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 コツン。

 コンコン。


 誰だ、俺を小突くのは。もうちょっと寝かせてくれ。

 ゆっくりと意識が覚醒していく。


『んん……ここは……?』


 エビがいる。

 そこそこでかいエビが俺をつまんでいる。食べたら美味そうな、ロブスター氏だ。


 どうやら、意識を失っている間に俺は海の底に来てしまったらしい。

 このエビ、あまり強そうには見えないが油断は禁物だ。一応、【看破】でステータスを確認する。


種族:レッドロブスター

名前:ロビン

年齢:99

レベル:92

HP:9000/9000 MP:2000/2000


筋力:680

耐久:900

敏捷:548

魔力:128

魔防:211


《スキル》

暗視【G】 硬化【G】 ハンマーヒット【F】


《称号》

なし


 思ったより強かった。

 リヴァイアサンには遠く及ばないものの、レベルで言えば三桁に迫っているし耐久と筋力もかなり高い。


 まぁしかしながらリヴァイアサンに勝った俺の敵ではない。


『【サイレントバイト】』


 手になじんできたスキルを使う。

 さすがに【フラッドストライク】を使っては威力が過剰だろう。

 と、考えていたのだが、


 俺の予想に反して、パァンッ、と小気味いい音を立ててエビ肉が散らばり、地面がゴリゴリと削れていった。


《レッドロブスターに勝利しました》


 破裂したエビは塵も残さず、残ったのは地面が抉れてできた果てが見えないほどの道。


『……あれ?』


 使うスキルを間違えたか? 威力がおかしい。

 う~ん。確かに【サイレントバイト】と言った気がするんだが。


《ラージレイズに勝利しました》


『は?』


 いきなり文字が現れる。

 魔物を倒した時に出てくるいつものやつだ。

 しかし俺はそのラージレイズ? とかいう奴は知らないしまして倒してないんだが……。


《シーカランスに勝利しました》


 まただ。

 あ、っていうか、シーラカンスってここにもいるんだな。と思ったら違った。微妙に違う名前だった。


 それよりもだ。

 どうして次々に《勝利しました》ってのが出るのか。


『まさか……』


 俺は【サイレントバイト】でできた道を見つめる。

 ……もしや、この【サイレントバイト】の威力と射程が伸びすぎて、軌道上の魔物が倒されているのではないだろうか。


 おそるおそる自分のステータスを確認することにした。



種族:不思議な石

名前:山田

年齢:17

レベル:1215

HP:5000000/5000000 MP:5000000/5000000


筋力:0

耐久:10000000

敏捷:0

魔力:10000000

魔防:10000000


神様指数:0


《スキル》

神通力【B】 看破【C】 天変地異【ER】

暗視【G】 サイレントバイト【F】

フラッドストライク【D】 魔力効率【E】 


《称号》

海の支配者



 うわっ。

 えげつないくらい強くなっている。 ゼロが多すぎてすぐに桁数が出てこなかった……。


 ええと、HPとMPが500万で、耐久・魔力・魔防が1000万か。

 リヴァイアサンを倒したおかげか、称号を得ている。


【海の支配者】:海において頂点に君臨するものに与えられる称号。水中にいる限りステータスが20%上昇する。


 おお、素晴らしい効果だ。

 しかし『支配者』ねぇ。いい響きだね。

 もう怖いものなんてないんじゃなかろうか。


 いかんいかん。慢心しては足元をすくわれてしまう。慎重さを忘れずに行こう。


『さて、そろそろ地上に出たいところだけど……どうしたもんか』


 相変わらず俺は歩くことも泳ぐこともできない。

 移動したい。何か方法はないものだろうか。


 そうだ、地面に向かって【フラッドストライク】を撃てば反動で動けるんじゃないか?

 

『おりゃっ!』


――ドゴォッ!


 早速試す。

 地面に直径20メートルほどの大穴ができた。

 が、俺の身体は一ミリも動かなかった。


『そんな……』


 スキルには作用反作用という物理法則は適用されないらしい。

 そのあと、ほかのスキルでも試してみたが同様だった。スキルの反動で動く作戦は失敗に終わった。


『なかなかうまくいかないもんだ……ん?』


 俺があけてしまった大穴を除くと、奥の方に真っ赤なドロドロが見える。マグマだ。

 なんだか、ごぽごぽと蠢いている。


 なんか……きれいだな。

 以前、テレビで夜のキラウエア火山の光景を見たことがある。赤々とした溶岩の輝きが、その周りの電気もない真っ暗な世界と対照的でめちゃくちゃきれいだった。


 穴の奥のマグマを見ているとそれを思いだす。


 などとしんみりしていた時だった。

 穴からいきなりブワッと煙みたいなものが吹き出した。


『うわっ!』


 煙、いや、海底のガスか?

 わからないが、ともかくそれは俺に直撃した。


 グングンと押され、俺は為すすべなく海の中を上昇していく。


『ひええ~』


 そしてついには海面から放り出された。

 いきなり太陽の下に投げ出され、めちゃくちゃ眩しい。


 海の上空、数十メートルまで飛ばされる。


 下を見ると水柱が立っている。なかなか激しいガスの放出だったようだ。

 なんにせよ、動けたのは嬉しい。


『久々の空気だ! 新鮮で気持ちいい――んむ?』

「クエエッ」


 視界が真っ暗になった。

 これはいったい……?


 周囲を【看破】してみる。



種族:フールアルバトロス

名前:ケビン

年齢:6

レベル:12

HP:300/300 MP:10/10


筋力:57

耐久:36

敏捷:98

魔力:21

魔防:9


《スキル》

飛行【G】 ピックショット【G】


《称号》

なし



 どこを向いてもこの魔物の情報が見える。

 案の定、俺は食われたようだ。

 もう慣れたもんだ。俺はジェイコブに始まり、リヴァイアサンに食われたんだからな。


 そこいらの海鳥に食われた程度じゃ驚きもしない。

 むしろ都合のいい乗り物を手に入れられたという喜びが勝る。


『ふんふん、ふふ~ん♪』


 俺はこの鳥の腹の中でハミングをしながらしばらく過ごすことを決めた。







 * * *







 それから何日か経った頃、俺と鳥の旅は唐突に終わりを告げる。


「クエッ!?」

『どうした!』


 鳥がぐらぐら揺れ、ドシンと衝撃が来た。

 墜落してしまったらしい。


 俺は墜落の衝撃で鳥の口からコロコロと外に出てしまった。


『何が起きたんだ?』


 鳥を見る。

 と、鳥から矢が生えているではないか。この鳥、誰かに狩られたか。


「グギャ、グギャギャ?」

「ギャギ、ギグギャ!」


 鳥と反対の方向に目線をやると、小さな緑色の魔物が二匹。

 二匹とも弓矢を持っている。

 知っている。こういう魔物を俺は知っているぞ。



種族:ゴブリン

名前:ゴー・ブーリン

年齢:5

レベル:4

HP:100/100 MP:100/100


筋力:38

耐久:40

敏捷:40

魔力:36

魔防:24


《スキル》

弓術【G】 槍術【G】


《称号》

なし


――――――


種族:ゴブリン

名前:ゴブルィン

年齢:6

レベル:4

HP:100/100 MP:100/100


筋力:26

耐久:31

敏捷:30

魔力:42

魔防:39


《スキル》

弓術【G】 剣術【G】


《称号》

なし



 やはり、ゴブリンじゃないか!

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