30 ヴィル様の様子
コンコンコン
後ろから扉がノックされ、目が覚めました。
「リーナ、起きてらっしゃいますか?」
「.....え‼あ...あ、はい‼今おき...きゃっ‼」
慌てて立ち上がろうとしたせいで、転んでしまいました。
「‼どうしました、リーナ‼開けますよ‼」
「え‼あ、ま、待ってくだ...」
ガチャ
「リーナ‼だいじょ.....」
「あ、...ありがとうございます.......」
ヴィル様が扉を開けたとき、私は転んで四つん這いの状態になっていました。それを見て、ヴィル様は驚いて固まってしまいましたが、少しすると私の前に回り込んで手を引いて下さいました。
「どうしてこんなところにいらっしゃったんですか?」
「えっと.....ちょっとヴィル様が心配で...?」
「何で心配されてたか分からないですが.....昨日から今までずっとこの場所にいらっしゃったんですか?7月といえど風邪をひかれてしまいます❗身体を暖めて寝てください‼」
「はい...。あの~私、昨日、ヴィル様に、何か、してしまいましたか?」
「.....?」
「昨日、ヴィル様様子が変だったので.....」
「そうですか...?普通でしたけど.....。リーナのことを不安にさせてしまったのなら、すみません。気を付けます」
「あ、何でもないなら大丈夫です‼私が何かしてしまったら、直ぐにおっしゃって下さいね?」
「大丈夫ですよ。リーナが何かするようなことはないですから」
とりあえず、何もしていなかったと分かり少し落ち着きました。しかし、その後私がずっと扉の前に居たこと再度怒り、ヴィル様が満足されると最後には頭を撫でて下さいました。
「今日は授業がないですが、片付けがありますから準備をしますよ。リーナはまずお風呂に入って下さい」
「はい」




