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疲れている羽

 …………。

 あれから、私は、過去の記憶をよんでいた。

 疲れてたんだ。ひたすらに。

 ……………………。

 かさなってた、いろいろと。

 ……。近くに、溢れ出る透明な毒の噴水と電撃の走る空、かみなりをみていた。私は木の椅子で座って、遠くの意識を確かめていた。…………。

 自分が、何人居ればいいんだろう……。

 人格。

 取り繕い。

 雑用。

 存在感の薄さ。

 ……どこまで、私をむしばむものがあるの……。

 能力に長けてないわけじゃない。分からないわけじゃない。希望が無いわけでもない。

 この――は……。

 過去。だと思う。

 前世、私は悪い事を積みまくっていたんだ。

 どこの世界の……?

 ダメだ、考えれば考えるほど、運命にストーカーされる。

 投げた力が、帰って返ってくる。

 …………。

 いや、違うんだ。

 向き合うことが、意義なんだ。

 逃げちゃ、始まらないんだ。

 そう思うごとに、心が締め付けられる……。

「やゆい! それ、他の人の机だな!」

 ! 今の声は…………。

 ―日華ちゃん……。

 記憶が……思い出したいのに……。

 バリイィィイインン!!

 自分が花瓶を割りたくて、あえて割った。

 カラスが、倒れたカラスをみている。

(混乱は直すべき……)

 とにかく……。

 あの本気を起こすしかない。

 味なことが、私はいつも言えないけど。

 今まで私が張ってきた力は。

 どこまでも―――

 透き通っていて……

 無限で

 限りがなくて

 ちょっと頼りないけど

 頼り―――……





    憩いの棚



 ……?

(ねむってたんだ……私)

「……大丈夫か、佳鳥」

 気付くと、三人、親と葉束くんが、アパートで食事を用意していた。

「埜結! 今日はオムライスよ!! 久々ね。こんなの」

「……葉束くん、料理もできるだなんて、すごいじゃないか。卵焼きのこの綺麗さ……」

「料理は心があらわれるから、きっと埜結のこともわかってるのね!」

「……ま、まあ……」

(……能力に長けたはいいが、ちょっと心の負担がやばいな……)

 疲れ。カップルになった事は、二人にとって強制だった。

 わからなかったことが、なによりの不安。

 異次元ですらとも、思えていた。

「……あの」

「今日は鶏肉も入れたし、大盤振る舞いよ! さ」

「ほら、埜結も目が覚めたんなら、早速フォークを……」

 あたたかさ、だったんだ。日常が。

 変な夢? をみて。

 確かに、私は異質だと思う。

 けど、接してくれる、人という力が。

 身近に……。

 気付くと私は、涙があふれて仕方がなかった。私は変なときに、涙をする人だったから。

「泣かないの! 絶対、パケフル大会優勝しましょ! その……ゲーム……は、私たちは見守るしかないけど」

「まぁまぁ、母さん、二人に威圧的になっちゃだめだろう……冷める前に、食してしまおうじゃないか。はい、葉束くん」

 オムライスが、受け渡されている。

 合掌している。

 私を待っている。

 意識がまだはっきりわずかにしてない。

「おいしいな」

 私より先に、食し……て。

(そろそろ、起き上がろう)

 オムライス。おいしそう。

 葉束くんも、喜んでいる……? には見えないけど。

 なんだか……。

 ここから、立て直すんだ。

 パケフル大会が、あったなんて知らなかった。なぜ、葉束くんは言ってくれなかったんだろう。

 危険だから……?

 勝てないから……?

 あえて……?

 とにかく、オムライスをがっつく。

「ごほっ!?」

 おいしすぎて、むせた。

 葉束くんは、きょとんとしている。

「……いいんですか。お金、払いますよ……一応、お金稼いでますから―――」

「そんなこと言わない!! せっかくの我が家の至高の時間なんだから! 食事は」

「そ。何事も妥協だよ。入る時も、納得するときも、行動するときも。あんまりこういうこと言えてこれなかったけど」

 力を。

 私たちを。

 作ってくれた。

 この現実で。

 一瞬が、大事だったんだ。

 常にこの世界は、私達を試して、奇跡―――

「埜結もぼーっとしてない! こんなに幸せなのは、ほんとに久々!」

 そう。幸せだった。

 だったじゃない、幸せなんだ。

 世の中の六人に一人は、戦争で滅茶苦茶になる世界だから。

 精進的と言われても仕方ない考えなのは、知ってる。

 だからこそ、あのとき葉束くんは、頭痛がしたのかもしれない。

 私がいきなり睡魔に襲われたのも、そういうとこなのかもしれない。


 立て直すんだ。絶対に。

 私は。もっと……。

 人達に、その精進のすばらしさを、知ってほしかったから。

 どれだけ、理不尽だとしても。

 貧乏だと、笑われそしられても、負けても……。



 第二章 運命の地で  終

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