6 なんていうか.....バイオレンス?
「リーナ起きたかい?心配したんだからね」
「そうだよリーナ。昨夜一度目が覚ましたことを聞いて、目が覚めるのを待っていたんだけど、また起きなかったらどうしようかと思ったよ。」
「ごめんなさい。お兄様、お父様、心配させてしまって…」
「今回は無事だったから良かったけど、当分は体を動かすのも辛いだろうと医者も言っていたよ。しばらく安静にしていなさい。分かったね?」
「はい、お父様」
次に目が覚めたとき、すぐお兄様に声を掛けられ、その後にお父様に声を掛けられました。返事をしたところで周りを見回したら、昨夜いたはずのヴィル様がいないことに気づきました。
「ところでヴィル様はどうしたんですか?...今回のことは私の責任なので、ヴィル様を叱らないで下さいね?」
「大丈夫だよ、話を聞いてヴィルテイト君に不備はなかったのは分かったよ。リーナも無事だったし今回のことは気にしないで欲しいと言ったが、ヴィルテイト君もショックだったのだろうね。気にしていて…朝方リーナが目を覚ましたと報告に来てから部屋にこもってしまっているよ」
「そんな!.....お父様、ヴィル様に合わせて下さい。私をヴィル様の部屋に連れてって下さい‼」
私に苦笑いになりながら説明していたお父様は私のそんな言葉を聞いて固まってしまいました。固まってしまったお父様の代わりにお兄様が少し怖い笑顔で返事をしました。
「ダメだよリーナ。今動かせるわけにはいかないんだから、部屋の扉ぶち抜いてもヴィルを連れてくるからおとなしく待っててね」
「えっ・・」
「・・はっ、そうだぞリーナ、今は動いてはダメだよ。アレクがちゃんと連れて来てくれるだろうから、おとなしく待っていようね?」
いつも優しいお兄様の言葉に普段聞かないような言葉がまじっている気がして首をかしげている私に、私の言葉で固まっていたお父様がお兄様の言葉に同意しました。
「分かりました…お願いしましますお兄様…」
「うん。待っててねすぐ連れてくるから」
いつもの優しい笑みを浮かべてお兄様は部屋を出てヴィル様を呼びに行ってくれました。