学院
カリーナ様に告白した後、癖で敬語はくずせなかったが、名前はリーナと呼ぶことにした。
リーナと買い物をし、家に帰ってから、セイン様とアレクにリーナと付き合うことを伝えた。
玄関が中から開けられて、直ぐにセイン様とアレクにカリーナ様に声が届かない所に連れていかれた。
「ヴィル~何でリーナと手を繋いで帰って来たのかな~」
「ああ、そ、それは、リーナと付き合うことになったから....」
「ふ~ん、何で相談してくれなかったのかな~」
「はは...。顔が怖いですよ、二人とも」
「当たり前だろう‼あの事は言ったのかい?」
「いえ...まだ伝えていません...」
「言う前には今度こそ相談してくれよ!」
「はい、ありがとうございます」
そのあと、あの事を伝えてもリーナはきっと君とは別れないだろうからと、婚約パーティーを半年後に行うとセイン様は決められた。
その時に、リーナの良いところの話とリーナを不幸にしたら許さないという話を夜が更けるまで話された。
次の日にリーナに婚約パーティーの話をし、セイン様はそのまま婚約をするのだからとリーナの学院ののお供を私に任せられることになった。
「ヴィルテイト君よろしく頼むよ」
「はい、かしこまりました」
「わーい!ヴィル様よろしくお願いいたします‼」
「ええ、こちらこそよろしくお願いいたします」
アレクは怖い顔で私を睨んでいたが、リーナの喜んでいる顔にどうでもよくなった。
それから、リーナの学院の入学式まではあっという間だった。学院へ向かう馬車では、リーナがセイン様とアレクにお礼を言ったり、アレクが私に忠告したりと話している間に学院へ着いた。
そうして、セイン様、アレク、私、リーナの順で馬車から降り、四人で歩いていると後ろから馬車が来る音がして、振り返ると馬車を避けようとしていた女性が転びそうになっていたので支えたとき、何となく甘いにおいがし、その女性に触れた瞬間、頭の中に霧がかかったような感じになり、身体が動かなくなった。
しかし、その女性の「すみませんっ!!」という言葉と離れていったことで、少し頭の中の霧が晴れた気がしたて、その女性と話していると馬車から人が降りてきた。
馬車から降りてきた人は殿下で、セイン様と話していたが、その内容は頭の中に入ってこなく、ぼーとしていて、いつのまにか私にぶつかってきた女性が講堂の方へ歩いていた。
その後ろ姿を、どうして頭の中に霧がかかったような感じになったのか、答えを求めようとじっと見たが、そのまま私たちも応接室へ向かうことになり、考えるのを止めた。




