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後悔





カリーナ様をお運びしてから直ぐに、家に住み込みで働いている医師にカリーナ様を見てもらった。


その間に王宮で働いているセイン様とアレクに急ぎ手紙を出した。


カリーナ様の怪我は馬に跳ねられたにしては、ましな方と言われたが、背中をひどく打ち付け、足は折れているようだった。


手紙を出してから、1時間もしないうちにセイン様とアレクは慌てて帰って来た。


「セイン様、申し訳ありませんでした!!私がしっかりしていれば...」


「いや、それよりも何があったのか説明してくれるか?」


「はい、カリーナ様は初めての街にとても興奮されていたようだったので、手を繋いでいたのですが...」


「ほう、手を繋いで.....それで?」


「あ、は、はい、カリーナ様は猫を見つけて、私の手を離して猫のいる方へ駆け出したのですが、大きな通りを横切った先の道に猫がいたので、通りに飛び出してしまい、馬車に跳ねられました。馬車はトリーク男爵家のもので、かなりスピードを出していました」


「そうか、...ヴィルテイト君私は今回のことに君は悪くないと判断するよ」


「で、ですが、カリーナ様の手をしっかり繋いでいれば...」


「それでも、最初に手を離したのはリーナだし、普通のスピードで馬車が動いていれば、跳ねられることもなかったかもしれない。ヴィルテイト君が責任を感じる必要はないんだよ」


はじめから話を聞く姿勢があり、話を聞いたあとにも私のせいではないと言ってくれて、本当にそれで良いのか分からないです。


それからはカリーナ様が起きるまで、昼間はアレクやセイン様ご見ているので、夜間は私がカリーナ様を見ていることになりました。


かなり無理を言ってお願いしました。


カリーナ様が事故に合ってから、昼間はセイン様とアレクが交代でカリーナ様を見ていて、見ていないほうは王宮に治療魔法師にお願いしに行っていました。


そうして、治療魔法師が来てくれると決まった日の夜にカリーナ様は目を覚ましました。


カリーナ様を見ている間は生きていると自分に実感させるため、カリーナ様の手を握っていた。


その日の夜は握りしめていた手が少し動いて、顔を見ると目が開いた。


「カリーナ様‼︎起きられたのですね!喉が渇いていらっしゃいますよね?少し体を起こしますよ」


今まで寝ていた間は食事はとっていないですし、水分もほとんどとれていない状態だったので、急いで水分をとってもらいたく、カリーナ様の身体を起こし、コップに水を入れ、口元に運んだ。


「ゆっくり飲んで下さいね。飲み終わったらまた寝て下さい」


「うっ…、ヴィ…ルさま、わたしは…だいじょう、ぶですから、そんな、かお…しないでください。」


「大丈夫なはずないじゃないですか!背中を打ちつけ、足は折れてしまったのですよ!私が手を離さなければ…今だって話すのが精一杯って感じじゃないですか!!」


カリーナ様は私の事を心配させないようにと、少し笑いながら告げてくれましたが、その笑顔は無理しているのだと分かってしまい、私は辛くなった。


「ヴィルさま、ごめん、な…さい。」


まだ、身体は本調子ではないためかカリーナ様はそう告げて、眠ってしまわれた。


カリーナ様のせいではないのに、私が油断をしていたからなのに、私に謝らせてしまったことがとてもショックだった。


「私の方こそ、すみませんでした...。私が手を離さなければこんなことにはならなかったのに......」


寝ているカリーナ様に告げて、手を握りしめ、明け方までそうしていた。


セイン様の部屋へ明け方直ぐに向かい、カリーナ様が一度目を覚ましたことを告げてから、私は部屋にこもった。






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