39話
「うーん。わかりませんね。どうも。そこになんか理由があるとは思うんですが」
「考えても仕方ねぇさ。そういえば罠はどうした。仕掛けっぱなしだと獣がかかるだろ」
「昨日、うちの娘に外して回らせたよ。あんたらがいつ復帰できるかわからんかったでな。あんたらが丁寧に地図を書いてくれてたから助かった。すまんが必要ならまた仕掛けなおしてくれ」
あの冒険者を嫌っている娘がそんなことするとは、とドーリーは思ったが親の指示、村長の娘という立場、剣を振る体力、そういう物がついて回れば仕方ないかと思いなおした。
「その娘さんはどうした?家で仕事かい」
「疲れて寝てるよ。都会の女騎士団に入るんだ、とか言ってる癖に一日走り回ったらこの様だ」
村長はあきれたようにいった。
「ありゃ田舎の小娘が目指す場所じゃねぇし、入りたいなら剣なんかより習うものがあるっていい加減気づかねぇかな」
騎士団、というのは二人で話した女騎士団のこと。
というかそもそもあそこ以外で女騎士など採用していない。採用してるのは魔法使いや薬剤師系の補助職か城の中の事務職だけだ。剣など振らない。
女が剣を振るってなれば、まぁ冒険者か傭兵か裏社会くらいだけ。
「結局そういう口だったわけな」
ドーリーが行った「そういう口」とは「実情をよく知らずあこがれる世間知らずの田舎娘」ということ。帝国の影響下にある地域には結構いる。
Vはあきれたように笑い、布団に倒れこんだ。




