32話
実際はもう少し複雑でくだらない理由がある。
競技会の運営も会場の下見を行ったが、基本は騎士団が使う演習場なので騎士団の都合が優先。推奨ルート製作のために何度も試すなど繰り返し使うのは難しい。
また運営を行う学生もこの競技は初めてで適切なルート設定がわからない。
そこで普段からこの演習場で訓練を行っている騎士団のメンバーが協力してルートを設定し、それを競技会に渡したという形。
その際騎士団は
「この訓練はルートを考える事が一番大事なポイントだろう」
と
「全くやったことがないし学生だよ。一からのルート設定は難易度が高いよ」
というメンバー内部の意見の対立から
「難易度的には最も難しいルート例として提示するので、各自の実力や体力、作戦に応じてルート設定しなおすこと」
という形でルートを設定した。
そのルートが書かれた地図は騎士団上層部に一旦渡され稟議にかけられ、そこから広報に行き、そして学生競技会との交渉窓口に行き、学生競技会運営の一人がそれを受け取り、競技会運営の上層部で稟議にかけられ承諾され、運営と参加者の交渉窓口の人間まで回ってきたあとに参加者への配布となった。
その伝言ゲームの中で「難易度的には最も難しいルートにしたから実力や体力、作戦に応じて難易度を下げるよう」が「騎士団員の中でもこの訓練を行っているメンバーが設定した推奨ルート」ということになっていた。
役所仕事ではよくあることだ。
「こりゃ明日はルート設定だな」
「ですね」
そんな事情は知らない二人だが、そんなことを言って翌日の計画を変更。




