチ……なるほど」


 シャコさんはヘラと共に隠れ家へと歩いていった。

どうも、グラニュー糖*です!

現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!

こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。

本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!


なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!


ではでは〜

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