5 前世の私?
話が前後しています。急に長文になってしまい申し訳ありません!!
馬にはねられて一週間寝込んでいた時に変な夢を見ました。その変な夢の中の世界は私が七年間生きてきた世界とはとは全く違う世界でした。その夢の中で、私は朝になればでかいガラス張りの建物に毎日のように通い、何かの書類仕事を行い、夜になれば家に帰り夢の中の家族と食事を取り、といった生活をしている女性でした。
夢の中の家族構成は母親、父親、妹でとても仲が良いのが分かりました。なぜなら、その夢の中で私もみんなも毎日笑っていたからです。
妹は乙女ゲームというのにとてもはまっている子で、妹はいつも今やっているゲームの話をしていてゲームは完璧に隅から隅までやりきり、終わったゲームの話を私に必ず言うような子でした。
その日もいつも通りの日常が終わり、家に帰ると興奮した妹が玄関を開けた私にタックルのように抱きついてきました。
「ただい・・・ったぁあー、もうびっくりしたでしょ!どうしたのよ!」
「おねぇちゃん!!聞いて聞いて!!もうヤバイの!このゲームヤバイの!」
「はいはい、分かったから落ち着い...」
「落ち着いてなんかいられないよ!これは私が話すよりおねぇちゃんもやって!!ゲーム機もカセットも貸すから!!」
「そんなこと言うの初めてだね?何がそんなに凄いのよ?」
「背景の絵のクオリティーとか声優の声とかキャラクターの顔とかとにかく凄いの!!まあ、ただヒロインと悪役令嬢だけがあまり納得出来ないけど〜」
「そう言うのも初めてだね?でも、そこまで言うならやってみようかな?ただ、ゲームとかしたことないから進むの遅いかもだけど」
「本当!!じゃあ、おねぇちゃんの部屋に持ってくね!一ヶ月後にこのゲームのイベントがあるんだ!おねぇちゃんも一緒に行こうね!それまでにはゲーム終わらせてね!」
「あ!分かった!そのお金お出させようって魂胆でしょ!」
「正解!!」
「も〜しょうがないなぁ〜」
そんなこんなでゲームをすることになり、最初は流されるまま進めていた乙女ゲームを私はどんどんはまっていき妹と乙女ゲームの話をするようになりました。
「本当にこのゲーム凄いね〜絵のクオリティーも声も」
「でしょでしょ!!でもこのヒロインと悪役令嬢はなんなのって感じじゃない?」
「そうね〜この悪役令嬢はこんなにスペック高いのに性格だけが難点って感じは悪役にお似合いだけど、とっても美人で悪役令嬢には似合わないほんわかした顔で、スタイルも抜群って…もったいないわよね…。ヒロインは逆にヒロインらしくないつり目がちな悪役顏で性格は優しいように見えて、男を手玉に取っているような感じだものね〜。なんかこの顔設定とかヒロインの性格とかよく分からないわね」
「でしょ〜悪役令嬢とヒロインの見た目をそのまま交換して、ヒロインの性格をもっと清楚でおしとやか〜な感じにすればこのゲーム完璧だと思うの」
「今までにないようなゲームにしたかったのかしらね?」
「う〜ん、まあ悪役令嬢は最後までどこにでもわいて出てきてお邪魔虫だけど、恋が盛り上がるし、最後にはけちょんけちょんにやられるからスッキリしていいけどー」
「けちょんけちょんって…少しかわいそうだけどね」
妹のけちょんけちょん発言に悪役令嬢にも言い分があるのだからかわいそうだと思ってると、妹は「え〜そうかなぁ〜」と反応しました。それに笑って返し、妹の悪役令嬢がいかに悪役かの話を聞いていると、それに満足したのか妹はいきなり話を変えてきました。
「あ!そういえば、明日はイベントだけど、裏ルートまで進んだ?」
「裏ルート?何それ?」
「え!裏ルートあるって話しなかったっけ…やっちゃったぁ〜‼︎とりあえず明日イベントだから少しだけ内容教えるね!イベントから帰ってきたらやってね!」
「う、うん」
最初は自分にショックを受けて、後は迫り来るように内容を話し始めました。
妹の話では裏ルートは他国の王子を攻略対象としているらしく、他の人を攻略していくとこの人がその王子ではないかという人が分かり攻略できるようになるとのことでした。その人を攻略するとゲームを完璧に終えることができるとのことで、その日は興奮した妹からその話を聞いて寝ました。
次の日、妹は朝からテンションが高く「車にひかれないように気をつけるのよ〜」との母親からの忠告を「わかってるって〜」と妹は返していました。その返事に呆れている母親に「行ってきます」と言ってから私と妹は家を出ました。
イベント会場でも妹はずっと興奮していて、そんな妹を見ている私も少しだけテンションが高くなってしまいました。
色々なグッツを買い、帰る頃には妹は両手がふさがるぐらい荷物を持ってました。重そうな荷物をそれでも嬉しそうにずっと笑って持っている妹に呆れながら、荷物を持つのを手伝おうと「持つよ」と声をかける前に、妹は信号が変わりそうなのを見て走り出していました。それを止めようとしましたが、それより先に左折したトラックが妹に突っ込みそうになってるのを見て、妹を思いっきり押してました。
「おねぇちゃん!!」
体に衝撃がきましたが、痛いと思うことはありませんでした。それよりもだんだん寒くなっていき、意識が薄れていく前に妹の「おねぇちゃん!」とよぶ声に対して「だ、から…き、をつけ…って、い…った、でしょ…」と返してから意識がなくなりました。
その場面が最後で目覚め、ヴィル様が手を繋いでるのに気付き、今までのが夢だったのだと思いました。
馬にはねられてから今まで寝ていてたのだと思い、それから少しだけヴィル様と話をし、だんだん意識がなくなっていきました。
夢から目覚めたところからは前の4話に繋がっています。この次の6話が4話の続きになります。話が前後していて申し訳ないです…。