49 久しぶりの
あの日からヴィル様の様子が変わるようなことはありませんでした。
私が倒れてからの毎日のようにヴィル様とマリーレーヌさんと一緒にいるのを見る日々を送っています。
私が倒れてからもう一ヶ月も経ちますが、その間ずっとヴィル様達を見ていることしか出来ないのが悲しいです。
そんな気持ちを引きずってもと気分転換に休みの日にお父様たちに会いに家に帰りました。
「お父様、お兄様、帰りました~」
「リーナ!お帰り!!」
「お帰り。疲れてないか?食事の用意はできてるぞ」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます」
「リーナ、早くこっちにおいで!」
私が事前に帰ることを告げていたこともあり、お父様もお兄様め仕事を早めに終わらせて、家で私の事を待ってて下さいました。
私は学院で授業が終わり次第、学院から帰宅しので家に着いたときはちょうど夕飯時でした。
それでもお腹が空いているだろうなか、私の事を待っていて下さってとても嬉しく、久しぶりに心が落ち着いた気がします。
「お父様もお兄様もお元気そうで、良かったです」
「ありがとう、リーナもやっと笑ってくれて嬉しいよ」
「あ、すみません.....。ちゃんと笑っているつもりなんですが、やはり駄目ですね、私はお父様たちのように心が強くないみたいで...」
「何を言っているんだ!リーナが強くない訳がないだろう。今でも自分の気持ちと戦おうとしているから、こうして家に帰って来ているんじゃないのか?...俺はリーナが強いと知っているよ」
「そうだよリーナ。私もアレクも何時でもリーナの事を見てきて、リーナが頑張っていることを知っているよ。リーナは私たちの誇りだよ」
「....っ、うっ.....、お、お父様も、お兄様、も、ありがとう...ござい..ます」
私が席に着いてから話していると、私がお父様たちに心配をかけていたと今更ながら気づきました。お父様もお兄様も私の事を励まして下さって、その言葉が今の私にはとても響きました。
それから、お兄様がいち早く私の側に来てくれて、私が泣き止むまで私の事を抱き締めて下さいました。
お父様はお兄様の後ろで、「私と交換しろ!」とお兄様に言っていましたが、お兄様はそれを取り次がず、お父様も諦めていました。
ただお父様は私の頭を私が泣き止むまでずっと撫でて下さいました。
「.....お兄様、ありがとうございました。...もう大丈夫です...。」
「そうかい?残念だな、久しぶりにリーナを抱き締められて嬉しかったから、もっと抱き締めていたいくらいだよ?」
「ずるいぞアレク!!」
「...ふっ、早い者勝ちですよ父上」
「ふふ、私もお兄様に抱き締めてもらい嬉しかったですよ。お父様にも頭を撫でてもらえたので、私はとても満足です‼」
「そうかい?それならいいかな?じゃあ食事にしようか?」
「はい‼」
そうして、お父様の一声で食事になりました。
私が泣き止むまで、侍従の方々も準備を控えていてもらっていたにで、なんだか申し訳なかったですが、侍従の皆さまが「気にしないでください」と笑いながら言ってくれたので、やはり家はいいなと思いながら食事を取れました。




