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驚き

毎日カリーナ様と一緒に居ると約束した通りに、翌日からカリーナ様の部屋に行った。


本当は他に仕事があったのだが、セイン様がその仕事はしなくていいと決められ、カリーナ様の専属になった。「俺だって、毎日リーナに会えないのに!」とセイン様とアレクは恨みこもった目で見ながら、渋々決めていた。


カリーナ様の専属と言っても、カリーナ様はまだ動ける状態ではないので、とりあえずカリーナ様の部屋を掃除していると、ベッドに座って本を見ていたカリーナ様が突然「わっ!」と言いだした。


「どうしました!カリーナ様!」


「いえ…いきなり周りがキラキラして驚いてしまって…」


「キラキラ?魔粒子のことですか?」


「魔粒子っていうんですか?綺麗ですね〜」


魔粒子と言っても、首を傾げるカリーナ様に今度は私が驚いてしまった。


「っえ、カリーナ様は今まで魔粒子を見てなかったんですか!?」


「え〜と、これが魔粒子なら今まで見てきてなかったです…」


「そうなんですか…勝手に見えているものだと思ってました…」


セイン様とカリーナ様の母君は歴代の魔法師で、アレクもかなり名の知れた魔法師だったので、その家族であるカリーナ様も魔法を使えると勝手に思い込んでいた。そう考えているとカリーナ様は不思議そうに首を傾げていたので、そのまま伝えることにした。


「セイン様とローズマリー様との子でアレクの妹だったので、勝手に魔法が使えると思っていたので…魔法が使える人は魔粒子を見ることができるので」


「そうなんですか…じゃあ、私も今は魔法が使えるんですよね?確かどの魔法も想像力が大切で、発動したい魔法を想像すると魔法陣が浮かんで、そこに魔力と魔粒子を編みながら流すことで発動することができるんですよね!」


「は、はい。でも……」


カリーナ様は魔法が使えると分かると、喜んで使い方を確認してきた。それに頷くと、いきなりカリーナ様の身体の周りを薄緑色の膜が覆っていた。


「カリーナ様!!何をしたんですか!」


「え〜と、治療魔法を使えないかと思いまして発動してみたら何か発動しました……」


「確かに発動してますけど、こんなに魔力を使ったらカリーナ様が倒れてしまいます!」


「そうなんですか?」


「そうなんです!早く止めて下さい!」


「え、止め方が分かりません…」


「はぁあ〜!!とりあえず魔法陣に魔力を流すのを止めてください!」


「は、はい!分かりました!」


魔法は発動するとどれくらいの規模か分かる人は分かる。私もそのうちの一人で、カリーナ様が発動した魔法はかなり魔力を消費するものだと分かった。


魔法の規模に驚き、魔力が無くなったら危険なので、かなり取り乱してしまい言葉が雑になっていた。


カリーナ様が発動した魔法を解こうとしたのがわかったが、解く前に魔力が切れてしまったようで、カリーナ様の目がだんだん閉じていき、意識がなくなっていくのが分かった。


「カリーナ様!誰かセイン様とアレクを呼んで来てくれ‼」


「は、はい‼」


魔力切れは死をもたらすほど危険なものではないけれど、後遺症が出てしまう可能性があるほど危険なものだった。魔力切れの処置は他の人から魔力を貰うか、魔力石から魔力を取るかどどちらかしかない。


とりあえず、私の魔力をカリーナ様に流していると、セイン様とアレクが慌てて部屋に入ってきた。


「「リーナ‼大丈夫か‼」」


「魔力切れを起こして倒れました。とりあえず、私の魔力を流しています」


「ちゃんと入っているのか?」


「はい、相性が良かったようで」


「ふーん、そうなんだ。そろそろ私が代わるよ、ヴィルも魔力ないと大変でしょ?」


「ああ、ありがとう。......カリーナ様魔力量が相当多いらしくて、私の半分渡しても、まだ1/5程しかたまっていないようだ」


「えっ!そんだけ!俺ら結構多い方だよな?」


「ああ」


「それはきっとローズマリーに似たんだね」


「「そうなんだ(ですか)」」


「ああ、でもこれは知られては面倒なことになるからね」


「「分かった(りました)」」


そうして話している間に、治療魔法師団長がフォルダ家にやって来たようで、カリーナ様の部屋にやって来た。


「失礼致します。本日はカリーナ様の治療にやって来ました」


「ああ、ありがとう。娘は今魔力切れを起こしてしまって、意識がないのだけど、大丈夫かい?」


「ええ、大丈夫ですよ。では、失礼してもよろしいですか?」


「ああ、頼むよ」


「はい、失礼致します」


そうして、治療魔法師団長、デーリィッド様の治療が始まった。




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