43 生徒会室で
生徒会室へ着くと、すでに私たち以外のメンバーが部屋に居りました。
「あ、おっはよ~」
「おはようございます」
「テオバルトその適当な挨拶はどうにかならないのか!」
「やっだな~いつものことじゃん」
「はぁ、お前は来年生徒会長をやる自覚はあるのか!!」
「大丈夫だよー、他のメンバーが素晴らしいからね~」
「お前は..、やるときはやるのになんでこうなんだ...」
「もう、それが私だよ。今さらだね~」
「か、カリーナさん、ど、うしたの?」
そんな二人の会話が、先ほどあったことを落ち着かせる力になったのか、涙が出てきてしまいました。
「い、いえ、すみません、突然。ちょっと待ってください、今、泣き止みますから!」
泣いてしまったことが恥ずかしく、泣き止もうと頑張ってると、「お前は~」と聞こえたあと頭をぐしゃぐしゃに撫でられました。
「な、なにを、するのですか!!」
「お前は、さっき怖い目にあったのだから、泣いてしまうのは当然だろう!泣きたいだけ泣けばいい!」
そんな殿下の言葉に涙腺が崩壊して、更に涙が出てきてしまい、子供のように泣いてしまいました。
コンコンコン
「失礼いたします。....リーナ!どうしたのですか!!」
「おい!ヴィルテイト!なんでカリーナ嬢を一人にしたんだ!!」
「え、それはマリーレーヌさんを撒くために...」
「だからといってカリーナ嬢を一人にすることは避けるだろう!」
「そうですね...。リーナに何があったのですか?」
それから、喋れない私の代わりに殿下がみんなに説明して下さいました。
「申し訳ありません!リーナ!怖い思いをさせてしまって...」
「いえ、私も油断していたので、それにヴィル様のせいじゃないですよ」
「いえ、私はもうリーナを傷つけないと決めていたのに...」
ヴィル様は歯を噛み締めて下を向いてしまいました。ヴィル様のせいではないのに私のせいでヴィル様が傷ついてしまうのは嫌でした。
「ヴィル様!今日は私の手を繋いで寝たください‼」
「「「「「「ぶっ!!!」」」」」」
「カリーナ嬢、大胆~」
「それはいかがなものかと」
「だ、大丈夫なの、かな?」
「まさか、そんな事言うとは...」
「だ、ダメだろう‼」
私が言ったことに皆さん吹き出したと思ったら、ヴィル様は固まり、他の方はそれぞれ、そう言ってきました。
「え、ダメでしたか?手を繋いでいただければ、安心して寝れると思ったのですが...うーんそれなら、どうしましょう?」
「.....分かりました。手を繋いでいるだけですからね?」
「はい‼」
ヴィル様は固まっていたのを解くと、手を繋いで寝てくれると約束をしてくれました。
それから、小さいときを思い出しますねとヴィル様と話していました。後ろでは他の方達がなにかを話していましたが、内容は聞こえませんでした。
その日の夜は、ヴィル様が手を繋いで私が寝るまで一緒に居てくれました。さすがに一緒の布団で寝ることはありませんでしたが、嬉しくて起きている間は手が離れないように、ぎゅっと手を繋いでました。
生徒会のメンバーの話していた内容は...
「あ、あれ大丈夫なの、かな?」
「いや、ダメだろう」
「でも、カリーナ嬢楽しそうだよ?」
「ヴィルテイトの事だから手を出すことはないでしょう」
「そ、そうか?」
そんな事を話してました。




