15話
出された朝食は味が濃かった。
肉体労働派のドーリーなどはバクバクと食べたが、Vはあまりすすまない。
「お口に会いませんか?」
「そいつの胃が貧弱なんだ」
ドーリーはそう言って気にするなと村長に伝えた。
実際そうなんだが、少しは気にしてほしい、というのはVの考え。しかしそれを口に出せるようなタイプではない。
「地図ですか。ありますが貴重な物なのでお渡しするというわけには行きません。お見せする分には構わないので写していただきたいんですが」
食事の最中、村長ならもっているだろう、という考えでVが村の地図があるかと聞いた答えがこれ。
「裏紙か何かありますか?なんでもいいです。焚付に使うようなやつとかで」
「数年前の帳簿の残りとかそんなやつならありますが、そんなのでいいですか」
「十分です」
食事を終えた三人は、地図を見るために村長の執務室に向かう。
そこでばったりと先程の娘に出会った。
「あ、どうも」
「やぁ」
二人の挨拶に、一応の礼儀として会釈だけ返し部屋に入っていく。
「すいません。愛想がない娘で」
「娘さんですか。年が離れてますが」
「えぇ、もともと孤児だったのを死んだ妻と話し合って引き取ったんです。いつもはもっと愛想がいいんですが」
冒険者を嫌っているのだろう、とVはなんとなく思った。
ダンジョンをめぐりアイテムを獲ってくる、といえばロマンはあるが、そんなのはごく一部、実態は暴力的ななんでも屋や田舎の猟師に毛が生えた存在。場合によっては野盗紛いや強盗と兼業してるような連中も居る。
この国で規制が強いのも、組合が作られ監督しているのも、結局そういう連中が多かったからだ。規制のおかげで多少マシになったが、それでもまだまだひどいやつは多い。
特にこういう平和な時代だと質は下がる一方。戦争という受け皿がなくなるからだ。




