7 これからも一緒に
お兄様が部屋から出てから五分後ぐらいに、少しぐったりしているヴィル様がお兄様に引きづられているようなかたちで、一緒に部屋にやってきました。
「…失礼します。カリーナ様。今回は申し訳ありませんでした」
「謝らないで下さい、ヴィル様。今回のことは全部私がいけなかったのです。本当に気にしないで下さい」
「でも…私が手を離さなければ…」
「ヴィルテイト君本当に気にしなくていいよ」
「いえ、今回はカリーナ様も無事でしたが、もし打ち所が悪かったら死んでしまっていたかも知れません!!もし、そうなっていたら悔やんでも悔やみきれなかったと思います!」
「う〜ん...分かりました!!それでは、今回のことを気にされるのでしたら、これから毎日私と一緒に居ることで許します。毎日一緒といっても今まで通りではダメですからね?」
私が気にしなくていいと言っても引き下がらないヴィル様にどうしようと考え、出た答えがこれでした。今までも、ほぼ毎日一緒にいる時間はありましたが、朝食と夕飯の時、後は私が昼の少しの時間にヴィル様に突撃しに行ったときしか一緒にいれませんでした。もっとヴィル様といる時間を増やしたくてこんな提案にしました。
「えっ…でも…」
「ヴィル、こんな可愛い妹のいうことを守れないのかな?どうなんだい?」
「そうだぞヴィルテイト君、不本意だがリーナが望んでいるのだから、リーナと一緒にいることを許してあげよう。」
戸惑っているヴィル様に嫌なのかと思い、泣き出しそうになっていた私の前で、お兄様とお父様はヴィル様に私と一緒にいてをれるように促してくれました。
「…分かりました。これからもよろしくお願いします。カリーナ様」
「はい‼ありがとうございます。ヴィル様‼大好きです‼」
苦笑いになりながらも一緒にいてくれると言ってくれたことに嬉しくて、勢いのまま大好きとヴィル様に言いました。そんな私の言葉に三人とも驚きの表情を浮かべた後、ヴィル様はお兄様とお父様を見て顔を青くしていました。お兄様はヴィル様に詰め寄り、お父様はショックを受けて固まっていました。
そんな中どうしてこうなってしまったか分からず首をかしげている私に使用人の皆様は寝るように促してきたので、また寝ることにしました。