海を飛ぶ影
◆暇、というものを持て余していたので書き始めてみました。
遅筆なので更新も早いような遅いようなという極めてアバウトなものになりそうです。
◆「ぼく」の乗る機体については本文中で説明をしようと思ってはおりますが、他のものについては基本的にググってください。
どうしても要望が出たような場合には文末のあとがきで脚注を入れる作業とかいうものをしようと思います。
◆登場人物、場所などすべてフィクションの方針で進めています。物理的にどーのこーのということはぬるーしてください…。
◆もしかすると残酷な描写が出てくるかもしれません。ご注意ください。
では、よろしくお願いします。
延々と続く薄暗い世界を、時速100キロの速度でぼくは進攻する。目標は約10キロ先の敵哨戒船。護衛の潜水艦2隻がついている。対して味方はぼくを含んで5機。負ける気はしない。そもそも、これまで負けと言った負けを経験したことはない。
「目標を視認すると同時に散開、目標とついでに護衛潜水艦も破壊してさっさと帰るぞ。」
「了解。」
「目標まであと数分、気持ちを切り替えておけ。」
ぼくはこれにも了解を返す。いつも気持ちにぬかりはない、と何度も思っていたころはあったが、結局はこれも形式的なものなので、もう何とも思いはしない。これも形式的に、ぼくは操縦桿を握ったまま武装のチェックをしておく。小型魚雷と機銃、両方使用可能、ついでに他の機関も見たが、オールグリーン。問題はない。あとは視界に入るのを待つだけだ。
「――目標を視認、各自戦闘開始せよ。全武装の使用を許可する。」
「了解。」
ぼくはまず敵護衛潜水艦を排除しにかかる。敵の武装は前面のみで、側面に回りこめばすぐにけりがつく。レーダーで敵の向きを確認し、ぼくはサイドへ回り込む。
「左の潜水艦をやる。」
ぼくはそう言い、潜水艦の左側へと一度大きくまわり込む。後方には味方機はなし、ぼくとしては撃沈のしやすい状況が整った。
敵潜水艦は、ぼくが右側面へまわったのを察したのか、すこしずつ右へと艦首を向け始める。だが、遅い。ぼくを乗せた機体は既に後尾のえい航アレイがしっかりと見えるまで回り込んでいる。
狙いを定め、ぼくは機銃のトリガーを引く。銃弾はなるべく無駄にはしない、20発ほどお見舞いしたあと、一度左旋回して距離をとる。そしてまた、機首を敵潜水艦へと向ける。既に敵潜水艦の内部は大慌てなのだろう、艦首がこちらを狙える位置にあっても魚雷を発射してこないのが証拠といってもいい。仮に発射したとしても、ぼくは当たる気はない。そして、少し回り込んだ左側面から機銃の照準を艦首に向ける。3、2、1、カウントをしてトリガーを少し引く。5、6発の銃弾が発射された後、すかさず小型魚雷を発射する。これでおしまいだ。旋回する機体から見える視界の端に、爆発の轟音とともに粉々になる潜水艦があった。
ぼくが敵潜水艦を撃沈して間もなくリーダーから作戦終了の連絡が入り、全機が帰路へ就いた。入った結果報告によれば、こちらに損害は無く、目標及び護衛潜水艦2隻は大破・撃沈した。
一方的な勝ち戦を納めたこの戦闘の後は、暫くはまた暇な時期が続くのであろう。そんなことを考えながら魚群を右手に追い越し、編隊は基地へ向かっていた。
帰路について凡そ15分、レーダーで見て前方に基地の格納庫を示すポイントが表示され、それを合図に編隊は各機で間隔をとり減速を開始、格納庫への帰港準備に入る。これを問題なく終えると、ぼくはようやく本当の意味で一息つけるのだった。