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44 能力試験





今日はとうとう能力試験の開始日になります。


能力試験は今日から一週間ほどになり、最初の3日間は筆記試験です。この筆記試験は今まで習ってきた教科全てのテストになります。そして残りの4日間は魔法の試合と剣技の試合になります。


ただし、剣技の試合は剣技の授業に参加している男性の生徒だけになるので4日間の試合の最初の一日目を使い、終わらせてしまいます。


「今日は筆記なのでまだ、緊張しないですけど、魔法の試合が怖いです」


「大丈夫ですよリーナなら、勉強も魔法も頑張っていたのですから」


ヴィル様は頭を撫でながら、そう言って下さいました。ヴィル様のおかげで凄くやる気が出て、緊張もふっ飛びました。


「ヴィル様!私頑張ります‼」


「はい、そのいきですよ!」


今回の生徒会の活動は、先生方のサポートです。最初の3日間は筆記試験なので、私たちも他の生徒と同じく、普通に試験をします。


残りの4日間に私たちは生徒の誘導などを行うことになりますが、これも私たちの参加があります。流石に試合がどうなるかは分からないので、もし、みんな被って試合になってしまったら、先生達が取り仕切る形になります。


試合の審判は最初から先生が行うので、そこに不正が起こることはありません。


そうして、最初の3日間は他の生徒と一緒になって、必死にテストを行いました。事前に復習をきっちり行っていたため、迷うようなことはありませんでしたが、合っているかどうか不安はあります。


3日間の筆記試験が終わり、次の日は1日剣技の試合になるので、女の私は一日取り仕切る役になります。殿下や、フラン様など、試合がないときは手伝ってくれましたが、上位の試合になるほど、皆さんが居なくなるので、だんだん大変になりましたが、ヴィル様が一緒に居て、手伝ってくれたのでどうにか持ち越しました。


3日間の筆記試験の結果は一週間後の能力試験の終了日になりますが、剣技の試合と魔法の試合はその場で結果が分かります。


今年の剣技の試合結果は1位は3年連続優勝のテオバルト様です。2位はイーリス殿下、3位もフラン様、4位は今年初の挑戦者のギュータス様、5位は4年生の一般市民の方でした。フリード様は惜しくも3試合目で敗退でした。


「皆様、おめでとうございます。テオバルト様と殿下の試合はとても素晴らしかったです‼」


「ありがと~」


「ああ、ありがとう。だが、あとちょっとで勝てると思ったんだけどな。まあ、こいつは凄く強いからしょうがないな」


「殿下もお強いですよ?テオバルト様はギュータス様と殿下以外の方は1分以内で試合が終わっていたのに、殿下は15分も戦っていたじゃないですか❗それだけでもとっても凄いですよ‼」


「ああ、...そうだな。お前にこれから背中を預けるんだ、これでよしとしよう!」


「お~期待してて下さいよ~」


「あなたは試合をしているときと、してないときの差が激しいですね」


「そ、それがてテオバルト、だよ」


「なにそれ~」


皆さん笑っているなか、少しフリード様は寂しそうでした。魔法が得意なフリード様は剣技は苦手らしいです。それでも、強くなりたいと思っているのでしょう。そのまま寂しそうでいてほしくないです。


「フリード様は魔法がお得意ですよね?明日が楽しみです‼」


「あ、ありがとう。...あ、明日頑張る」


「はい‼」


フリード様に声をかけると、フリード様は笑って下さり、それが嬉しくて私も笑いました。


すると皆さん顔を赤くして、固まってしまいました。そんな中ヴィル様は私の前に立ちこちらを向いて「笑うの禁止」と言われました。

私は「何でですか?」と返しましたが、ヴィル様は耳に口を近づけると、「焼きもちだよ」とおっしゃられ、私は恥ずかしくなって、顔が赤くなりました。




次の日になり、今日から魔法の試合が始まります。全校生徒のトーナメントを事前に先生方が作っているので、その通りに進めていくだけです。


第一試合で、先輩に当たった生徒はやる気に道溢れている方もいれば、諦めている方もいます。


トーナメントを勝ち進んで行けば全てで、10試合は行います。初日の3試合、2日目の3試合と順調に勝ち進んで行きました。


魔法の試合は男女混合で行われるのですが、2日目の1試合目でテオバルト様は私と同じクラスで友達のリーリエ様に負けて、敗退していました。


他の生徒会メンバーは殿下、フラン様、フリード様の3人が3日目参加メンバーで、ギュータス様は2日目の3試合目で敗退です。


3日間の1試合目、何事もなく勝ち進むと次の対戦相手はマリーレーヌさんでした。殿下達はそれを心配して「気をつけろ」と言っていました。


そうして、3日間の2試合目、殿下は隣の試合会場で、2試合目を行うようでした。


「よろしくお願いいたします。マリーレーヌさん」


「.......」


「では、向き合って下さい。......初め‼」


私はまず防御魔法を行い、防御結界を作ることにしました。ですが、完成する前に、マリーレーヌさんの魔法がおかしいことに気づきました。


攻撃魔法を発動しようとしているのは赤い魔粒子が集まっているので、分かったのですが、魔粒子が異常に集まっています。


あんなに集まっていると、暴発してしまいます。私は慌てて今発動しようとしている防御魔法を解いて、分解魔法を行い、マリーレーヌさんのもとへ近づきました。


そうして、マリーレーヌさんの腕を掴んだとき、マリーレーヌさんが行っている魔法が発動しましたが、やはり暴発しました。


分解魔法が間に合いましたが、暴発の余波で私をおもいっきり吹き飛ばしました。


勢いよく吹き飛び、壁にぶつかる直前にマリーレーヌさんの無事を確認しましたが、マリーレーヌさんは笑っていました。







次回から、ヴィル目線の過去編が始まります。

どこまで、過去編か分かりませんが、お付き合いいただければなと思います。よろしくおねがいします‼m(__)m

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