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チートな俺と契約精霊  作者: 話せば分かる
第1章:日本精霊学園
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第4話 『戦う美女は甘くない』

リアナとレミーアと格闘した次の日、代表生徒に選ばれた竜牙。

桜花と同じクラスと知って、少し安心する。

竜牙の学園生活はこれからどうなるのか!?

チートな主人公が紡ぐ、ハーレム学園ファンタジー!!

「一、二校時は実戦だ。実戦と言っても、霧裂きりさき以外はまだ魔法は使えないだろう。なので、霧裂と私が戦うので、他の三人は見学していろ」


 俺も使えるけど、まだまだ全然何だが……。

 まぁ、リアナとレミーアに任せれば何とかなるだろ。


 俺達は先生の行く後についていく。

 しかし、ついていくって言っても、目的地は隣の教室だった。

 入ると、特に何も無い部屋に、酸素カプセルみたいなものだけが何個もあった。


「このカプセルに適当に入ってくれ。特に何かあるわけではないから、安心しろ」


 とりあえず入ってみる。中に入っても何も起こらないな。

 見ると、他の人もカプセルに入っていた。


「では、始めるぞ」


 先生がそう言うと、突然周りからコードが出てくる。

 リアナとレミーアを見ても、そうなっていた。

 コードが身体につく。瞬間、俺の意識は無くなった……。



     *



(ここは、どこだ?)


 見覚えがあるような、無いような、どこかの校庭だった。ってここは学園の校庭じゃねぇか。

 周りを見ると、桜花達がいる。


「よし、全員いるな。まずはここの説明からしよう。ここは仮想空間。ここで斬られたりしても、本体には影響は無いから心配しなくて良い。ただし、ここで肉体的に成長しても、意味は無いからな」


 先生は、漫画やアニメでよく見る杖を持っていた。

 なるほど。ここでのことは現実には影響しない、ということか。


「では、さっそく実戦に入ろうと思う。霧裂竜牙(りゅうが)、準備をしろ」

「はい」


 準備って何を? リアナとレミーアが剣になるだけじゃないのか?


竜牙りゅうが。私達を剣にしたいなら、私達に剣になるように命令して』

『でも、私達はカッコイイ言葉じゃないと、剣になりませんよ?』


 と二人が言ってくる。なんだそりゃ。


(カッコイイ言葉ねー。ま、それっぽく言ってみますか)


 俺は少しの間言葉を考え、二人に命令した。


「我、光と闇の精霊の契約者也。なんじらのその光と闇の力を我に与え、我を勝利へと導け!」


 と言うと、二人も返してきた。


『私達はマスターの剣。マスターの御心のままに』


 二人は輝く。そして、俺の周りには光と闇のオーラが漂い、俺の両手には白と黒の剣があった。前にもあったな。よし。完璧だ。


「準備できました」

「よし、では合図は私がやろう。スリー、ツー、ワン----」


 俺は二振りの剣を斜め下に向ける。

 先生は杖を持っているからおそらく、接近戦は苦手だろう。合図と同時に先生の懐にもぐり、一撃入れてやる。


「スタート!」


 先生の合図を聞いた途端、俺は前に駆けていた。五十メートルくらいあった差がすぐ無くなる。

 俺は右手のレミーアを横から振り、左手のリアナを縦に振る。


(もらった----)


 と思ったつかの間、先生は周り全体を、半透明な何かで包んでいた。

 俺はそのシールド的なものごと斬ろうとする。しかし、あっさり弾かれた。思ったより堅いな。

 俺は一度後ろに下がり、体勢を立て直そうとしたが、先生の方が速かった。


「ファイヤーボール」


 先生は頭上に火の球を出すと、俺に向けて撃ってくる。

 俺は避けるのは無理だと察して、リアナとレミーアを交差して防御の姿勢に入る。

 ファイヤーボールが剣に当たり、弾けた。やっぱり、リアナとレミーアの耐久力は凄いな。受け止めた俺の手は痺れてるぜ。


「アイスショット」


 俺がそう考えていると、尖った氷が俺に向かってきた。

 俺はそれを紙一重で避けると、再度先生に接近する。


(ようするに、ドッジボールってことだ。相手の攻撃を避けて、隙を見て反撃する)


「ウィング」


 先生がそう言うと、急に突風が俺を襲う。前に進めないッ。面倒だな!


「エアーカッター」


(クソッ! 今度は何だ!?)


 しかし、何かが現れたようには見えなかった。そろそろ突風も無くなってきたし、反撃の時かな。

 と、考えていたが、凄まじいスピードで腹に何かが当たった。俺は十メートルくらい後ろに飛ぶ。


「ガハッ。今のはなんだ?」


 口から血が出た。腹を触ってみたが、傷は無い。あんなに痛かったのに、何もないのか。


「ほう。今ので無傷だとはな。その光と闇の魔力が守ったのか」


 先生。無傷じゃないですよ。血を吐いたの見えなかった? ったくキツ過ぎるぜ。痛覚は普通に感じるのかよ。


『竜牙。このままじゃジリ貧よ。魔力を私に注いで、私を振ってみて』


 レミーアが助言してきたが、急にそんなこと言われても、闇の魔力を注ぐってどういうことだよ。

 俺はとりあえずレミーアに力を入れてみる。すると、レミーア黒くが光った。成功かな?


(お返しだ!)


 レミーアに言われた通り、振ってみる。振った瞬間、人間二人分くらいの黒い斬撃が出て、先生に向かっていった。デカすぎる。

 先生は手を振りかざし、六角形を作った。その六角形と黒い斬撃が当たる。

 どうなるかと思ったが、先生が遥か後方に吹き飛んでいった。レミーア、強すぎだろ。


「ふー。やっと終わったか」

『いけません竜牙さん! 鷹山先生はまだ----』


 リアナの声が聞き終わる前に、先生が飛んだ方向から、雷が来た。

 雷は俺の腹を貫通し、後ろまでいく。

 俺は恐る恐る腹を見ると、穴が空いていた。血が出ている。


(雷って人に当たるとこうなるんだっけか?)


 急に意識が遠くなり、視界が真っ黒になった……。



     *



「ん、ここは?」


 目覚めると、そこはさっきの教室だった。

 俺は皆より遅く目が覚めたようで、皆俺を見ていた。


「起きたか。あっちの世界で倒れると、こっちの世界で目が覚めるのには時間がかかるからな」


 なるほど。

 んー、さっき戦いはもう少しで勝てたんだけどなぁ。

 先生が最後以外に使った魔法は弱かったしな。手加減してたのかな?


「よし。それではさっきの戦いに沿って解説と、精霊や魔法の歴史等を話す」


 先生はそう言って教室を出ていった。俺達も慌てて外に出ていく。


 教室に戻ると、さっそく先生は話し始めた。まてまて、休みは無いのか。

 この教室は黒板ではなく、モニターだ。何でこんなに近代的なんだよ。


「私が最初に使った魔法は、中級の防御魔法だ。普通、魔法を使う時にはその魔法の名前を言わないといけないが、防御魔法は言わなくても良い」


 先生がさっきの戦闘の画像をモニターに出す。画像は先生が防御魔法を発動した時だ。映像撮ってたのかよ。

 どうでも良いけど、俺達の机は普通の机ではなく、ノートパソコンが付いている超近代的な机だ。これを使ってゲームとかしたら怒られるかな? 怒られるよな。


「初級の防御魔法は、これよりもっと面積が小さい。四分の一くらいだな」


 先生が使った防御魔法は、身体全体を覆っていた。四分の一でもそこそこ大きいな。


「次に、私が使った初級の攻撃魔法について説明しよう。霧裂、君はファイヤーボール等を撃たれてどう思った?」

「そうですね。最後にくらったのはそこそこでしたが、正直、他のは全然効きませんでした」

「まぁ、君の契約精霊が強いというのもあるが、初級魔法はやはり初級ということだ。鷲宮わしみや、四種類の魔法を操るのは武器になるが、初級魔法では意味が無い。覚えておけ」

「は、はい」


 桜花おうかは四種類も使えるんだっけか。俺の二種類は普通なのかな?

 じゃぁ、俺が最後にくらった魔法は何だったんだ?


「先生、俺がくらった魔法も初級魔法だったんですか?」

「そうだ。しかし、魔力を多めに使って発動したから、威力は中級魔法以上だっただろう」

「その魔法が見えなかったのもそれが理由ですか?」

「いや、それは風系の魔法だったからだ。風は人間だと見えないだろう? それと一緒で風系の魔法も見えないんだ」


 ふーん。見えなかったのは、あの魔法が風だったからか。


「次は、霧裂が使った技の推測と、契約精霊について話そう。霧裂、君はどうやってあの技を使ったのだ?」

「俺はレミーアに言われた通り、魔力をレミーアに注いで振っただけで、良く分からないんです」

『そうね。強いて言うなら、私が竜牙の魔力を使って撃ったってカンジね』


 へー。ようするに、俺が技を使ったってわけじゃなくて、レミーアが使ったのか。


「さすが高位の精霊だな」

「先生、前にもおっしゃっていましたが、レミーアとリアナが高位の精霊というのはどういうことですか?」

「その精霊の魔力の量が多かったからだ。訓練すれば、私のように他人の魔力を量ることができるようになる」


 俺は運が良かったのだろう。二人の高位の精霊と契約しているのだから。契約していると言っても、いつ契約した分からないし、契約していると実感しないがな。


「本来、契約精霊は一人につき一体と言われている。しかし、霧裂はなぜか二体の精霊と契約している」

「先生、できればリアナとレミーアのことは人間と同じように言ってください。体じゃなくて、人で」


 俺は堪えられなくて、つい言ってしまった。リアナとレミーアは人間と同じような身体をしているし、普通に喋れている。体って言うより、人っての方がいい気がしたんだ。


『竜牙さん……』

『竜牙……』


 二人が驚いた顔をして俺を見てくる。二人共何も言わないから、そっちの方が良いらしい。


「そうだな。失礼した」

「いえ、こちらこそすみませんでした」


 ふう。良かったー。鷹山先生って良い先生だよなー。


「話を続けよう。しかも、その二人の精霊は光と闇の精霊。前にも言ったが、光と闇を同じ人間が使うのは不可能なのだ。霧裂、君は非常に面白いな」

「は、はあ。どうも」


 先生が精霊や魔法の発動の仕方について話していると、突然チャイムが鳴った。もう十二時半か。そろそろ腹が減ってきたな。


「よし。授業を終わりにする。午後はグランドで魔法の練習をするから、体育着に着替えて第一グランドに集合だ」


 先生はそう言いながら体育着と学園の地図を渡してくる。


「では、解散!」


 と言うと、先生は教室の外に出て行った。


(よし、そろそろ食堂に行くか!)


 と俺が考えた時だった----


最近起きるのが午後になっている伊原志永淳です。

四話、若干バトル入りましたねー。

今回、というか一話以降、桜花の出番がほとんど無いです。

まだまだ竜牙はリアナとレミーアの力を使いこなせてないようですね。

次回は桜花達、クラスメイトに出番が!?

では、また会う日まで。ごきげんよう。


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