表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/78

婚約式





婚約式当日、リーナの周りは朝からバタバタとしていて、大変そうだった。


その点私は自分で用意し、リーナよりも簡単に早く準備が終わってしまった。


「ヴィルテイト君、まだまだ婚姻ではないのだから、手を出したら分かってるよね?」


そんな私の部屋にセイン様とアレクがやって来て、笑いながら(目は笑っていない...)そう告げてきた。


「は、はい。分かっています...」


「そ、それならいいんだけど。あーあ、リーナも婚約か~。リーナを泣かせたら許さないよ」


「あ、ああ、分かってるよ」


リーナの所に行って、「邪魔だ」と言われたからといって、私に当たらないで欲しい。それからはセイン様とアレクは二人であーでもないこーでもないと話していた。


コンコンコン


「失礼いたします。カリーナ様の準備が整いました」


「おお!!分かった、今行く!」


「リーナ、綺麗なんだろうな~あ!ヴィル、君は先に教会の入り口に行ってて」


「え!何で!!私も見たい!」


「だめだ。もし来たら、婚約を無かったことにするよ?」


「ぐっ...分かった」


男性の中で、一番にリーナを誉めたかったがセイン様とアレクの目が本気だった。


リーナを待っている間は緊張した。そもそも、結婚式には夫となるものが、花嫁のドレス姿を見てはいけないと決まりはあるが、婚約式にはそんな決まりはない。


リーナの姿を見たい。


そんな事を考えていると、リーナがセイン様とアレクと一緒にやって来た。息が止まるかと思った。


今まで、リーナは正装らしい正装をしたことが無かったが、それでもとても綺麗だった。それが私の決めた白のドレスを纏って、さらに綺麗で女神かと思うくらいだった。


「ヴィル様~」


「...リーナ、綺麗だよ」


「‼ありがとうございます❗」


リーナは私の顔を見て、小走りで私の方へやって来た。私を見つけて走り出してくれるところも可愛いと思いながら、「綺麗だ」と告げると、顔を赤くして、それでも嬉しそうに返事をした。


私たちが話している間にセイン様とアレクは教会の中へ入っていった。そうすると今まで騒がしかった教会の中は静かになった。


そうして、声をかけられ、二人で入場し無事婚約式を終わらせた。




婚約式が終わって直ぐに、隣の会場に向かいセイン様達と一緒に居る王様と王妃様に挨拶をした。


そのあと、生徒会メンバーに挨拶に行ったが、イーリスがリーナの事を口説くように挨拶していたことで、ひと悶着起きたがリーナが友達のところへ行くと言うことで、終わった。


そうして、友達への挨拶も終わり、リーナも私も一回着替えに控え室へ戻った。


私は着替え終わって、少し時間を潰してから、リーナの元に向かい、パーティーの会場に戻った。


お昼は先ほど挨拶できなかった方への挨拶回りをした。


夜には会場を変え、私たちも着替え社交パーティーを始めた。


私が決めたドレスや、アレクが決めたドレスとは違い、セイン様が決めたドレスは大人っぽいドレスだった。


会場に入って直ぐにリーナに視線が注がれて、イラッとしたがまぁこんだけ綺麗だからしょうがない。


私のものだと証明するために、リーナと踊るために手を差し出した。


「リーナ、お手をどうぞ?」


「はい」


リーナが手をとったのを見て、会場のまん中に向かった。


音楽が流れだし、ゆっくりと動き出した。


途中からダンスに参加している人がいるのに注目は私とリーナから離れない。


リーナはいつも練習しているときとは違い、顔が強ばっている。


「緊張しますか?」


「...はい」


「大丈夫ですよ。リーナはダンスがとても上手ですから。私がついていくのが大変です」


「そんなことないです!ヴィル様が上手だから、私も踊れるのです!」


「ありがとうございます」


「はい」


会話したことで、リーナの緊張が無くなったようでそのあとは私の方を見て、ニコニコしていた。


そんなリーナの可愛い顔を見せたくなくてで少し私の方へ抱き込んだけど、リーナは不思議に思うこともなく、そのまま踊っていた。


ダンスが終わると周りからは拍手喝采の嵐だった。


リーナが周りの人と話しているとアレクがよってきて、リーナにダンスの誘いをして、二人とも踊りに行った。


私が壁の方へ歩いていると生徒会メンバーに呼ばれた。


「どうかしましたか、皆さん?」


「ああ、カリーナ嬢がいない間に話そうと思ってな。...この間の宝探しゲームの時に起きた事を覚えているか?」


「いえ、覚えていません」


「やはりな。お前はマリーレーヌと接触し、雰囲気が変わったらしい。ギュータスから聞いたんだが、前にマリーレーヌと話していたときと、マリーレーヌが触れたあとでお前の態度が違ったらしい。マリーレーヌは多分精神魔法を使えるのではないかと思う。ただ今調べてるから断言は出来ない。だから、接触しないように気を付けろ」


「そうなんですか.....。分かりました。ありがとうございます」


「ああ、気を付けないとカリーナ嬢を傷つけることになるんだからな」


「ええ、肝に命じておきます」


そうして、話している間にリーナはセイン様とのダンスを終え、イーリスがリーナにダンスを申し込んで、踊りに行った。


他にも生徒会メンバーの皆様や他の方たちとダンスを踊り、最後には私と踊り婚約パーティーは終了した。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ