17 応接室で
応接室に移動し、部屋の奥の二人がけのソファーに殿下は腰をおろしました。お兄様は殿下の後ろに立ち、私は部屋に入って殿下が座ったソファーの前のソファーの横に立ち、殿下が座ったのを確認してから臣下の礼をしました。私の後ろではヴィル様も臣下の礼をしています。
「お初にお目にかかります。セイン・フェルダの娘カリーナ・フェルダと申します。私の後ろにおります者は私の侍従のヴィルテイトです。以後よろしくお願いいたします」
「ヴィルテイトと申します。よろしくお願いいたします」
「よい、顔を上げろ。私はホルン国王ハラークの息子にして第一王位継承者のイーリスだ。こちらこそよろしく頼む」
イーリス殿下の顔を上げろの言葉に姿勢を戻し、イーリス殿下に再び軽めの礼をしました。その後直ぐに着席を進められ、イーリス殿下が座っている前のソファーに座りました。
「では、お茶のご用意を」
「ああ、頼む」
「ヴィル様もお手伝いをお願いします」
「はい、リーナ様」
イーリス殿下の侍従の方が部屋から出ていくのを見て、ヴィル様にもお手伝いをお願いしました。そのときに、ヴィル様は私に笑顔を向けてくださったのですが、それを見てイーリス殿下は驚いていました。
「.....アレク、あいつってあんな顔して笑うやつだったか?」
「驚いただろう、リーナにはいつもあんな感じだよ」
「マジか....、それは怖いな...」
殿下が驚いたのを解くと同時にお兄様にこそこそと何かを話していました。内容は聞こえませんでしたが、イーリス殿下はチラチラと私を見るので、私のことを言ってるのかと思いました。
「イーリス殿下?どうかしましたか?」
「い、いや...何でもない......」
「そうですか」
「それはそうと、カリーナ嬢はとても可愛らしい方だな。これからの学院生活が楽しみだな」
「なにを言ってるんだ!リーナに近づくなよ!」
イーリス殿下が話した内容にお兄様はイーリス殿下を睨んでいましたが、イーリス殿下はそれを無視して私の質問に答えてくれます。
「...あの~イーリス殿下は最高学年でいらっしゃいましたよね?...あまり関わりは持てないと思いますが...」
「ああ、この王国学院では最高学年のものが新入生と共同で授業をする。それにカリーナ嬢は生徒会入が決まってるからな、これから一年間よろしく頼むよ」
「そうなんですか。これからよろしくお願いいたします」
乙女ゲームでは、私はでき損ないだったので生徒会入りなんてしていませんでした。私とは違い入試(学院には貴族の子女、子息は必ず入学しますが、テストを受けます)でトップのヒロインさんが生徒会入りをしてました。それとヒロインと同じクラスの男の子が生徒会入りをしてます。
私が生徒会入りと知りちょっと戸惑っているときにヴィル様とイーリス殿下の侍従の方とお父様が一緒に部屋に入ってきました。
「失礼いたします、お茶のご用意ができました。それと、セイン様がおこしになりました」
「失礼いたします殿下、とりあえずの対応は終わりました。入学式が終了しだい、王宮に向かいます」
「分かった、しかし...こんなに対応が早いなら、入学式を送らせることもなかっただろうに」
「何を言いますか、時間を伸ばしていなければ、私は娘の入学式に間に合わなかったのですから、当然の処置です」
「.....そうか。とりあえず、入学式が始まるまで後、30分あるからお茶にしよう」
ちなみに、アレクとイーリス殿下とヴィルは歳は違いますが、小さいときからの幼なじみ的な感じです!(悪友とも言う(*^^*))




