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婚約式の前日に





学院へ戻ってからは、リーナと一緒に学院祭の準備で忙しく動き回り、学院祭は無事終了した。


それから婚約パーティーまでの一ヶ月はパーティーに向けて忙しくなった。


リーナは主にドレスの確認、私と一緒に指輪の確認、当日の髪型の確認などをして、私よりも忙しそうにしていた。


そんな中、少しでも疲れがとれるようにとお茶を入れたとき、リーナは疲れているというよりも、嬉しいと本当に思ってくれているような笑顔で「大変ですけど...ヴィル様と婚約できると思うと嬉しくって、大変というよりも嬉しいの気持ちの方が勝ってます‼」と言ってくれた。


自国から逃げた私がこんな幸せで良いのかと思ったがこれからもこの笑顔を大切にしようと思った日だった。




婚約式前日にフェルダ家へ帰ると、その日の夜はセイン様とアレクに連れられ、お酒を飲むことになった。


「リーナはね~小さい頃は泣き虫だったんだよ~泣かなくなったのは4歳位のときだったかな~成長を感じると同時に寂しくも思ったよ~」


「5歳からのリーナを一番知ってるのはヴィルだろうけどね~僕たちは生まれたときからそれまでのリーナの事を一番知ってるんだよ~」


「リーナが生まれたときなんて、天使が私たちの元に来てくれたかというぐらい、あ、コップが空いてるじゃないかほら....天使が来てくれたかというぐらい愛くるしかったんだよ~」


セイン様とアレクがリーナの事を話して二時間はたったかというとき、すでに私は10杯もお酒を飲まされていた。


さすがに、もう辛いんだが...。飲まないと「飲め飲め」と言ってくるし、コップが空くと直ぐに注いでくる。


酒を注ぐだけ注いで、私の事を放置して二人で「あの頃のリーナは...」とか「リーナが婚約しちゃうなんて~」と話していた。私の事を睨むのを忘れないのは流石だと思う。


そんなところにリーナがやって来た。


「カリーナです。失礼してもよろしいですか?」


「ああ、大丈夫だよ」


「失礼いたします」


「リーナ、どうかしたのか?」


「いえ、渡したいものがあったので...。お父様達大丈夫ですか?お顔が赤いですよ?ほどほどにして下さいね?」


「まだまだ、大丈夫だよ。でも、確かにこの辺にしとかないとかな?で、リーナの渡したいものは?」


さっきまで、ぐでんぐでんに酔っていた人とは思えない豹変ぶりに驚いた。それにさっきまで私の事を睨んでいた人とは思えないほどの顔の緩みようだ。


そんなことを考えているとリーナはセイン様とアレクに魔力石を渡していた。


リーナの説明を聞くと防御魔法を発動する魔力石だそうで、よくよく聞くとそれはリーナにしか作れないと言うことだった。


それに、リーナには魔粒子に色があるようで、そのために特殊な魔力石を作れたようだった。


これは私たちだけの秘密になった。


リーナが危険な目に会うことを避けるための処置。


いけないことだったのかと、泣き出しそうになっているリーナに、セイン様は頭を撫でて、大丈夫だよと言っていた。


そうして、リーナが落ち着いた所で、今日は解散になった。





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