妹みたいな存在
今日からヴィル編になります!
カリーナの目線だけでは分かんなかった部分を書いていきますので、お付き合いいただければと思います(*^-^*)
私がリーナに会ったのは、リーナが5歳の時。
王宮に住むか、宰相の家に住むかで話し合った結果、私は宰相の家に執事として住むことになった。
決まって直ぐ、その日の夜に宰相の家に向かうことになり、慌てて着いていったのを覚えている。
宰相の家に着いて直ぐに食堂へ向かうと、宰相が溺愛していると噂の娘のカリーナ様に会うことになった。
カリーナ様食事をしていたのか席に座っていたけれど、宰相のセイン様の話を聞くと、慌てたようにイスから降り、私の前まで来ると私の手を握りしめて、私の「よろしくお願いします」の返事に「こちらこそよりょしくおねがいします。わたしは、カリーナともうします。ヴィりゅてぃと様」と言った。
妹が出来たように思えて、母と妹達にしか言わせていなかったヴィルと言って欲しいと思い、「ヴィルでいい」と告げるととても笑顔で「ヴィル様」と言われてとても嬉しかった。
それから少ししてからカリーナ様は私のことを「大好き」と私を見るたびに言ってくれるようになり、兄として認めてもらえているのだと、嬉しくなった。
カリーナ様の7歳の誕生日に、カリーナ様と街へ行くことになった。本当はセイン様とカリーナ様は一緒に行くことになっていたが、前日にセイン様の予定が合わなくなり、私が一緒に行くことになったのだ。
街へ出たのが初めてのカリーナ様は珍しさにか、周りをキョロキョロ見ていて可愛らしかったが、転びそうなのと、人混みに紛れて見失いそうで手を繋ぎましょうと言うと私から言うのは初めてだと嬉しそうに喜んでくれた。
しかし、何時も繋いでいるから変わらないのではと言うと違いますとむくれてしまったが、それも微笑ましくて笑って手を繋げは、そのうちカリーナ様もニコニコ笑いだしていた。
カリーナ様は興味が引かれるものにどんどん目を移していき、目がキラキラしていた。私はそんなカリーナ様を見て楽しんでいた。
「ヴィル様、猫さんがいますよ。見てきますね!」
周りを見回していたカリーナ様は突然一点を見たと思ったら、私の手を離してそうおっしゃられた。
だが、猫がいる場所は通りを横切った先の道だった。このままでは、危ないと思い「カリーナ様‼︎待って下さい‼︎」と声をかけるが、その瞬間目の前で、カリーナ様が宙を舞っていた。
「カリーナ様‼︎」
周りを気にせずカリーナ様に駆け寄ると、息はしていたが、意識はなかった。
「すみません!誰か運ぶのを手伝って下さい!!そこのかた担架を持ってきて下さい!!」
「お、おう、分かった!!」
「その子は大丈夫なのかい?」
「息はしています!フェルダ公爵家に運びます!手伝って下さい!!」
私がそう告げると、馬車から降りてきた明らか貴族と思われる方が怯えた顔をしていた。
「そ、その子はフェルダ公爵家の、子なのか...」
「今はそんなことどうでもいいです!一刻を争うのです。退いてください!」
「わ、私は、どうすれば」
「あなたは、トリーク男爵家の方ですよね?あなたは明らかにスピードを出しすぎていました。後でセイン様が直接向かわれるでしょう。そのまま家に居ればよいのではないですか?」
トリーク男爵にそう告げると、体を震わせて地面に膝をつくのを後ろにしながら、私はカリーナ様をフェルダ公爵家に運んだ。




