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ルミナスと夢

ルミナス視点です。

 ヘカテイアとチームを組んで、ガーゴイルを倒して。

 今日は刺激的な一日だった。


 どうもヘカテイアは謎の宗教を信仰しているようだけど、実力は確かだ。

 そしてやはり他の生徒にはない何かを感じる。


 異質――というのが正しい気がする。

 彼女が平民でなくてもきっと周りから浮いた存在になっていただろうと思う。


 そんなヘカテイアとのチームに柄にもなく少しワクワクしている。

 彼女にならいつか……ボクがサキュバスだと明かしてもいいと思える日が来るんじゃないだろうか。


 そんな淡い期待をしながらベッドに入った。








 * * *








「ここは……?」


 赤い土が広がる荒野でボクは目を覚ました。

 いや、違う。これはまだ夢の中だ。


 サキュバスの特性でわかる。ボクは今、ボクの夢の中にいるのだ。


 サキュバスは夢魔だ。夢の中では自由に行動できる。いわばホームグラウンドだ。

 だというのに、


「この鎖はなんだ……?」


 ボクの足には鎖がつながれている。

 鎖の先には地面に固く打ち込まれた杭があった。


 こんな夢は初めてだ。


「えいっ……!」


 杭を引っ張るがびくともしない。だがそんなことはあり得ないのだ。ボクの夢の中でボクの思い通りにならないなんておかしい。


「どうなってるんだろう……」


 わけがわからない。けれど、このままというのは居心地が悪すぎる。

 さらに強く鎖をひいてみることにした。


「ふっ!……え?」


 引っ張った鎖は蛇のようにうねり、足に巻き付いてきた。


「うぐぅっ……!? ()ッ……!!」


 きつい……!

 本当に蛇に絞められているみたいだ……。


 足から引きはがそうとするが、さらに締め付けが強くなる。


「くぅっ……」


 痛みに耐え切れず、地面に倒れこんだ。


「な、なんなんだよ……!」


 止まない苦痛に顔が歪む。


『――……で……――から……――』


 …………!?

 何か声が聞こえた気がした。神秘的で、美しい声。


「誰かいるのかいっ!? いるなら返事をしてくれよっ!」

『――……だから――……』


 全然聞き取れない。

 だけど確かに誰かがこの夢の中にいる。どうやってこの夢の中に入ったのか、なんてことはボクには気にする余裕はなかった。


「誰なんだっ!?」

『――私が、助けてあげる』


 そこでボクの視界は真っ暗になる。







 * * *







「はあっ……はあっ……!」


 気づけば寮の自分の部屋の、ベッドにいた。

 見慣れた風景に安堵する。時計の針は午前3時を指している。


「い、今の夢は何だったんだろう……?」


 汗が頬を伝う。パジャマの下もびっしょりと汗をかいていた。

 本当に嫌な夢だった。


 とにかくシャワーを浴びよう。スッキリしなくちゃ。







………………

…………

……







『絶景なり、絶景なり』


 時計の針は午前3時を指していた。

 アテナのベッドの中、見たことのない風景に俺は興奮していた。


「すぅ、すぅ」


 穏やかな寝息を立てる相棒。

 アテナは性格と知能はともかく、体つきは最高だ。


 ちょうど今、寝返りをうって横を向いているのだが、その体勢のおかげでばっちりと俺の視界にアレが飛び込んできたのだ。


 とても14歳とは思えないほど立派に実った果実がパジャマの中で少しひしゃげている。


『何時間でも何年でも……何世紀でも眺めていられるな、これは』


 なぜ俺がベッドの中にいるかを言わねばなるまい。

 

 この状況を作り出してくれたのはガーゴイル氏の協力が大きい。


 氏を倒したときの状況説明がなかなか大変で、先生からしつこく根掘り葉掘り聞かれたのだ。本当にしつこかった。それだけガーゴイルという魔物が異常だってことだろうけど。


 ともかくだ。

 その聴取でアテナさんはひどく疲弊なされた。

 

 そんなお疲れのアテナはお風呂を済ませると、すぐにベッドに倒れこんでスヤスヤと……。

 俺を机に置くのも忘れて眠ってしまったのだ。


 私はガーゴイル氏に最大の賛辞を送りたい。

 氏の名誉ある死は永劫語り継がれるであろう。


「すぅ、すぅ。……んっ……すぅ、すぅ」


 アテナの吐息がかかる。

 最高だ。

 十代のかわいい女の子の吐息。プライスレス。


 ちなみにであるが俺は睡眠を必要としない。

 眠らなくていい、というよりも眠れないといった方が正しい。


 便利さよりも退屈さが勝っていたから個人的に嫌だったのだが、今日で価値観が180°変わった。

 最高だ。眠気を気にせずこの状況を堪能できる。


『いい気分だ。……とても、とてもいい気分だ。久々に俳句でも作ろうか』


 最高のシチュエーション。

 ……だったのだが。


 そんな時に限って不快なことが起こる。


『むむ……なんだこのムカつく感じ。また近くに(いら)つく奴がいる感覚だ』


 なんだろうな、縄張りを荒らされているような気持ちだ。

 だがこれは……近くだが遠いような。


 この学生寮の別の部屋のような気もするし、もっと遠いどこかのような気もする。


『ちょっと調べて、嫌な奴だったらしばき回すことにしよう』


 俺はひそかに決意する。

 よっぽど強い相手だったら困るけどな。


 そういえば、俺ってこの世界ではどれくらいの強さになったんだろうか。

 100位以内くらいには入っているといいな。


 なんて、ステータスを見ながら考えていた。




種族:不思議な石

名前:山田

年齢:989

レベル:3011

HP:15000000/15000000 MP:15000000/15000000


筋力:0

耐久:30000000

敏捷:0

魔力:30000000

魔防:30000000


神様指数:2


《スキル》

神通力【B】 看破【C】 天変地異【ER】

暗視【G】 サイレントバイト【F】

フラッドストライク【D】 魔力効率【E】

アステリック・ブレード【E】 インテンション【E】

威圧【G】 シームレスチェイン【F】

ブラスト【E】 ペネトレイト【E】


 


《称号》

海の支配者

山の支配者



 ……見辛(みづら)っ!

誤字報告ありがとうございます!



誤字脱字って、一つあるだけで一気に冷めますもんね……。

自分でも読み返してはいるんですがなかなかゼロにはできず。


転生するなら女神様から誤字脱字をなくすチートを授かりたいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 山田様のステータスのMPの分母の桁が間違っていました。 桁を間違えるようであれば、桁区切りをしてみるといいかもしれません。
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