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3 ひっつき虫




ヴィル様と初めって会った日からというもの毎日ヴィル様にくっついて行動しました。

ヴィル様と一緒に居ることで、お兄様やお父様がいないことで感じていた寂しさは次第に無くなっていきました。


初めの頃、ヴィル様にくっいて行動していたのは寂しさを無くすためのものでした。けれど、次第にヴィル様の事が好きになっていき、好きだと気付いた時からは毎日のようにヴィル様に好きと言い続け、そんな私に周りは微笑ましく見ていました。

私が「好きです」と伝えるとヴィル様は微笑みながら「ありがとうございます」と言って下さいました。




ヴィル様が家に来てから二年後の私の誕生日にヴィル様と一緒に街に出掛ける事になりました。私は初めての街が嬉しく、街の活気にキョロキョロ周りを見てしまいした。


「カリーナ様、離れてしまわないように手を繋ぎましょう」


「本当ですか!ヴィル様から繋いでくれるなんて初めてですね!嬉しいです!!」


「そうでしたかね?...それでもほとんど毎日、手を繋いでいるではないですか。いつもと変わらないですよ?」


「いいえ、違いますよ。いつもは私からですもん」


ヴィル様はキョロキョロしている私が危ないと思ったのか手を繋いで下さると言ってくれました。それに喜びましたが、ヴィル様の「いつもと変わらない」発言に、最初の喜びとは一転、少しムッとしながら話している私にヴィル様は微笑みながら私の手をとって下さいました。それがやはり嬉しくて私もいつの間にか微笑んでいました。





花屋やケーキ屋をひやかしながら街を歩いているとき、私は猫を見つけ、興味が勝り自らヴィル様の手を離してしまいました。


「ヴィル様、猫さんがいますよ。見てきますね!」


「カリーナ様‼︎待って下さい‼︎」


そんなヴィル様の声を聞かずに走り出した時、馬の嘶きが聞こえ振り返った時にはぶつかり、はねられてしまいました。


「カリーナ様‼︎」


ヴィル様と周りの人の叫び声を聞き、段々意識が薄らいでいきました。






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