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光のある兆しを探して

 3話


    光の兆しを探して



(……? 意識が、遠い)


 柊さんは、パケフル大会が近々あると言っていた。

「この大会で優勝すれば―――

「柊」

 目を瞬かせている。

「どうしました、葉束」

「その大会は、移動すんのに悪い予感がある」

「え?」

 ……? 移動……は分かるけど”悪い予感”……て

(どういうことだろう)

「あのな……」




 葉束くんはポケモンで人が廃人になったりした過去やネットによって起きた事故の数々を、先生よりもちょっと詳しく述べていた。


 ―――……。




 ……そんな程度の治安? で……

「その場所は、都会である東京だ。ゲーム系統のホームレスがいたり、まあそれは関係ないんだが、命を落とす可能性がある。危険な誘惑があったり、迷ったり。通り魔でいきなり車で轢かれても俺は知らねえ」

「……」

「葉束……せっかくの力の集う機会……。や、僕も少し悪い予感してたんですけどね。……」

(ひどすぎる、ひどすぎる、……)

 おどおどしくて、聞いてられなかった。私はゲームを光のあるものだとばかり、思っていたのに……

(大体の予想は、付いてたんだけど……? ……)

 確かにそういう場所に行って茶目があれば、人生弾ける。けど……

 もしスカートをめくられたり、刃物持った人で滅多打ちにされたら……

 破綻。真実の、破綻。苦しみしかなくなる

「田舎である福井ですらこれなんだぞ。噂とはいえ、強豪校の不良に迫られたりしたらどうするんだよ俺達」

「……っ……」

 なんでこんな、究極の狭間に私はいるの……。

 脳内がまわって、引力に飛ばされた感じになる。

 パケフル開発本部……。一応そういう公式的考えも持って考える機関……? だったのかな。

 あたまがおかしくなって、言葉を出す。

「……柊さんて、直感薄いんですね……」

 …………。

「いや、そうですけど……」

「佳鳥……」

 最悪、最低だった。都会でのバトル…………あったほうがいいけど、出るとしても絶対にパケフルで鍛えてからだ。……多分。て


(この語り口なんかどっかになかった!?)


 あたまがおかしくなって、私は




 ……

 ……。






 おかしいと思って、目が覚めた。

 ……? 夢……?

 というか……。


 ロビーで、私は気の滅入る眠りから覚めた。20分と思っていた時間は、23分経っていた。


「はぁ……」


 溜め息ものんきになるぐらい変な夢だった……。

 2人が、隣に居ない。

 どこだろう……

 葉束くんは、パケフル……? をしてるのかな。柊さんは、プログラム……?

 私も、二人から報告があるまで待とう。というか……


(おなか、すいた……)


 私は、簡易的な物しか最近食べてない。二人の事を気遣って、自分もパケフルをしようとして何回もそういう日常の悪いしがらみ、生活習慣を付けてしまった。


 …………。

 う……

 うごけ……ない……


(まずい……)

 時間が、少しずつ過ぎてゆく


 体力の限界 と思った時



 ―――ガチャ


 ―――!!


(……? 終わり……? メイドの仕事、破綻―――)


 悪寒すらとも思った。

 私が、動けなくなるなんて、今まで無かったから。

 その予想は、覆された。


「わー!! ほんとにメイドのお姉ちゃん居た!!」

「佳鳥、土産もってこようとしたらついでに子供も居たぞ。新しい子も居る……て大丈夫か」

「たおれてるー!」

「来たよ埜結。秋奈、本当はシキナっていうユーザーパス持つの目指してるんだけど、どうしたらあれだけ強くなるか知りに来たよ」

 

 ………………

 黙るしか手段がないぐらいつらい


「まあこれ食ってくれ佳鳥。コンビニ弁当だ。ドラもっちもあるぞ。中身がホイップクリームの冷やしどら焼きだ。これ食って回復な」

 葉束くんから、生姜焼き弁当と生茶、ドラもっちが受け渡されて。


(おいしそう……)


 涙が、出てきた。

 しくっ。

 食事をがっつく。

 3人も黙々と食事しながら私を見ていた。

「うれしそうだね!」

「これだけ必死だから強くなれるわけ? なるほどね……」

「……秋奈もプロ目指すのならこの屋敷に入るのか……やっぱ……」

 葉束くんは戸惑っていた。

「いえ、うちは箱物パケシグの中身知られたくないから、あえていいんです。柊さんにだけいつも用事ができるだろうけどさ」

 ……秋奈ちゃん、プロ目指してるんだ……。


(私も、油断は許されないや)


 食事を8分で済ます

 瞬即しゅんそくで食事を済ます4人。


「よく食ったな……」

「そんなことよりはやくみせて! お姉ちゃんの箱物パケシグ!!」

「まあ、待て―――

 小さい子は目の前まで来た。が、秋奈ちゃんの言葉で止まった。

句付灯くつひ。待て。お前の前に居る埜結は、神の可能性がある。あのフェニックスのもと、パニッスはそういう――福井の象徴だと」

「えええ!?」

「……」


 ……へ。神……? ”福井の象徴”……て


「なぜ、あの時何もせず勝てた。お前」


 ………………


 黙る。ひたすら、黙る。


(なんでと言われても……)


「え、……いや」


 あの時は、『何が何やらわからなくて行動をしなかった』というのが正しい言い方だと思う

 というより、私は。

 戦いが、残酷と思うから

 だから、何もしなかった。


 私が秋奈ちゃんに問われていると、二階から柊さんがやってきた。


「コーヒーこなが尽くとかツイてないです……て」


 …………


「新しいお兄さんだー!」

「あれ……ようこそ。葉束、どういう風の吹き回しで」

「いや、こいつら、屋敷の前でとまってたんだよ。丁度」

「ああ、その食事のあとを見るに、近くのローソンに行ってたんですね。歩きで片道14分ですからねあそこは」

「柊の分は何故か買うの忘れたな……持つの面倒でさ」

「お兄ちゃん、もう一回買い物いこーよ!!」

「またか……。いや、俺も明日のこと考えたらそれ思ったけどさ……」

「夕方だし、もっかい行く? でも6時半だよ」

「僕もおなか空きましたよー!!」


 まずい……、買い物の供給が足りてない……


(ゲームと仕事すると、こんなに力使うんだ……)


 正直、色んな循環じゅんかんが必要だと思った。そんな中でメイドの私……


「仕方ない。私もメイドしてあげる。今回だけ」

 ……え

(秋奈ちゃんが、メイド!?)

 柊さんが、赤い目で黒い笑いをしている


「そうですか。では、さっそく僕の新しいコレクトの中からメイド服を―――」

 葉束くんが、止めた。

「おい。秋奈は8時には帰らねえと、警察沙汰んなるんだぞ。それぐらい直感回せよ」

「―――……そうですか。今回の僕の安定中二牌は使えずですか。残念」

「……おいなんだそれは」


 私達は柊さんを見て引いていた。


(新しいコレクト……? 『あんていちゅうにはい』……?)

 分からないけど、やばそう。”新しいコレクト”を警戒してみないと。

 何だか、モヤモヤしてきた。雰囲気から察するに、≪これはいかに”者を比べるか”というもの≫なのかな……て


(下り!?)


「者は逸材です。いかにどこに誰が合うかを考え、楽しむかは私たちなのですから。そうやって考え、人という資本を活かしてきたのは僕の役目ですから」


 だとしたら……

 過酷が待ち受けている。

 ……楽しいけど。


(もしかして、『者=物』なのかな……?)


 だとするなら、あえて言葉はいらない

 私だけの、新しい時代を悟り開く


 て

 何言ってるの私!?


 葉束くんの生姜焼き弁当がおいしすぎて、錯乱さくらんしてた……のかな

(占いの直感が、芽生えてるのかも……?)



「まあ柊は打ち手に出るのは金持ちだから勝手かもしれないが、都合を考えてくれよな」

「そうですね……」


 オレンジに染まった夕日が沈む頃、秋奈ちゃんと句付灯ちゃんは姉妹であったことを私達は知り、二人は帰った。その後、柊さんだけコンビニへ行き、私は残った体力で屋敷の玄関の掃除を少しの時間し、朝の白米の用意をし今日のメイドの仕事を終えようとした。

 明日は、学校。大会の事を、二人はまだ言ってくれない。


 ここからが、肝心……と、何故か直感で思った。


(何かが、起きるのかな……)


 10月4日。夜は過ぎた。




  第三話 祝日の捧げ 終わり

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