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6日目 14.5 異口同音
◇
「で? おめおめと帰ってきたわけ?」
変わらず腕組みのまま問う橙色髪の給仕オレン。
「るせ。命からがらだっつーの」
「館は崩れたのか!?」
「イヤ、無事ダ。オサマッタ」
「よかった……」
館よりオレらの心配をしろローシェン。
「折角逢えたのに挨拶一つ交わさないなんてね」
「あいつが悪いんだろーが」
「もっとグイグイいかないと分かってもらえないよ?」
「何をだ」
「分かってるくせに……」
むくれて言う生土色髪の料理人のローシェン。
「あいつは失ったヒトを……過去を見てるんだ。オレなんか眼中に無ぇさ……」
(その割には帰りを待ち焦がれてるけどなー? 諦めきれないのバレバレだっつーの)
なんか言ったか?
「「「べっつにー」」」
ローシェン、オレン、アッシュ。
三者三様の声色が全く同じ言葉を発していた。
なんなんだ。