三人の鬼神と三人の獣
これまで私は、材料足しに手を付けたけど、葉束くんに対しても、パケフルにおける戦闘の経験がなかった。
材料足しによって、私の箱物であるパニッスの箱は、強度5へと変貌していた。
短期間で2もあげたのは、すごいことだと二人からは言われた。強度は、遊ぶことだと言われた。
どうやら、箱物の力を上げることは、パケフルというゲームを制することには、そんなには直結しないらしい。
二人には、「大丈夫」だろうとだけ言われ、これまで単に過ごしてきたけど……。
(どういうゲームなんだろう……)
なにも説明をされない上、ゲームをしてても勘でどういうゲームであるかを察しないといけないのは、おかしな話だと思った。
行動を起こさないのはだめだと思い、柊さんに聞いた。
「あの……」
「どうしました?」
「パケフルって、どこが戦闘ゲームなんですか……?」
「……」
……おかしい。このゲームの説明をするのを、拒んでいるようだ。
「葉束に聞いてみてはどうですか。幸い、一番詳しくはありますし、開発者である僕からいうのは無礼義です」
まずい……。
葉束くんに聞くのは、さっきあんなことがあったから恥じらいがある。
それでも、アタックするべきなのかなあ……。
その時
ピンポーン。
ガチャ。
三人のちょっとおかしな? 少し個性的な小学生ぐらいの人たちが屋敷に押しかけ、なにか物珍しい驚き方で私を見ていた。
「……誰だ」
「……、メイドだぜ。どうする」
「いや私たちも来るのはじめてだし噂聞いてきたのにしてはラッキーだったんじゃね!?」
…………? 葉束くんや柊さん宛てだったのかな……?
しかし、私は手元のゲーム機を見られた。
「いや、この人が葉束だ。名前とは裏腹に、女だったに違いねえ」
「それはそうかもな。なんか人の気なさすぎだしこの屋敷」
「多分葉束しか居なかったんじゃないのか」
私は、あえて黙っていた。
……戦闘……?
私はここで初めて、戦うというの。
「葉束。俺たち三人がかりと相手をしてくれ!? 無論、邪魔だったなら帰る……」
「俺たち、このゲーム持ってるにして、相手が俺たちしかいなかったんだよ。頼むよ!!」
「けっこー探したんだよ私達。検索してこの屋敷がそうなのかなってのは前から気付いてはいたんだけど」
いや、戦えるなら丁度いいと思っていた。
「いいですよ」
承諾していて。
「マジか!? よし、じゃあ3対1で戦おうな」
「なんか声が凛々しい? しかっこいいね」
「ついに俺のキピテスの力が試せるぜぇ~!」
「あなたたち」
(!?)
柊さんが、屋敷から私たちを見ていた。2階から。
かなりの大声で、私たちに指摘しようとした。
「……ぃゃ、なんでもな\です! 失/しました!!」
………………。
私達は、ひたすら黙っていた。
「……人、居たんだな……一応」
「何言ってるかはあんまわかんなかったけど」
「はやくバトろうぜ!!」
どういうゲームなのかも、分かってはいないけど。
勝っても負けても、楽しんだもの勝ち……かもしれない。
戦生。
「選ばれたフィールドは……狭間海の大燈渓谷か」
「シュークリームちょっと置くわ」
「ま、なんとかなるんじゃない」
…………?
フィールドと、……?
考えてる間に、私たちのゲーム画面、フィールドは影のある林や少し夕焼けの空、全て木でできた家や銀のバケツ、真っ白な雲のあるフィールドへと移り変わった。空が水色だ。
1ターン目
「ダメージはあの岩を落として潰す」
「箱潰すより滝ぶつけたほうがいいだろ」
「強い方がいいからな」
………………
私は、この人たちが何をしているのかが、わからなかった。
パニッスのこともしらない。
なにが、起きようとして。
!?
箱の重ねが炸裂し、パニッスが現れた
「……おい」
「これはあれだ。絶対強い」
ガチャ
「諦めては、なりません」
……………
「無視しろ」
「たとえ葉束の彼氏だとしても、来るんじゃねえ」
「はい? 僕――
「今だ」
【笹梨郷霧】 ――しなやかなささのきり――
鋭い複数の緑がパニッスの箱、空間に命中…………していなかった
……
「どういうことだ秋奈!!」
「……ごめん」
「ちっ、白けさせやがる。やっぱ滝落とすか」
【宙迷懇願】 ――くうをまよわせるねがい――
水しぶきがどんどん勢いを増していく。
熱い。異常気象なのかな
自分の体温が、高い
【透明然地】 ――とうめいねんち―― 【クリアクエイク】
「決まった!」
パニッスは、『クリアウォール継体になった』
「よし」
「これで透明になるぜ」
…………
「ん?」
「なってねえぞ」
「色が効かない!?」
……色
「なんだと……」
「え……」
「じゃあ箱潰すぞ」
【王克架岩】 ――おうこくかがん―― 【ストリークラッシュ】
フィールド上ほとんどに岩の亀裂が一瞬だけできた。
少しパニッスの箱、半分に掠った。
パニッスのパッケージスケイルは、5傷ついた
「今のでやっと傷つけたんじゃ……」
「負け……?」
2ターン目
――――涙涕汽測―――― ――おとうとぎみのなみだ――
パニッスは30色の涙するフェニックスへと化し、勝ちが確定した。
「……強かった」
「眩しい……」
「なにが起きたんだ……」
光に包まれ、勝っていて
―――おかしい。私は、何もしていない。
何もしないのが、圧勝の根源だったんだ……
「これが、葉束のじつ――
ガチャ
「……え?」
「あんたら……誰だ」
「……もしかすると……?」
「この人が……」
「そうです。この人が葉束です」
「え、じゃあ、俺たちは……」
「その人は―――」
「私は、メイドです。……もしよければ、また来てくださいね」
私達は少し奇遇……に笑って、三人はかなり悔しそうに帰っていった。
第一話 メイドの王 終わり




