ハードコア編3
第十一話 同盟
「じゃあ私はちょっと外を見てくるわ。この惑星の状況を知るために、あと同盟に立ち向かうための作戦を考えるために、ね」
「オレも行くよ!護衛のために!」
「あぁ、行ってこい。気をつけてな」
アシリアとムジナが部屋から出ていった。
アンドロイドはその様子を見て理解不能と言った。
「同盟の相手をなさるのですか?!」
「これからの旅には不要だしな。それに船の周りに敵がいるなら安心できないだろ」
「そ、そうですか……。では、説明しそびれた同盟の話をいたしましょう。何でも聞いてください」
「そうだな……」
まずは強さの話、そして正式でなくてもいいから名前を聞いておきたい。ついでにアンドロイドの名前も考えねば。勝手に付けていいのかはわからないが……。
「……強さですか。色んな星に点在していらっしゃる強い方々を何らかの手段で仲間に入れているようなので、強さはまちまちです。ですが本部はそうでもないようです。情報源は私が操作されていた時のネットワークからです」
「じゃあアルカディアの聖女も……」
「アルカディア。いえ、あそこには同盟の者はいらっしゃらないようでしたよ。同盟に手を貸したくない方もいらっしゃるようなので」
確かに同盟の『ど』の字も出てこなかった気がする。宗教宗教言ってた気がする。
「そうか……。じゃあ次。ずばり同盟の名前は?」
「オリオンですね」
「オリオン。」
「オリオンです」
オリオンといえばあの有名なオリオン座からだろう。有名すぎて復唱してしまった。
オリオン座は地球から七百光年ほど離れており、もしそこに本部があるとすればそこに向かえばいい。だが、そんなうまい話があるはずもなく……。
「名前だけがオリオンということだけなので、オリオン座とは何ら関係も無いですね」
「デスヨネー」
「一つ、いいですか?」
「ん?」
「どうしてこのハードコアに行こうとしたのですか?情報ならもっと安全な星でも良かったじゃないですか」
「アシリアがここに探し物があると言ってな。アンカー、だっけ」
「戦前作られていたものですね。それならここだと決めた場所に寸分違わず止まることができるといいます。それは反転されている地域にあるのですが……船を探すついでにアンカーも探しましょう」
やるべきことは決まった。
途中で攻性アンドロイドを倒しながら反転している場所に行くとしよう。
「最後にお前の名前は?」
「……エラーが起きました。再起動します」
「おうおう、絶対わざとだな!?」
__________
一方その頃、オレはアシリアの護衛をしていた。
「ムジナ、もう少しね!」
「うん。敵、増えてきたから無理はしないようにしないとね」
「わかってるわよ。着いてきたのがあなたで正解だったわ。どうやらこの辺のアンドロイドたち、耐熱構造みたいだからヘラの攻撃は効かないみたい」
「なるほど……オレには見分けつかないや」
どれも同じに見える。どこが苦手なのかもわかりにくい。
「引き続き、私の護衛よろしくね。私には戦う術が無いから」
「護衛として鉄砲でも持っときゃいいのに」
「船での移動だったから大砲に頼っちゃってたの。すぐに部品探しが終わると思ってたから……」
「さっきの地図みたいにうまくいかないときもあるよ?」
「そこは私の落ち度だったわ……情報しか見てないからっていつもお父様に叱られていたわ」
アシリアは前を向きながら呟いた。
「お父様って、どんな人なの?」
「厳しい人だったわ。地球まで来たのはそれが嫌で飛び出してきたようなものよ」
「わかる!自由になりたくて飛び出しちゃうよね!」
「そこはわかっちゃダメでしょ!親が心配するわよ?最初に会ったところはヘラの家だったし……ちゃんと言ってきたの?」
「家出して半年です」
「帰りなさい!」
「言えないよ。だって親がいないしね。いたとしても、あれを親とは思いたくないから」
あれ……つまりリメルアのことだ。
昔ヘラが退治した要注意人物。それが家にいるなんて危険極まりない。
「そうなの……あなたも大変なのね」
「そうなんだよ!お兄ちゃんもバルディも最近ピリピリしてて、お世話になったカリビアさんまでも牢屋に入れちゃって____」
『入れちゃってて、やばいんだよ!』と言おうとしたのだが、オレは目の前の光景に言葉を失った。
「すごい!」
「語彙力どうした!?」
さすが反転というだけある。
その場所だけ別の世界になったかのように、戦火から逃れた綺麗な街が広がっていた。もちろん船の姿も消えている。
「これ、明日には戻ってるんでしょ?なら危ないわ。すぐに戻りましょ」
「えー、行ってみようよ!誰かいるかもしれないし!」
「いいえ、今日は見るだけよ。偵察なの。船が無事だってこともわかったし」
「はぁーい……」
帰り道は攻性アンドロイドに遭遇することはなかった。
ゆるゆると稼働していたプレス機に潰されていったからという理由も入っているが、本当のところはわからない。
「どうしてアンドロイドを潰すための機械とかあるんだろうね」
「いつか反逆されるってことも視野に入れてたからじゃないの?」
「それはそれで怖いなぁ……自分達で作ったのに壊すことまで考えてたんでしょ」
「それは死神のあなたも一緒でしょう?自分たちがこの世から救った魂を刈り取る。違う?」
違うことはない。
お兄ちゃんは刈り取った魂の重さをわざわざ記しており、その結果あの資料だらけの部屋になっている。
決して何も考えずに魂を消しているわけではないのだ。
「半々ってところかな。合ってるし合ってない」
「死神がどういったものかはわからないけど、ムジナが言うなら間違いないわ。あなたは優しい人。それがわかったんだもの、きっとあの人も許してくれるわ……」
「あの人?」
「ムジナには関係ないわ。着いたわよ、屋敷に」
「本当だ!喋ってて気づかなかった」
アシリアは周りに攻性アンドロイドがいないことを確かめ、オレの腕を掴みながら素早く屋敷に滑り込んだ。
「スリル満点で楽しかったね!」
「私は少し怖かったわよ。戦えないんだから」
「それもそっか」
「お二方、お帰りなさいませ。傷は……無いようですね。良かったです」
アンドロイドがオレたちが帰ってきたことにいつ気づいたのかわからないが、入口で出迎えてくれた。こんな最悪の状態でも出迎えてくれる存在があるだけでそれでもいいと思えてしまう。
「反転地域、すごいわね。周りと全く違うわ」
「一見鉄壁に見える地域ですが、侵略されるのは時間の問題なのです。このことも含めてヘラさんにも話しておきましょう。ついてきてください」
アンドロイドに連れられ、ヘラのいる部屋に到着した。
二階の奥の方で、完全に綺麗に残ってはいないが、少しダメージを受けた程度の部屋だった。
「ただいま、ヘラ!聞いて聞いて、すごかったよ!」
「すごいのはわかったから、落ち着けよ」
ヘラに伝えようとしていたことが喉元まで出かかっていたが、それを飲み込んで落ち着いた。
どうも、グラニュー糖*です!
現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!
こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。
本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!
なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!
ではでは〜




