34 久しぶりの家族団らん
川辺のベンチでヴィル様にお話を聞いて、朝御飯の時間に間に合わなくなりそうになり、急いで家に帰りました。
「ただいま帰りました~遅れてしまいましたか?」
「お帰りなさいませ。いえ、大丈夫ですよ。セイン様とアレクシス様は食堂でお待ちですよ」
「分かりました~直ぐに行きます!」
一回部屋に戻り、髪を整えてから食堂に向かいました。
「お待たせしてしまって、申し訳ございません。お父様、お兄様」
「いや、そんなに待ってないよ。ほらリーナ座って朝御飯にしよう‼」
「はい、お父様とお兄様と一緒に食事は久しぶりで、嬉しいです‼」
「そうだね、私も嬉しいよ」
お父様もお兄様も、私が遅れてきても怒らず、笑って下さりました。少し話していると食事が運ばれて来ました。ちなみにヴィル様も一緒に食事をしています。
「学院はどうだい?辛いことはないか?」
「大丈夫ですよ、お父様。学院で友達も少ないですが、できましたし、毎日忙しいですが、充実しています❗」
「そうか、良かったね?」
「はい‼」
その後ご飯を食べ終わるまで、学院での話をしました。ご飯を食べ終え、お茶を飲んでいるとお父様もお兄様も仕事のときのような真剣な顔になりました。
「リーナ、ヴィルテイト君のことなんだが...」
「すみませんセイン様、先程の散歩のときにリーナに私から告げさせてもらいました」
「そうなのか‼それにしてはリーナもヴィルテイト君もいつも通りって感じだったのに...まだ、言ってないと思ったよ」
お父様とお兄様は初めの真面目な顔から一変して、驚いた顔になっていました。
私はヴィル様のことを知らせてもらえなかったことを少し怒っていたので、頬を膨らませ、「お父様もお兄様も、ヴィル様のことご存知でしたのでしょう?何で私に言って下さらなかったのですか?」と告げました。
「一番の理由はリーナに危険が及ばないようにするためだよ。それにまだ、5歳だったリーナには難しいだろうと思ったからね」
「そうですか...お父様もお兄様も私のことを守って下さっていたのですね.....。これからは私もお父様達を守れるように頑張ります‼」
「リーナ...、本当にいい子だね~今日は久しぶりに家族で出掛けよう‼リーナの欲しいものを買ってあげるよ」
「も~子供扱いしないで下さい‼...でも、一緒に出掛けられるのは嬉しいです‼」
「私も、嬉しいよ」
そうして、一日目の休日は街へ出かけ、二日目の休日は婚約パーティーのドレスのために体のサイズを図ったり、ドレスのスケッチを決めたりと楽しい休日になりました。




