41話
二日後の深夜。村はずれの畑。
この村で一番大きな畑として、人手が足りないときは家族だけではなく村人に募集をかけるという規模。
ただ植えている作物が基本的に高く売れるものではないので、持ち主の一家は特別大金持ちというわけではない。帝国の基礎を作る作物、ということで生産農家については免税や補助などの利点があることを踏まえても、この規模で生産しなければ利益はでない。
その一角に何も植えられていない区画がある。正確に言えば植えられていたが、オークとゴブリンが荒らしたので掃除したのだ。
「GGGG」
そこに現れる一匹のオーク。
オークは同じ人の形をしたモンスターであるゴブリンなどと比べると頭がそこまで良くない。
人と同じように二足歩行をすると言っても棍棒を振り回す知能があるという程度。
しかし人間の首を平手でへし折るパワーと、その人間の頭を齧る野蛮さ、そしてずんぐりとした筋肉だるまのような見た目に反したスピードを備えている。
そのため人間が恐れるモンスターの一つとして定番。
ちなみに都会の一部界隈では首都の女騎士団をオークやゴブリンなどの人形モンスターが性的に襲う絵などの下品な絵が人気だが、彼らはそんなことしない。彼らは食べ物を襲うほど野蛮でもないからだ。
この絵が表しているのは「女騎士団の評価」と「首都の男共が女騎士団をどうみているか」そして「同胞を玩具にしたがる人間の残酷さ」
ゴブリンとの一件でここに餌があると学習したオークはそれ以降毎晩現れるようになっている。
ただモンスターが嫌いな匂いが毎日漂ってくるので、獣よけの網を壊して入ることはしない。
この薬草の匂いは強烈。モンスターは嫌う。そして人間も嫌う。
具体的な被害例としてはこの畑の持ち主である男性。おっかない母親に命令されて毎日煮込んだ汁を作っているが。どれだけ気をつけて作っても服に匂いがつき取れない。避難先の妹夫婦には嫌な顔をされ、甥っ子には「おじさんくさい」と言われる始末。




