プロローグ
目覚めたら、そこは暗闇の中だった。
今日は卒業式があるので、昨日は早めに寝たのだ。
まだ夢の中なのか、こんなリアルな夢もあるもんだな。まるで意識があるみたいだ。
俺は寝る姿勢のまま周囲を見渡した。だが、周りは依然として暗闇だった。
(ここは本当に夢なのか? ここはどこなんだ?)
体に力を入れても、少しも動かすことが出来ない。
体が何かに触れている感触がしないな。今の俺は浮いているらしい。
そう考えていると、どこからか二人の女の人の声が聞こえた。
『待っていてね、霧裂竜牙クン。もうすぐ私達に会えるわ』
『後少し。本当に後少しです』
声は二つ聞こえた。二つとも女の人の声で、おそらくどちらも十代だろう。
「なんで俺の名前を知っているんだ? そもそもここはどこなんだ?」
俺は警戒しながら話しかけた。まだ声の主は姿を現さない。
俺がそう言うと、二人の謎の女性は、クスリと笑った。
『安心して。ここにいても、あなたに悪影響は及ばないわ』
『私達は、もうすぐ貴方の前にも姿を現すと思います。しかし、貴方が私達の覚醒を望まないのならば、おそらく、私達は覚醒しないでしょう』
何を言っているのかが、サッパリ分からない。この人達は何を言っているんだ?
「教えてくれ! お前らは俺のなんだ!?」
俺は、彼女達の思わせ振りな態度に苛立って、思わず大きな声で叫んでしまった。
『あえて言うなら、私達はあなたの相棒、といったところですね』
相棒か……。どういうことなんだ?
『ん……。もっと竜牙と話していなかったけど、もう限界みたいだわ。まだ覚醒してないからかしら……』
『竜牙さん、どうか息災で……』
二人の声がだんだんと遠ざかっていく。まだ聞きたいことが山ほどあるんだ。
「待ってくれ! まだ君達に聞きたいことが……」
俺はそう言ったが、彼女達の返事は返ってこなかった。
(クソッッ 一体何がどうなっているんだ?)
しばらく考えたが、全く分からない。
俺は目をつむりながら考えていると、俺の意識はいつの間にか、闇の中に吸い込まれていった----
新しく書いてみました。
これからは、こっちの方をメインに書いていこうと思います。
今回はものすごく短いですね(笑)
是非、感想や評価等よろしくお願いします。