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野ウサギと木漏れ日亭 #ウサれび【電子書籍化作業中】  作者: 霜月サジ太
1日目 ~店主と詩人と四人の冒険者~
3/154

1日目 2 舞剣士と吟遊詩人《前》

2話目です。にぎやかになってラブコメ調です。

目を通していただけたら幸いです!!



修正:幼女→小柄童顔少女

   修道服の少女→修道服で落ち着いた雰囲気の少女

へ変更しました!


2021/6/19

百合描写など追加

「なによ?」



 プンスカしている駆け出し冒険者の少女。

 緋色の瞳に怒りの色が更に滲む。



「ああ、いや……」



 なぜか答えてしまうオレ。


 駆け出しと言っては失礼か……と逡巡する。

 こいつが冒険者を始めて……数年……? だっけ?


 多少は……まぁほんと多少だが古代の稀少な魔法細工を見つけたりーー実績もある。

 が、まだまだ中堅とはいえないな。

 駆け出しでいいか。



「なにか失礼なこと考えてない⁉」



 視線に炎を宿してキッと睨んでくる。

 こえーなぁおい。

 察しが良すぎるからさっと話題を逸らそう。



「気のせいだろ。それにしても随分早い到着だな。他のやつらはどうした?」


「知らないわよ、あんなスケベ!」



 でたでた。また何かあったのか……。

 『やつら』ってわざわざ特定の誰かさんじゃないように言ったんだが。

 勝手に墓穴掘ってやがる。


 まぁ、ここで余計なこと言うとこっちまで不機嫌のとばっちり受けるか……。

 なんて考えていると、緋髪少女はオレとアンタがいるカウンターに辿り着いた。

 ふくれっ面のまま。


 こいつを含めた四人はうちの半ば居候。

 滞在歴があれば、いちいち宿泊者カード書かなくても履歴を引っ張り出せばいい。

 オレはヘソ出し少女の記録を挟んだ台帳を指でなぞりながら探す。



「だからな……。そんな薄皮の胸当てじゃなく……もっと面の広い胸鎧チェストプレートか、せめて麻の鎧(リネンキュラッサ)にしたらどうだと前から言ってるじゃねぇか」



 小言を言う。


 なんでわかるのよ、と頬を赤く染め胸を両手で覆う。

 じとーっと睨んでくるのが視界の端に見える。

 スケベって言うから適当に言ってみただけだがアタリかよ。


 探し物中だから視線を向けずに済んでいるのが救い。

 ……あ、オレはガキに興味ないからな。念のため。



「だって動きにくいんだもん。身軽でなんぼなのよ。あたしは舞剣士ソードダンサー、華麗に舞うことが使命なの」



 舞 剣 士(ソードダンサー)


 名の通り剣を手に舞うように戦う前衛職。

 ……前衛なら身の安全を守れよ。


 帰ってくる度にスライムに服溶かされただの、ゴブリンに服やぶられただの騒ぐくせに。   

 こっちが心配しているのに提案を却下しやがって……わざとか。露出狂か。


 あくまで自分のスタイルを変えようとしない、ヘソ出し外套野郎マントマン

 あ、女子だから外套女子マントウーマン



「やれやれ」



 わざとオレはおおげさにため息をつく。

 こういう強情なところが可愛げが無い。

 容姿はいいのに中身残念なタイプ。



「"ハチのように飛び、セミのようにおしっこかける"じゃなきゃ」


「ぶっ!」



とんでもないのが聞こえて思わず噴き出した。



「あれ?」


「お前さぁ……それマジで言ってんの? 年頃の娘がおしっこかけるって」


「~~!!」



 自分の言ったことを今更理解したのか。

 顔が髪色以上に真っ赤になる。



「く、口が滑ったわ! そ、そうよ! セミのように……早死にする!」


「……わかった。もう何も言うな」


「な、なによ! 何だっていいじゃない! ……ねぇ⁉ あなたもそう思うでしょ⁉」



 緋髪のヘソ出し少女は初めてそこに立つものの存在に触れる。

 かなり唐突に。


 多分今初めて気づいたんだろう。

 ずい、と押し迫り同意を求める。


 アンタは安っぽい木彫り人形みたく、首を何度も上下させる。

 華奢な体が一層人形らしく見せている。


 いやしかし。

 初対面でいきなり話振られて普通引くだろ。

 せっかくの客が逃げるだろ。



「あら……あなた! その格好もしかして吟遊詩人バード!? ね、そうでしょ!?」



 いきなり話がぶっとんだぞ。

 せわしないな。


 アンタは急に話を振られて驚きながらもまたまた頷く。

 そうか、アンタ吟遊詩人か。

 ……あ、ここに書いてあった。



「やっぱり! ふふ。今晩泊まるの? いつまでいるの? あたしね、風の勇者様の冒険譚好きなの! あとで一曲お願いしたいな!」



 プンスカから一変、目を輝かせ早口でまくし立てるヘソ出し少女。

 圧に押されながらも、喜んで、と答えるアンタ。



「嬉しい! ふふ。楽しみっ!」



 ゴキゲンにその場でくるりと一回転。ひらりと外套マントがたなびき優雅さを感じさせる。

 さすが舞剣士。



「なにがたのしみなのー?」


「あら~ヒナさんナンパしてるのかしら~??」



 二つの声がしたほう――宿の入り口には並んで立つ大小二人の少女。


 

誰も優しくない世界w


次回やっと名前が出るかもしれません~。固有名詞決められない症候群。

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― 新着の感想 ―
[良い点] {吟遊詩人}(バード) はこの表記で良いんでしょうか?(*´ェ`*)
[気になる点] 肌をほとんど見せない修道服姿と頭巾で大人びた雰囲気があるが、今見せている表情は{悪戯を}(いたずら)思いついた子供のソレ。 ルビミスかと思うので、確認お願いしますm(__)m
[良い点] どごっ!! ばきっ!! でニヤーーーっとしました(≧∀≦) ニヤアアアアアアアアっとしてしまいました(*´꒳`*)
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