表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/78

42 事件発生





能力試験を一週間前に控えた日のことでした。


その日は、マリーレーヌさんが何時もとは違い、諦めずにヴィル様を追いかけていました。ヴィル様は撒いてくるから先に生徒会室へ向かうようにと言われ、私はひとりで生徒会室へ向かってました。


婚約パーティーの前まではマリーレーヌさんが、ヴィル様を好きだとは思っていなかったので、あまり気にしていませんでしたが、だんだんマリーレーヌさんはヴィル様のことが好きなのでと思うようになりました。


私とヴィル様が婚約したのを知っているはずなのに、ヴィル様に迫っているマリーレーヌさんに思わないこともないですが、ヴィル様を信じているので、ヴィル様に任せることにしています。


一度外に出て、応接棟の食堂の裏口へ向かいました。


食堂の裏口へ着く前に3人組の男の方が木の影から出てきました。


「あ、カリーナ様ですか~?」


「え、えぇ、そうですが...」


「そうですよね~カリーナ様を知らないひとはこの学院にいないですよ~」


そう言って、3人とも「あはは」と笑いだしました。一通り笑うとぴたりと笑わなくなり、3人とも私に寄ってきて、一人の方が私の腕を掴みます。


「あ、あの、何ですか?」


「ごめんね~俺ら別にカリーナ様が嫌いじゃないけど、人に頼まれちゃってさぁ~」


「そうそう、俺らを恨まないでね~」


私の腕を掴んだ男性が腕を引っ張り出しました。


「や、やめて下さい‼」


「いいから、早く来てくれないかな~」


「い、嫌です‼」


私が踏ん張って頑張ってると、腕を掴んでいる方とは違う方が焦れたのか、私の顔を手のひらで叩きました。


私はその勢いで尻餅を着いてしまい、驚きで声も出せませんでした。


「ほら、早く来い‼」


「嫌です..」


座り込んだまま抵抗していると、私のことを抱き上げようとしたのか、私を引っ張ろうとします。必死で抵抗していると「何をしている‼」という声が聞こえ、後ろを振り返ると殿下がいました。


「ヤバい!行くぞ」


殿下を見た3人組の男の方はその場から去って行きます。


「で、殿下‼」


「大丈夫か?カリーナ嬢」


「はい、ありがとうございます」


「...顔が赤くなってる、.....どうして魔法で抵抗しなかった?ヴィルテイトはどうした?」


「え、えっと...魔法は学院内での使用が、禁止されているので...生徒会メンバーの私が破るわけにはいかないかと...。ヴィル様はマリーレーヌさんを撒いてくるからって先に行っててと言われまして...」


「何を言っている‼緊急時に使わないで、いつ使うって言うんだ‼あいつもこんな時に居ないなんて..」


「は、はい...。すみません...」


「まあ、いい。次からは使って良いからな、ヴィルテイトにも必ず一緒にいるように言っておこう」


「はい、分かりました」


殿下の説教が終わり、殿下が頭を撫でて下さいました。


私は顔の腫れを消すために治療魔法を使い、そうして腫れがひいた頃に殿下と生徒会室へ向かいました。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ